写真は昭和11年の上野公園前と平成19年の同じ場所です。

撮影場所は、上野公園の西郷隆盛像がある高台から、上野広小路方面を見渡す所です。
写真には70年以上の差があり、当然ながらビルもすっかり変わっていますが、古い上野を偲ばせてくれます。

まず写真右手に見えるのが、昭和8年開業の京成電車、上野公園駅入り口です。
現在は京成線の上野駅として、広い入り口になっていますが、この頃は随分と小さい入り口だったのがわかります。

中ほどに見える高いネオンは、【仁丹塔】のようです。
独特のマークに、最上部には日の丸も見えますが、上野以外にも浅草や大阪にも建っていました。
この仁丹塔は、創業者の森下博氏が考えた広告塔で、森下氏はその宣伝手腕から、日本の広告王とも言われた方です。
道路反対側には、何やら輝いていますが、ここにはかつて野村時計店があり、光り輝く下には大きな時計も見えます。

随分とふるいタイプの車が並んでいますが、タクシーのようです。
この頃はまだ国産自動車は少なく、写真のような外国の自動車が多かった時代です。
このタクシーが止まっている場所には、牛なべ料理【米久】の看板も見えます。
現在も浅草に構えるお店ですが、この頃は上野にもあったようです。
これ以外にもカフェーという文字や、高島屋の看板も見えますが、今では隣のようにビル街に変わってしまいました。
そしてこちらは昭和11年より少し前の上野公園前の同じ通りです。

撮影場所も同じようですが、こちらは昼間の写真です。
仁丹塔が建ち、野村時計店の大時計も見えます。
米久のお店も高島屋も見えますが、違うのは両端の、京成本社ビルと京成電車の入り口がない点です。
京成ビルは昭和11年落成で、京成電車は昭和8年開業ですので、少なくても昭和8年よりも前ということになります。
これ以外にも掲載しておりますので、詳しくはホームページ内《昭和からの贈りもの》からご覧下さい。
お星さまの贈りもの
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