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MILANO‘S REVIEW

MILANO‘S REVIEW

『真夏の被害者』

タイトルは、テニプリ関係の『おとみさん横丁』というサイトのCD評を読んで知っていました。

石田さん、森川さんはともかく、
キレた(優と言う)攻め役の真殿さんの演技がよくて云々
というのを聞いていたので買ってみました。(CD評も後で書きますね)

タイトルがあまりにもストレートなのと、最初読んだストーリーが『もろBLっぽい』と思って
期待してはいなかったのですが、文章のうまい人なので、結構面白かったです。


ストーリーは(1巻では)

最初、正志(=主人公の受け)が、恋人の優に裏切られ、二人で行こうと計画していた北海道旅行に1人ででかけるところから始まります。
そこで強烈な個性を持つ『リュウ』に会い、引かれながらも反発し、結局は行動を共にするんですが、結果的に『被害者』になってしまった。


という設定が私的には『ムリだ~』なんですけど、
この手の小説としては、スロースタートが許されないのだから、仕方がないのでしょうね~。

そこで、『強引にやっちゃった』リュウが、『お前を離さない』とか言いつつ、
とうとう東京でも正志の前に現れて、ストーカーするんですけど、
彼は許されるのですよね~。なんたって主人公(の攻め)だから(笑)

でも、親友だと思っていた(けどBまではやっていた)元恋人の優は
「好きだからこそ大切にしていた。我慢できないから、一緒に旅行に行けなくて、吐け口を他に持ったら知られてしまった。やり直そうと思っていたのに、そんな見ず知らずの男にやられるなんて。それならもっと早く思いを遂げていれば良かった」
ということで、こちらも完全に切れて、薬まで使って、正志をレイプしてしまうのです。


1巻終わりの、『優』(主人公の親友で元恋人のクールな同級生)視点の話を読んで以来私は俄然『優』贔屓になりました。
外見はクールで、カッコ良い、何でもできるカリスマ的人物なのに
主人公にだけは、盲目的な情愛を(密かに)注いでいるってところがツボです。

なのに可哀相に、後から来た強引なリュウに宝物をとられちゃって。
後半までしっかりからんでくれるかと思ったのに、3巻くらいまでで、後は影が薄くなったのが、ワタシ的に残念です。

2巻では、『リュウのせいでセックス恐怖症になった』リハビリと称して
相談相手の美しいお兄さん、悦志ともセックスすることに(攻めちゃった)なります。とても美しいシーンなので、浮気だし『受け同士』なのですが違和感はないです。
『悦志』は、リュウのお兄さん、『雄一』の恋人で、従兄弟でもあります。
テニプリの不二を大人にしたような優しげな外見に加え、黒白双方の性格を持つ人物らしいです。この人物もイイです。

悦志の彼の雄一とも混ざって擬似3Pを体験したりもします。
結構節操無いのです。

なのに、許せちゃうようにツジツマ合わせてあるところが、お見事で大人で、面白いのです。

最初、3巻まで買ったのですが、それまでのうちでは
『優』それから『優しい曲者』悦郎さんが好きでした。(リュウには黒く、正志には白い。笑)
主人公カップルは、普通に好感が持てますが。脇キャラの方が好みでした。

正志は『そそる』のだそうです。よくある設定だけど、分かり易くはあります。
あっちでもこっちでも襲われそうになっては助けられています。後半そこが少々
「またかよ~」的に飽きてくるんですけどね。

リュウは、『野性的』で『男の魅力に溢れて』いて、『皆の上に絶対的なカリスマとして君臨する』くせに、正志には振りまわされているらしいです。これもBLの定番といえば定番。だからそれほど魂揺さぶられないのかな?

でもまあとにかく、エッチシーンは壮絶です。
同じ事でも、文章能力のある人が書くと、ここまで格調高っぽくなるのかという感じです。

ただ、3巻の拉致&レイプ未遂事件…のような展開は、あまり繰り返してほしくないんだよな~。
って言ってるうちに、また5巻でキレた人が出てきたけど…。
(でも『カシミア』ほどは苛められないからいいけどさ。)

結構突然に感じられるのですが、後半、2人は、リュウが16まで住んでいて
屋敷や家族も残っているフィラデルフィアに留学します(笑)。

アメリカ留学後の話は、テイストは違って来るのですが、
「ああ、この人自分で実際に留学していたのかな~」
という詳しさです。海外好きな私にとっては面白かったですね。

今度は、隣に住んでる、『リュウの元乳母』の息子で、バレリーナの『オスカー』にストーカーされる正志です。
結局、母親に愛されてないと思ってリュウを憎んでいたオスカーを、正志が救うというわけで、正志の成長を見られるところが結構私好みにまとまっています。

でも、その後は
「ちょっと薄いかな~」
という感じでした。7巻以降は
「引っ張っても内容がね~」
と思いました。

それにしても、双方の家族が、これほど同性愛に理解があってイイのか??
(おまけに両方とも兄弟そろってだ~~~!!)

でもでも、面白かったですよ。

オスカーのところくらいまでは、今後も読み返すのではないでしょうか???

最後の一言は
優やオスカーを主人公にして読みたかったな~
ですか。


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