森進一『厚化粧の女』最新曲/2023年 129thシングル
森進一さんの最新シングル「厚化粧の女」が2023年7月19日発売になりました。まだ書いてなかったのにもう書いたと思い込んでた。128枚目の前作のシングル「さわりは名調子」からちょうど1年、70年代の森さんの歌唱を彷彿させる新曲が発売になりました。1曲目「厚化粧の女」作詞・作曲 森進一さん 編曲 周防泰臣さん予約注文してたこのCDが届いて、初めて聴いた時、まず思ったのが「声が若返ってる」と驚いた。森さんにしか出来ない個性的な歌唱法も多く使っています。「♪ダメよと拒んで 泣ぁぁ〜きぃぃぃいい〜ながら」の「きぃぃぃいい〜〜」の音程を一気にずり上げて高音ファルセットにまで釣り上げる歌唱には鳥肌もんの感動でした。この歌唱は60年代〜80年代の森さんの楽曲ではいくつもありますが、真っ先に思いつくのは1981年9月発売の52枚目のシングル「命あたえて」の最後の歌い上げ部分の「♪誰か…誰か…誰か お願い〜 い の ち あたぁぁぁぁ〜〜えぇ〜てぇ〜」の「あたぁぁぁぁ〜〜えぇぇてぇ〜」の歌い上げる部分。誰も完璧に真似できない唯一無二の歌唱で、凄い高音まで音を上げて行きます。森進一さんの曲をオリジナルキーでカラオケで歌ってみたらわかると思うけど、ハイトーンのロックシンガーの曲より高音部分がかなり多い事に驚くはず。「命あたえて」をまったく同じキーで同じ歌い方が出来る人はかなり限られると思う。(例えば森さんが軽く歌ってる「故郷」を歌ってみたらキーの高さと歌の難しさがわかる)「命あたえて」はカラオケで歌が上手いと自信ある男の人でもきっと森さんのように歌えないと思う。「命あたえて」って曲は楽曲以前に森さんの歌唱があって初めて良い曲になれる楽曲。他の歌手が普通に歌うと、それほど良い歌詞でも曲もないのですが、森さんが歌う事で初めて名曲になるというのがよくわかる曲。「おふくろさん」なども森さんの歌唱で初めて名曲と呼べるようになれる曲。あの曲も他の人が歌っているのを聴いてもまったく良い曲だとは思えない曲です。森さんの声で歌ってもらえた事で初めてあの曲は名曲と呼ばれるようになったと言っても過言じゃない。でも「冬の旅」や「別れの接吻」「あゝ人恋し」「北の螢」「ひとすじの白い道」「悲しみの器」「はな」「ゆうすげの恋」「さざんか」「さらば友よ」「命かれても」「母恋い人生」「旅路のはてに」「きみよ荒野へ」「ルーム・キー」「古傷」「故郷」・・・・まだまだあるけど、楽曲だけでも超名曲と呼べる曲は森さんのオリジナル曲にはかなり多い。今回も森進一さん本人が作詞、作曲です。(前作は書き溜めていた阿久悠さんの歌詞に森さんが曲をつけました)2曲目「昭和エレジー」作詞・作曲 森進一さん 編曲 佐野博美さん、斎藤功さんイントロのSAXのグロウル奏法で一気に昭和のタバコ臭さと熱燗温めてる匂いの飲屋街の風景が一気に頭に浮かび上がってくる。この曲も「厚化粧の女」に負けてない「良い演歌」になっています。森さんが歌詞に「故郷の老いたかあちゃん」と入れているのも胸にグッとくる。今回の2曲は、最近の森進一さんが作詞作曲した楽曲の中で「あるがままに生きる」に匹敵する名曲だと思います。最近、また森進一さんのいろんなライブ盤を聴いてたりするので、関西でコンサートがあればまた是非行きたいと思う。