2008/07/07(月)19:00
童謡のお話6 『たなばたさま』
今夜は《七夕》ですが、童謡の《たなばたさま》が登場したのは昭和16年です。
文部省発行の《うたのほん下》に掲載されますが、作詞は権藤花代・林柳波、作曲は下総皖一によるものです。 ささの葉さらさら
のきばにゆれる
お星さまきらきら
きんぎん砂子 五しきのたんざく
わたしがかいた
お星さまきらきら
空からみてる昭和16年の童謡にしては、仮名が多く子供たちにわかり易い歌詞になっています。
確かに《軒端に揺れる》や《金銀砂子》、《五色の短冊》では童謡らしくありませんね。
この軒端とは軒先のことで、五色の短冊とは、五行説にあてはめた五色と言われ、緑、紅、黄、白、黒の事だそうです。作曲の下総皖一氏は明治31年に現在の埼玉県大利根町に生まれ、東京音楽学校(現東京芸術大学)を首席で卒業し、ドイツに留学します。
その後「兎のダンス」「ゆうやけこやけ」「かくれんぼ」「電車ごっこ」「野菊」「はなび」など数々の童謡を発表します。因みに埼玉県大利根の《道の駅・童謡のふる里おおとね》は、下総皖一氏の出生地であり「たなばたさま」「野菊」「はなび」等は大利根町をイメージして作られたと言われる事からこの名がついているそうです。七夕さまと言えば《七夕祭り》ですが、江戸時代前にはこのお祭りがあったそうです。
現在の《七夕祭り》は綺麗な飾りを思い浮かべますが、このスタイルは《仙台七夕祭り》を倣ったものと言われています。
近所の《かっぱ橋商店街》でも毎年《下町七夕まつり》が開催されていますが、今年は洞爺湖サミットの影響で、お祭りは来週末です。
祭りと言えば屋台ですが、《下町七夕まつり》は屋台はなく、出店は全て地元の人たちが中心の為、商売っ気はない分楽しさが一杯です。
お星さまの贈りもの2 はる・なつ・あき・ふゆ に収録の【たなばたさま】は4人が歌い、オープニングも童謡とは思えないほどダイナミックなアレンジでスタートします。
ちょっと大人っぽい【たなばたさま】も一度お聞き下さい。さて「たなばたさま」のお話は童謡コンサートでも何度かお話しましたが、簡単なストーリーは天の川に住んでいた機織り上手の織姫と、牛を飼っているひこ星が結婚し、楽しい生活を送るようになったものの、二人は仕事を忘れて遊んでばかりいるようになった為、天の神様の怒りによって織姫とひこ星は別れ別れにさせられてしまいます。
でも織姫があんまり悲しそうにしているのを見て、
「一年に一度、七月七日の夜だけ会ってもよろしい」と神様が言い、それからは一年に一度会える日だけを楽しみにして、織姫は毎日一生懸命機をおり、天の川の向こうのひこ星も、天の牛を飼う仕事にせいを出します。そして待ちに待った七月七日の夜、織姫は天の川を渡って、ひこ星のところに会いに行きます。
でも雨が降ると、天の川の水かさが増え、織姫は川を渡ることができません。
そんな時どこからともなくカササギという鳥が飛んできて、天の川に橋をかけ、織姫を渡してくれるようになったということです。さて今夜は天の川は晴れるでしょうか?もしくは雨?
でも雨が降ってもカササギが橋を渡してくれるので、織姫もひこ星も無事再会できる事でしょう!お星さま事務局
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