年末の昼飲み
年末の空気がどこかやわらいだ午後、思い立って近くの街へ散策に出かけた。午前中は家でのんびりしていたせいか、外の冷たい空気がやけに新鮮に感じる。駅に向かって歩いていたはずが、そのまま通りすぎてしまい、最近建てられたというお城へ足を伸ばした。真新しい石垣と立派な天守は、どこかテーマパークのようでもあり、それでも街の新しいシンボルとしてすっかり馴染んでいるようだった。年末の静けさの中で眺めるお城は、少し得をした気分にさせてくれる。そこから古い街並みへ。細い道に並ぶ昔ながらの家々や、年季の入った看板を見て歩くだけで、時間がゆっくり流れていく。観光地らしい賑わいはなく、生活の匂いが残る街並みが心地いい。歩き疲れたころ、自然と帰り道へ……と思ったのだが、ここで誘惑に負けた。昼から一杯、いや二杯。気づけば昼飲みをして帰ることに。🍶これがまた、きくー。冷えた体にじんわり染みて、歩いた疲れも一緒にほどけていく。年末らしい特別な出来事があったわけではないけれど、こんな何気ない一日が、あとから振り返ると案外いちばん贅沢だったりする。そんなことを思いながら、少し赤らんだ顔で家路についた。