可愛いに間に合わない(ファッションと猫と通販な日々)

2017/09/27(水)10:25

『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ第百四十二段 ~エスコート~ 映画『西遊記之孫悟空三打白骨精』によせて

◆映画・TV・華流・韓流・ショービズ(9310)

↓前回♪ 第百四十一段 ~コーマ~ ★☆★☆ 第百四十二段 ラクロアとの話しが終わらないうちに シアンから通信が入った。 医者との浮かない話しの流れからか 彼の声を妙に懐かしく恋しく聴いた。 とりあえず今、彼は生きている。 そのことのほのかな感慨とでもいうべき切なさ。 さてシアンの訴えは 身なりは整ったが衣装が重すぎて動きにくい、 というお軽いようにあって、実はそのまま重い内容だ。 『とにかく君の要望に応じたドレスだよ』 と彼は誰からも責められていないのに言い訳っぽく言った。 『キューザック大尉ですね?』 ホワイトは王子の意図を察して訊ねた。 『うん』 シアンの声はか細い。 『私が起こした方がいいのですか?』 『うん』 ますます声が小さくなった。 『何か問題でも?』 ホワイトは嫌な予感にとらわれながら訊ねた。 『ジョンの記憶回路は今むちゃくちゃなんだ。 彼の頭の中はインプリンティングされた疑似記憶に 占拠されかけている。 スピリットは奥深くに潜ってしまって、 その上僕が何度もいじったせいで いろいろなシーンの断片が入り混じって ゴーストだけが踊り狂っている混乱状態なんだ。 昔を思い出すどころか 敵味方の区別がつかないほど錯乱しているかも。。。』 シアンの独特の言い回しが、ホワイトをも錯乱させそうだった。 ホワイトは意識をはっきりさせるために頭を振ってみてから言った。 『つまり殿下、要約するとこういうことですか? 目覚めた途端その猿は、相手構わず襲い掛かる可能性があると?』 『うん。。多分。 僕が起こしてもいいんだけど 今僕が負傷してしまったらスティールにどんな言い訳を? ドレスだってこれ以上高価なのはもうないよ』 『まったくそういうことですね』 ホワイトはため息をついた。 部下に任せるなら、ジョンが傷つけられるか 部下の方が負傷する、というより皆殺しされる憂き目に。 この大任、任せられるのは、、 結局俺だけか。 やれやれ、果たして アレクに会う前の自分にどれくらいのパワーが残っているだろう。 生きて土星にたどり着けるかも疑問だ。 振り向いてラクロアを見ると、 彼はさっさと注射器を二本用意していた。 『最悪の場合、もう一度眠ってもらうことになるかも知れません。 あるいは彼の父親に話しをさせるか。。』 ホワイトは言った。 ジョンをなんとか出来るのはポールだけだろう。 『うん。そうだね。いいよ。 今からポール・キューザックと話そう。 向こうには父上から連絡がいってるはずだが もし父がポールやアンナに知らせるつもりがないなら、 なおのこと僕から連絡を入れておいた方がいい。』 シアンは応え 『ジョンにあまり手荒なことはしないで』 と付け加えた。 おいおい 手荒なことをするのは間違いなく、あっちの方だぞ。 ホワイトはそれについては、あえて言わなかった。 ぐずぐずしている場合ではない。 スティールはもう到着するころだ。 ジョンをたたき起こして、 ネジがいくつもゆるんだ頭に事情や手順をぎゅうぎゅう押し込み 身支度を整えさせ、 ジョンの様子次第では、どこかの時点で シアンと打ち合わせ済みのポールと話しをさせる。 なにしろジョンたちに下された密命はまだ無効になっていないのだ。 スティールに出会ったとたんにオンになったら大変だ。 (ポールは再び野心に灯がともされ、 息子の皇室入りの妨げになるに違いないジョンたちの ロバート・スティール暗殺任務を大喜びで解くだろう) などなどと いろいろ考えると自分の方が気がへんになってしまいそうだった。 『殿下、場合によっては、エスコートはバーンになります。』 それで往生際悪くそう言った。 『うん。それならケイレブにして。』 シアンはバーンが苦手。 ホワイトは心のメモ帳に記されているそのことを思い出した。 ドレスの裾を裁く介添えなどバーンにされた日には シアンは自分の冷や汗の中で泳ぐことになりそうだ。 『分かりました。ケイレブにも準備させておきます。』 バーンは容赦なくシアンを鍛えたから。 それでもそのおかげでシアンの射撃の腕前やすばしっこさは 身に着いて、ジョンたちを助けることが出来たのだ。 それにしてもケイレブをお側仕えにつけるとして バーンが近くにいることも必要だ。 スティールが王子にとびかかる可能性は大いにある。 ケイレブは間違いなく優秀なパイロットだが 接近戦においても百戦錬磨のバーンより優秀であるとは 記録にはない。 彼女は非常に頭がよく、忠誠心に長ける。 ここの警備課では確かに腕が立つ部類に入る。 だがそれだけでは充分とは思えない。 なにしろ相手は王子であり またある意味手負いの獣であるロバート・スティール。 何が起こるか分からない。 つづく ↓次回です♪ 第百四十三段~理想郷~ 最初からお読みになりたいごキトクな方は 下記の 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ早見表 ↑ からどうぞ♪ [◆映画・テレビ・華流・韓流] カテゴリの記事 ↑『ウィリアム・フォン、馮紹峰、フォン・シャオフォン、 ペン・シャオペン William Feng 以上全部同じ人』的な(笑) ほとんどしゃおちゃんのことばかり♪ 『三蔵、妊娠したってよ』シリーズ早見表 ↑ってことでヨロシク♪ 第百三十九段~寵臣~★第百四十段~ケイレブ~ 第百四十一段~コーマ~ ⇩以下の5カテゴリは娘が担当☆ [堀込/キリンジ/小田和正/オフコース/フジファブ他] カテゴリの記事 ↑大好きなアーティストのライブ情報やレビュー等 2017.05.24から娘がこのカテ担当☆ [娘・いろいろ] カテゴリの記事 [書き起こし早見表サウンドクリエイターズ・ファイル] カテゴリ [コーネリアス/Cornelius/小山田圭吾] カテゴリの記事 [♥どんま娘のフジファブ普及活動の日々] カテゴリの記事 ★★

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