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↓前回です♪
第十二段 ★☆★☆ 第十三段 『私が母と巡り合った時、生まれて初めてその胸に抱かれて泣いた。 私は思い出してしまった。あの暖かさと柔らかさを。 ずっとあの胸に抱かれていたかった』 とめどなく彼の二つの湖から湖水はあふれ、 彼の血の気の失せた唇は噛み締められた。 『妖怪は戻ってこなかったよ。私は淋しかった。 また捨てられたのだと思って』 彼は苦しみながら泣き続けた。 『もし戻ってきたなら、地獄に落ちてもいい。 今度はすすんで顔をなめさせてやろうと思っていたんだ。』 『すまない』悟空は真心から言った。 『許して下さい。俺は浅はかだった。あなたの気持ちを計れなかった』 と、突然沙悟浄が立ちあがり僧の前に進み出て跪くと 襲いかかるように彼を抱きしめた。 不意打ちを食らって仰向けに倒れ、 僧は目を大きく見ひらき身体をねじって、 悟空を訊ねるように見やった。 次に救いを求めるように猪八戒を見て、 最後はまた顎を引き、自分の胸に顔をうずめている悟浄の 禿げた頭の頂上を見た。 口はぽかんと開いたままだった。 すると悟浄は顔を上げ、抱き締めていた手を解き 三蔵の頭を両手で鷲掴みして、顔を近づけた。 俺が味見する。と彼は言った。あの妖怪の代わりに俺がと 彼は、べろべろ三蔵の顔をなめ始めた。 涙と鼻水がみるみる拭われたが、三蔵は驚きのあまり 事態を呑み込めずに、ぼうっとして、なされるがままだった。 そしてまた強く抱き締められた。 悟浄は、俺が代わりにと繰り返し言って、幸せそうに微笑んで、 頬をすりよせた。 『ばぁか』と悟空は胸糞悪くて呟いたが、 誰の耳にも入っていないようだった。 猪八戒は、お師匠様、そいつを調子づかせちゃ駄目ですよ。 と辛辣に言った。 『すぐ食われてしまいますからね。』 まだまだつづくのでした。。 ↑沙悟浄 ↓下記ふたつのリンクは次回です♪ 三蔵と沙悟浄の因縁話。首飾りの九個の髑髏はすべて三蔵の前世。 『三蔵、妊娠したってよ』第十四段 ~人間の匂い~ 映画『西遊記之孫悟空三打白骨精』によせて 最初からお読みになりたいごキトクな方は (たぶんいらっしゃらないと思うけど)下記の 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ早見表 ↑ からどんぞ♪ 『三蔵、妊娠したってよ』↓シリーズ(笑) 三蔵、妊娠したってよ 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ第二段 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ第三段 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ第四段 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ第五段 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ第六段 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ第七段 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ第八段 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ第九段 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ第十段 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ第十一段 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ第十二段 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ第十三段 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ第十四段 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ第十五段 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ第十六段 ウィリアム・フォン、馮紹峰、フォン・シャオフォン、ペン・シャオペン 以上全部同じ人(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2017.06.22 08:45:26
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