ミルバ『谷村新司を歌う - めぐり会い、そして明日へ -』/1996年発売
イタリアを代表するシンガーの一人「ミルバ(Milva)」が谷村新司さんの楽曲に惚れ込み1枚丸々、全て谷村さんの楽曲で作りあげたアルバム。(1996年3月22日全世界発売)アジア各国でちんぺいさんの楽曲が大ヒットして浸透しているのは有名ですが、実はヨーロッパでも多くカバーされ知られています。2000年代に入ってもフランスで女性、元オペラ歌手が日本語でカバーしてWミリオンになるほど売れた事もあまり知られていません。(イタリアでのレコーディング風景)このアルバムが制作された経緯は・・・ 1994年にMilvaが来日した時の事。Milvaの日本でのレコード会社のスタッフがMilva本人と彼女のプロデューサーにちんぺいさん楽曲を30曲手渡したところ、本人もスタッフもかなり気に入って話が進み始めます。その時、ちんぺいさんは「THE MAN Tour」の最中で1994年6月に大阪フェスティバルホールでのコンサートを本人とスタッフが観て、楽屋で初対面した。ちんぺいさんの楽曲の中から本人が歌いたい曲を選び、それにイタリア語の歌詞をつけてレコーディングするまで約1年。1995年6月からイタリアでレコーディング開始。7月にはちんぺいさんも2曲デュエットするためにレコーディングスタジオに。まず、ヨーロッパ各国、東南アジアで発売される事になった。1曲目「Fammi luce メシアふたたび」(ちんぺいさんとデュエット)2曲目「Gli Occhi Del Tiempo 陽はまた昇る」3曲目「Un Viaggio Per Tornare 三都物語」4曲目「No, Uomini No 昴」5曲目「Il Cuore Stranamente ダンディズム」6曲目「Le Itam I・T・A・N」7曲目「Aspettando L'Alba 群青」8曲目「Campione チャンピオン」9曲目「Il Giorno Giusto いい日旅立ち」10曲目「Bye, Bye, Bye, Bye 帰らざる日々」11曲目「Morire D'AMore 忘れていいの」(ちんぺいさんとデュエット)12曲目「Quando Nevica Nel Cuore 階」歌詞の内容は曲によってはかなり違う事を歌っているそうですが、楽曲の雰囲気はそのままにより深まったようにも思えるアレンジも多くあります。自分は6曲目「Le Itam I・T・A・N」のアレンジがめちゃくちゃカッコ良くて鳥肌ものです。ミルバの歌唱も最高です!アレンジをほぼ変えずにそのままのアレンジでレコーディングされた曲も多い。イタリアのミュージシャンによる演奏も楽しめます!5曲目「Il Cuore Stranamente ダンディズム」7曲目「Aspettando L'Alba 群青」11曲目「Morire D'AMore 忘れていいの」12曲目「Quando Nevica Nel Cuore 階」この4曲はオリジナルアレンジにかなり近い形で演奏されています。「忘れていいの」でのちんぺいさんのイタリア語での歌唱はいつも以上に色気がありいつもの「忘れていいの」よりもさらに大人な世界に感じます。ちんぺいさんファンは絶対に必聴です!1曲目「Fammi luce メシアふたたび」は、実はMilvaのこのアルバムために書き下ろした曲です。阪神淡路大震災、直後に書いた曲でちんぺいさんの歌詞はそのように書かれていますが、イタリア語の歌詞は男女の関係を歌っています。ちんぺいさんとのデュエットも最高です。2曲目「Gli Occhi Del Tiempo 陽はまた昇る」はこれぞカンツォーネ!って思える歌唱とアレンジです。Milvaの歌唱力の凄さを感じられる曲のひとつ。3曲目「Un Viaggio Per Tornare 三都物語」は「階」に近いロックなイントロから始まりドラマチックなアレンジで盛り上がっていきます。Milvaが歌う「Il Cuore Stranamente ダンディズム」も素晴らしい!このメロディーがMilvaに凄く合ってるように感じる。演奏も最高です!「Bye, Bye, Bye, Bye 帰らざる日々」はレゲエのようなにアレンジされています。歌詞も自殺して死んでいく深刻な歌詞ではなく、明るめの別れに思える歌詞です。ラスト曲「Quando Nevica Nel Cuore 階」も歌詞はまったく違うのですが、Milvaの歌唱力に引き込まれていまう。ちんぺいさんの楽曲、歌唱が、こんな形でも残っていくのがうれしい。中途半端なカバーアルバムではなく時間をかけて練り上げたのがよくわかる丁寧に作られたアルバムです。現在、日本では廃盤になっていると思うけど、再発するべきアルバムだと思う。