昼膳 なつ味
今年の10月、国分寺にオープンした新店に立ち寄らせてもらう。ここは、十数年前には蕎麦の「まつや」が入っており、そのあとは居酒屋「おばこ」に変わった場所…。看板に≪和食二十四節季≫というサブタイトルがついているのだが、これだけでは何のお店か、さっぱり見当がつかない。ドアを開けると、以前ここに陣取っていたお店とは明らかに異なる空気が漂っていた。靴を脱ぎ、下駄箱にしまってから、上にあがる。(プライス的にも味覚的にも)カジュアルなお店でないことだけは、一瞬のうちに感得できる。間接光やシーリングスポットライトを駆使し、暖色系で統一感のあるインテリアを凝らし、なかなか高級ぽい装いでまとまっている。前のお店の雰囲気を(よく)知る身としてはその激変ぶりに、ただ驚くばかりである。お茶が、そろりそろりと運ばれてくる。卓上にセットされた半月の小盆の片隅にゆるりと置く。手前には、透明な箸と魚の形をした箸置。昼のメニューは4種類。(ただし予約を入れておけば、それ以外も可)その中から「かに御膳」を注文した。まずは、小鍋がやってくる。つづいて、前菜替りのアボガドサラダ、かにの茶碗蒸し、かにの巻寿司とセットされる。醤油をはじめとする調味料類は、テーブルには用意されてない。それが必要な料理とともに、小皿によって供される。爪楊枝が入用な場合は、係の女性に告げて持ってきてもらう。そういうお店だ。締めは、ラズベリーのシャーベット。メニューの構成、味わいや供しかたなど、数年前の「蟹工船」を連想させる。あせってない。心なしか、時間の流れがゆるかやに感じられる。あらゆる意味で趣味が良いし、上品この上ない。財布にじゃっかんの余裕があるときの午餐としては、かなり有用な働きをしてくれそうに思う。店を出てあらためて先ほどの看板を注視してみると、隅に小さく「ふぐ」と「蟹」のイラストが描いてあった。食事処 和食二十四節季「なつ味」 (2010年10月OPEN)住 所:市原市国分寺台中央2-15-9アクセス:国分寺通り 横山医院入口 P(4台)電話番号:0436-63-5112営業時間:11:00-14:00/17:00-21:00/定 休:木曜日客 席:テーブル5卓(可変)/利用種別:個人向き/少人数向き/家族向き/小グループ向き/メニュー:【昼】 節季1890/たらば御膳2600/ずわい御膳2100/ かに御膳1260/ 【コース・セット】 かに・ふぐコース3980/かにセット3980/ふぐセット3980/ 寒椿4300/ 【単品】 てっさ1200/ふぐ唐揚1200/かにてっちり3200/ かにグラタンかに焼売420/かに茶碗蒸420/かにサラダ1000/ 焼鶏800/鶏唐揚800/蒸し鶏800/ 【ご飯もの】 タラバ押し寿司1200/かに太巻1000/タラバ握り1200/ ずわい握り1000/かに雑炊800/ 【飲物】 エビス生550/エビス550/ハイボール450/ アサヒスーパークリア380/評 価:☆☆☆☆☆ (味4.5/量3/サービス4/雰囲気4.5/駐車場3)