単純な脳、複雑な「私」 池谷裕二 ★★★
単純な脳、複雑な「私」 池谷裕二驚き度 ★★★難易度 ★☆☆前回の進化しすぎた脳の続編。今度は母校の高校生とセミナー。「相関関係があることと因果関係があることは違う」からはじまる前回よりもパワーアップした驚きの講義と分かりやすいサンプル。ひらめきは理屈、直感は無意識(直感をつかさどる基底脳は年をとっても成長)世界は無意識によって作られている。脳が今までの記憶をたよりに無意識に推測をしている。そもそも網膜には反転した映像がうつっている。文字に雲をつけてあげる問題。脳よりも身体が正しい。身体に脳が合わせる。ラジオ体操の順番を答える例。他人が傷つくのをみても、自分が痛いのと同じ脳神経が反応。他人をみる--(進化)-->自分を客観的にみれる--(進化)-->心を獲得運動と知覚は独立。準備(脳)→ 動かそう(意思)→ 動いた(知覚)→ 指令(運動)知覚が遅れないように先読みをして順序が逆になっている。動かそう のあとに自由否定が入る。脳は未来を常に予想して計画をたてる。ただし最初のうったては脳のランダムな揺らぎが関与。揺らぎ+入力→出力時間・空間は脳でゆがんでいる。左右の腕の同時性。揺らぎの利点・多様性から理想解が得られる(アリの例)・確率共振でコントラストを強調(グレーの文字の例)・ノイズを積み重ねると創発を起こす→エネルギー(ししおどし、ラングトンのアリの例)ある単純なルール(フィードバック)をもった回路にゆらぎをいれると創発を起こす。心は創発の産物。あとは、目で分からなくても、音にすればわかるとか。