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2016.06.11
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カテゴリ:読んだ本
「新しく引っ越してきた人たち、
あの土地で事件があったこと知らないんだね…」

善意は、悪意より恐ろしい。

足の不自由な小学生・久美香の存在をきっかけに、母親たちがボランティア基金「クララの翼」を設立。
しかし些細な価値観のズレから連帯が軋みはじめ、やがて不穏な事件が姿を表わす――。
湊かなえが放つ、心理サスペンスの決定版。

地方の商店街に古くから続く仏具店の嫁・菜々子と、夫の転勤がきっかけで社宅住まいをしている妻・光稀、移住してきた陶芸家・すみれ。
美しい海辺の町で、立場の違う3人の女性たちが出会う。
「誰かのために役に立ちたい」という思いを抱え、それぞれの理想郷を探すが――。

(本の帯の紹介文より引用)


【楽天ブックスならいつでも送料無料】ユートピア [ 湊かなえ ]


山本周五郎賞受賞作品ということで気になっていた「ユートピア」。

図書館で予約入れた時はすでに30人待ちだったかな…(遠い目)
ようやく手元に届いたので読んでみました。


資産家殺しの犯人の指名手配書があちこちに貼られている田舎の小さな港町・鼻崎町。

古くからの仏具店の嫁で足の不自由な娘をもつ菜々子、
モデルのように可愛い娘をもつ転勤族の妻・光稀、
芸術家村に移住してきた陶芸家・すみれ。

地元の祭りの運営に関わることで知り合った年の近い三人。

光稀の娘が新聞に投稿した作文
(足の不自由な菜々子の娘のことを思いやった内容)を
子供たちの写真と共にすみれが美談として自分のHPにアップ。

二人の娘たちの美しい友情はあちこちのマスコミにとりあげられ
一躍有名人に。

すみれの陶芸作品も全国から注文が入るようになる。


もちろんHP掲載は無断ではなく、
子供たちや母親も了承済みの事。

実名での写真をネットに掲載なんて、
絶対ロクな結果にならんよ。
なんで親としてそんなもん簡単に許可すんねん、と
このへんはちょっと読んでて二人にイラっとしちゃったかな。

個人情報をネットに晒す事に対して危機感が薄かった菜々子と、
可愛い娘の美貌が少しでも多くの人の目に留まればあるいは芸能界も…という
打算が働いた光稀。

そして二人の子供の友情を利用して
陶芸家として名前を売ろうとしたすみれ。

確かに悪意はないかもだけど、
みんなちょっとずつ打算が働いていてるわけで。

これらを純粋な善意と呼ぶのはどうかな…と思ったり。

そんな中、
菜々子の娘に
「本当は歩けるのに歩けないフリをしているのでは?」という疑惑が囁かれ始める。

ネットで一度火のついた噂は
あっというまに町中に広がり、
小学校でもあからさまないじめが始まる。

さらに、
すみれが陶芸品の収益を慈善団体にまったく寄付していないこと、
菜々子の娘の足が動かない原因は心因性のものだということ、等が次々に明るみになり
菜々子、光稀、すみれの関係は決裂する。

その後なぜか菜々子の家に
逃亡中の殺人犯からと思われる誘拐の脅迫状がFAXで送信されてきて──


終盤まではなかなか面白く読めたんですが、
ラスト、結局どう収拾したのかがわからないんですよね。

いやぁ…そこはどんな形であれ結末は見せてほしかったかな。
読者が想像するしかないのがちょい残念な点でした。



長く住んでいる地元の人間には、とうにさびれたつまらない田舎町でも
都会から移り住んできた人間からすると海の美しい理想郷に見えるという描写は
非常に共感できる部分でした。

(私も毎日海が見える景色の美しい田舎町に住んでて、
 満足度めっちゃ高いんだけど、地元の人にそれを褒めても
 あんまりピンとこない、都会の方が便利でいいやん…って言われる)

あと、立場の違う中年女性三人の価値観の相違、
それぞれが抱える鬱屈した不満や不安の描写は
湊かなえさんらしさが出てて良かったです。

女なら誰しも「あーわかるわかる~」ってうなずく部分が
多かれ少なかれあるかとw





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最終更新日  2016.06.11 16:05:08
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