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オ ニ オ ン の つ ぶ や き

オ ニ オ ン の つ ぶ や き

トラウマ (2)

結局自分で自分の心理分析をやったようなものだった。費用が浮いたのだ。

ひとりで、自問自答しながら自分の問題の芯をさぐる。そして昇華させていくのである。

しかしながら、この度は外側からのきっかけのようなものがあった。つまり一人っきりで解決するのだけれど、外部の助けが力強いのである。
花を飾ってふと、後ろにある棚へ向かった。説明がつかないが、そこに置いてあった昔発行してもらった国際免許書に手がいった。そして、間に挟んだおそらくアルバム漏れの私の子供の頃の写真数枚をぱらつかせた。妹が母の荷物を片付けていて、ちょろちょろとオブジェを送ってくれるのだが、これは去年持ってきてくれた荷物の中に入っていた。

たった一枚の母と子の写真である。父との写真はあるのだが、母とのものは殆どない。ナガシマで船の上に揺られながら父が撮ったのである。
今ここで状況を説明はしないが、初めて見るかのように、私の目は釘付けになってしまった。
そして、全てがわかった。母が許せたのである。数年前に許したと第一段階で思っていたが、底のほうでくすんでいたらしい。それが今度初盆に許してあげることができたのであった。

つまりそこで私のどうしても思い出せないモノが思い出せたからである。


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