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↓前回です♪
第六十四段 ~レッド・プラネット8~ ★☆★☆ 第六十五段 『ポール・キューザックも僕の父も、しばらくは 世界のことはそっちのけさ。』 ジョンを見てシアンはやっとにっこりした。 『ジョンと僕が結婚するからね』 爆弾が落ちた。ジョンの心臓が弾け飛んだ。 仲間たちから驚きの声が漏れた。 彼らは忘れかけていた悲恋物語を思い出した。 『その話しは』と言いかけ、 ジョンの舌は乾き切った口の中でもつれた。 ふんとシアンは意地悪くジョンを睨んだ。 『意気地無し』 彼は、容赦なく言って、顎を上げた。 『君のおかげで、今分化が始まったよ。』 不満そうだった。 皆がざわつき、顔を見合わせた。 ジョンはぽかんと口を開いた。 『地上に下りたら、両家に僕たちの婚約を宣言するよ。 後見人はロバート・スティール大使とニール・ホワイト長官だ。 火星の実力者ふたりだから、誰も異議は唱えまい。 彼らを見届け人として結婚式をする。 できるだけ早くにね。でないと僕は少しの間、動けなくなるから。』 『私の気持ちは』とジョンはやっとで言った。 私の気持ちはどうなるのです? シアンは心からの笑顔を浮かべ、胸を張った。 『君は僕を愛しているよ。それは分かっているんだ』 自信たっぷりに言い放った。 『このドールは、頭がいかれてる』 ミックが叫ぶように口をはさんだ。 ユーリが彼の腕を掴んだ。今度は力を込めて。 ジョーがふたりの黒服の前にたちはだかった。 『やめてくれ、副長』 ジョンは声を押し出した。 『そんなふうに言うな』 『いえ、言いますよ』 ミックは泣き出しそうな顔をしていた。 『ドールは、人の心を操る。キャプテン』 彼は、強い口調で続けた。操られてはいけません。 『このセクサロイドは悪魔です』 『お願いだ、やめてくれ。副長』 ジョンは切願した。 『分からないのですか?殿下とあなたが婚約したなら、総帥はあなたを きっと亡き者にしますよ』 分かっている。ジョンは応えた。 『そんなことはさせない。』シアンも大声を出した。 確かに父は、キューザック家を恐れている。 僕がキューザック家の人間と結婚することで世界に対する影響力が 一層増すことをね。 だからと言って、この結婚がないとしても、 父はジョンを殺したいんだ。 つまり、僕と結婚しようとすまいと、彼はジョンを狙っている。 ポールが自分の後を継がせたいのがジョンだと言うことを 父は分かっているんだ。 父は持ち前の鋭い勘で、誰を一番恐れるべきかわかっている。 ジョンを心底、恐れているんだよ。 だから、僕と一緒に居た方がむしろ安全なんだ。 僕は愛する人と結婚したい。そして守りたいんだ。 『ドールに何ができる?セックス以外に?あなたにジョンは救えない』 ミックはヒステリックになって口汚く罵倒した。 『ミック』シアンは侮辱にびくともしなかった。 君一人でも無理だ。ジョンを守れないよ。僕たちで守るんだ。 そして、ミックに近づくと、手を伸ばし、深い傷のある額に触れた。 シアンの口が何かを歌うように動いた。 ミックは動けなくなっていた。そして頭痛を訴えて悶えた。 『思い出すんだ。コーガイジ。必ず。できるだけ早く。』 そうでないなら、君はゴクウをまた見失うぞ。 シアンは謎の言葉を静かにつぶやいた。 ゴクウは頑固だ。君が先に思い出して、彼を導け。 つづく ↓次回です♪ 第六十六段 ~レッド・プラネット10~ 最初からお読みになりたいごキトクな方は 下記の 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ早見表 ↑ からどうぞ♪ ウィリアム・フォン、馮紹峰、フォン・シャオフォン、ペン・シャオペン 以上全部同じ人(笑) 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ早見表ってことでヨロシク♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.09.19 21:46:31
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