おじなみの日記

日本のノイズバンド「非常階段」の1stアルバム。
京都のバンドで関西ではよくライブしてましたが、
自分はたしか花園町のエッグプラントで一度だけ観ました。
一種独特の雰囲気に包まれたステージと客席でいつも観るようなエッグプラントでのライブとは
まったく空気感が違っててゾクゾクしたのを覚えてます。
なんばベアーズだと会場自体にそんな空気が溢れかえってましたが…
このアルバムはリマスターされて2012年に発売されたものです。
当時、友人にLPからテープにダビングしてもらって持ってたけど、
リマスターされて更に生々しい音になり強烈です。

それにこのタイトルの「蔵六の奇病」は唯一と言っていいほど自分が好きな漫画家の
日野日出志さんの作品タイトルです。
日野日出志さんの漫画本は子供の頃からずっと集めてました。
「まだらの卵」「毒虫小僧」「蔵六の奇病」「地獄変」「私の赤ちゃん」・・・きりがないほど
好きな漫画だらけです。
ブリューゲルの画に近いように思えるときすらあります。
漫画家は日野日出志さんだけが好きで、漫画作品なら日野日出志さん全部と凄いよ！マサルさん
とパプワくんくらい。子供の頃は侍ジャイアンツとキックの鬼が好きだった。

テープもどこにいったのか分からなくなってたので、久しぶりに聴いてみて新たな衝撃を受けた。

1曲目「マントヒヒ (大阪) April 26, 1981」
凄いから。たまにこれに近いのがグラインドコアとかでもあるけど、これ以上に強烈なのはない。
ROCKなんだとしか言いようがない。
2曲目「磔磔 (京都) April 19, 1981」
ノイズを聴いた事ない人のほとんどが「こんなの音楽じゃない！」とか怒ると思うけど、
たまに異様に感動して深みにはまる人もいる。
何がどう凄いのか自分も言えないけど凄いとしか言いようがない・・・
3曲目「創造道場 (大阪) November 3, 1980」
一瞬、フラッシュ！アーアー！とか言いそうになるけど＾＾
延々と続く無機質な8分音符に絡み付いて来る金属音
4曲目「新宿ロフト (東京) August. 19, 1981」
どの曲もどう書けばいいのか分からないけど確実に見える景色は違う
5曲目「慶応大学日吉315教室 (神奈川) June 27, 1981」
エクソシストのサントラにも現代音楽的、フリージャズ的なノイズナンバーが収録されてますが、
何かその空気に近いような気がする曲です。
6曲目「同志社大学至誠館24教室 (京都) November 27, 1981」
SAXがうなりまくってリズムがうねりまくって．．．これもフリージャズのような雰囲気も
感じられる。でも当てはまる言葉がないってのが本当だけど。
7曲目「蛍ヶ池クルセード (大阪) June 1, 1980」
このバンドは出してる音以上にパフォーマンスが先行して話題になりました。
たしかに尋常ではない世界が繰り広げられてました。ノイズのバンドはチェーンソーを
噴かしまくってたり、ライブハウスそのものを破壊したり…
ノイズのライブにはそんなに多く行ったわけではないけど、友人もノイズやってたりしたから
どんなライブ観ても聴いても嫌悪感などは抱いた事はなかった。圧倒されっぱなしでした。


日野日出志さんの「蔵六の奇病」は実写版もあって熊切和嘉監督で短編映画化しています。
久しぶりに実写版も観たくなってきたから、あとでDVD観よう＾＾