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カテゴリ:回顧録
昨日は去年の台風の話をしました。
私にはもう一つ忘れられない台風があります。 それは私が高校2年の秋の終わりにあった季節外れの台風。 あの年も台風の当たり年だったと思います。 11月に大規模な台風がやってきたのですから…。 私の住んでいる場所自体は何も被害はなく大丈夫だったのですが、父の実家が浸水しました。 父の実家は、その当時は誰も住んでいなくて、お盆に墓参りのときだけ帰るという昭和初期に建てられたボロボロの家でした。 兄や姉の子供達には「マックロクロスケの家」と教え、普通な怖がりそうな暗い家をトトロに会えるかもと思わせるようにしていたくらいです。 その家が台風で、近くの川が氾濫。 夏場には水無し川になっていて水のあるイメージのない私には驚きでした。 父にとっては生まれて育った家。 電話で田舎から連絡を受けたときはどんな心境だったのでしょう? 仕事の都合もあり、スグに田舎の状況を見にかえることも出来ませんでした。 いえ、もう私の記憶があやふやな部分もありますが父は結局浸水した後の家を見ていないかもしれません。 台風から約1ヵ月後のクリスマスに状況を見に帰る予定の日に脳卒中で倒れて入院しましたから。 よっぽどのショックだったのかなぁ。 無事、手術が終わり意識が戻ったあとのしばらくは父の記憶もハッキリしなかったのでしょう。 田舎で倒れて入院していると思い込んでいました。 ですから、田舎に後片付けをかねて状況を見に帰った私と母だけが田舎の家の最後を見たのかもしれません。 他の家は人が住んでいるのでいち早く片付けたり、更地にしたり、もう新しい家を建てる段取りも進んでいましたが、父の家だけは水が引いたあとのまま、一度、役所が消毒薬をまきに来た形跡だけありました。 そのときに写真も何枚か撮ったけど父に見せた記憶もありません。 今も手元に残っているくらいです。 今は、そこに新しい家が建て、両親が住んでいます。 父の入院の後、営んでいた飲食店を閉め、家族一緒に住んでいた家を売り田舎に隠居しました。 私だけは高校の途中で転校するのが大変なので近くに住む姉家族のところに居候することになりました。(通学片道15分から1時間半で近所かどうかはあるとして…) 人に残る爪あとは大きいですよね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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