天地真理『初めての涙』/1975年 14thシングル
1975年5月21日に発売の天地真理さんの14枚目のシングル。この発売日の事をなぜか凄く覚えています。2024年5月21日・・・今から49年前。(ミュージカル「君よ知るや南の国」のパンフレットに載っていた広告。曲とのイメージが違いすぎて このパンフレットのみの広告で良かった^^;)近くにあったトミヤレコード店のおばちゃんが「天地真理ちゃんの新曲来週出るよ」と発売日の1週間前に声をかけてくれた。天地真理さんのシングルは4月1日に「愛のアルバム」が発売されたばかりだったので、新曲はもっと先だと思ってた。ここのレコード屋には小学2年の頃から週に3回以上通ってた。学校帰りに寄ってから家に帰ってた事が多かった。毎回買うわけでもなく、おばちゃんと話しに行ってるような感じでした。でも、小学生にしたらかなりレコード買う方だったと思う。なので天地真理さんやアリスのポスターは全て置いててくれてもらってた。1975年5月ならアリスのコンサートには、もう7回以上行っててアリスにハマってしばらく経ってた。もちろんその時は小学生の同級生でアリスを知ってる人なんて誰一人いなかった。天地真理さんとアリスだけじゃなく、他にも気に入った曲ならレコードを買いに行ってた。特に天地真理さんとアリスの音楽が好きだった。谷村新司さんのラジオを眠いのを我慢して小学3年の頃にはもう聴き始めてた。早くからコンサートとか行ける環境で生きることができて本当に感謝してる。コンサートやフォークやロックが悪い物だとまったく思ってなかった両親だっだから早くからいろんな音楽を生で聴いたりレコードで聴いたりで、まわりの同級生とは少し違う世界で生きてた感じでした。話しても理解してくれないのでアリスやクイーンなどの話はいっさい口に出してなかった。天地真理さんの話なら共通な話題だったけどコンサートのセットリストの話などは誰も興味を持ってくれなかった。ましてや小学生で神戸から大阪厚生年金会館や大阪フェスティバルホール、梅田コマ劇場まで一人でも行けてしまう事なんかも同級生には話した事がなかった。大阪の地下鉄の乗り換えも把握してた。なるべく昼のコンサートに行くようにしてましたが、平日の公演は6時半開演が多かったので神戸に帰ってくるのが10時前とかになってました。両親はコンサートに行ってる事はわかってたので、それぐらいに時間になる事ももちろん知ってた。家に着くとその時間でも晩御飯を作ってくれてた事を思い出すと胸が熱くなる。コンサートに一人でとか姉と二人でとかで行って遅くなってもトラブルなど一度もなかった。今は小学生が一人で夜9時過ぎに出歩くのはダメだけど、あの頃は自由だった。神戸文化ホールと神戸国際会館でコンサートを観るのが一番多かったけど。中学生になると少し離れた場所にも遠征しはじめてた。アリスも関西以外で観るとまったくファンのノリも違って感じられてそれはそれで楽しめた。趣味が多すぎてあの頃、どうやって時間を振り分けてたのだろうって不思議に思う。ライブの内容やチケットをどうやって買ったかとかはリアルに思い出せるのに、その他の記憶がすっぽり抜けてる。放課後どう過ごしてたとか、どんな遊びしてたとか記憶にまったく残っていない…。この「初めての涙」という曲は臨発的な扱いだったのか、せっかくの名曲「愛のアルバム」を発売して2ヶ月も経たないうちに発売された。A面「初めての涙」作詞 安井かずみさん 作曲 宮川泰さん 編曲 森岡賢一郎さんこの曲は天地真理さんの初主演ミュージカル「君よ知るや南の国」のために書き下ろされた曲。1975年5月31日〜6月25日まで日本劇場で上演されました。4000人収容の日本劇場は東京では一番大きい劇場でした。帝国劇場の2倍以上の収容人数です。天地真理さんは11枚目のシングル「想い出のセレナーデ」からしっとりとした大人の曲を歌うようになってきます(それまででもアルバムでは大人な曲は山ほどありましたが…)その流れで歌い上げる系のしっとり路線の「初めての涙」は買って来て初めてレコードに針を落としてからずっとめちゃくちゃ好きな曲のままです。天地真理さんの全シングルの中でベスト5に確実入る好きな曲。アイドル歌手と言われてた歌手が歌うには難しすぎる歌だと思う。天地真理さんは完璧すぎる歌唱で歌を組み立てています。この曲で天地真理さんの歌唱の本当の凄さがわかるのはライブです。大勢の観客の前での熱唱はレコードの何十倍も素晴らしい歌唱でした。レコードでもじゅうぶんすぎる歌唱なのですが。アルバム「君よ知るや南の国」ではミュージカルでのアレンジそのままで実況録音的にレコーディングされています。シングル盤とのアレンジがまた違います。ミュージカルヴァージョンの編曲は宮川泰さんです。ミュージカル全編のノーカットの映像がないのが残念すぎる。記録用などで渡辺プロダクションが撮影してなかったのだろうか。関西で初めてこの曲をコンサートで歌ったのは1975年8月の梅田コマ劇場公演。ミュージカルで1ヶ月歌い続けた後なので天地真理さん自身もこの曲の解釈がレコーディング時とは変わったのか、Aメロ部分などあまり寂しそうに重く歌わなくなりました。そしてサビの熱唱は歌ってる表情が頭に浮かび上がってくるほどインパクトがある歌唱でした。1975年秋のツアー〜1976年冬のツアーでもフルコーラス歌っています。バンドアレンジも変わったせいか梅田コマとはまた違った歌唱でした。「♪でもちがう」の部分などはよりセリフのように語るように歌っていました。コンサートの最後の曲から3曲目に「初めての涙」を歌って、次の曲は「夕陽のスケッチ」でした。もちろん2曲ともフルコーラス!そしてラスト曲は「さよならこんにちわ」です。この神曲の3連続で終わるコンサートは最高でした。(「君よ知るや南の国」のパンフレット表紙)加茂さくらさんも出演していました。B面「君よ知るや南の国」ゲーテ原作/トーマ作曲 訳詞 安井かずみさん 編曲 宮川泰さんこの曲も天地真理さんの歌の凄さを感じられる名曲です。この曲を初めて生で聴いた時は小学生ながら涙が出たのを覚えてる。1975年8月梅田コマ劇場でもフルコーラス歌われました。1ハーフだったけど凄かった。このシングルヴァージョンの歌唱も最高なのですが、アルバム「君よ知るや南の国」での歌唱を聴いてほしい。オープニングとフィナーレで2回歌っています。その2回とももちろんアレンジは違うし天地真理の歌の表現もまったく違います。フィナーレではウィルヘルム役の峰岸徹さんとデュエットで歌っています。49年前の今日、初めてこの2曲を聴いたのかと思うと感慨深く、あの頃の事をいろいろ考えてしまう。峰岸徹さんは『ゴジラvsビオランテ』に出演してアメリカでも評価を受けたのは、この時から14年先の事。1962年映画デビューなのでこの時はもうベテランの域に入って来ていた頃。友竹正則さんは「くいしん坊万歳!」でも有名ですが、多岐にわたっていろんな分野で活躍していました。 ミュージカル「君よ知るや南の国」より左が「恋のすれちがい」 右が「大人への憧れ」左が「初めての涙」、右が「天使の約束」フィナーレで「君よ知るや南の国」を峰岸徹さんとデュエットしてる場面