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カテゴリ:童謡のおはなし
童謡のお話3でも述べましたが、明治14年に日本の童謡の出発点ともいえる《小学唱歌集 初編》が発行されました。
その中で、現在も歌われている童謡に『ちょうちょう』がある事は述べましたが、その他にも『むすんでひらいて』もあります。 発表当時は『見わたせば』という題名で発表されたこの曲は、フランスの哲学者ジャック・ルソーが作曲した外国曲です。 哲学者が作曲したとは驚きですが、もっと驚きなのは、ルソーが生きていたのは1712-1778年…ということは、250年も前の曲ということになります。 歌詞は現在のものとは異なりますが、旋律は《小学唱歌集 初編》掲載の譜面のように、現在と同じです。 ![]() ![]() 見渡せば 青やなぎ、 花桜 こきまぜて みやこには 道もせに 春の錦をぞ 佐保姫の 織りなして 降る雨に そめにける。 また、明治14年に唱歌として発表される前は、賛美歌としても歌われていました。 その後唱歌として発表されたものの、歌詞が子供にとって難しく、歌われることがなくなりつつなると、時代を反映してか、なんと『戦闘歌』という軍歌として復活します。 見渡せば 寄せて来(きた)る 敵の大軍 面白や スハヤ戦闘(たたかい) 始まるぞ イデヤ人々 攻め崩せ 弾丸込めて 撃ち倒せ 敵の大軍 撃ち崩せ と何とも凄い歌詞です。 明治大正昭和と、戦火に包まれた時代が終わり、昭和22年発行《1ねんせいのおんがく》の中で、私たちの知っている『むすんでひらいて』となりました。 むすんで ひらいて 手を打って むすんで またひらいて 手をうって その手を 上に 今では誰もが知っている童謡ですが、賛美歌~唱歌~軍歌~と数奇な運命を持った童謡とも言えますね。 www.ohoshisama.info
Last updated
June 24, 2008 08:16:13 AM
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