しろうと自然科学者の自然観察日記

2014/10/11(土)06:01

ウォーキングコースでアツバキミガヨラン(ユッカラン)を見かけました。この機会に、アツバキミガヨランについて調べてみました。

園芸植物(98)

☆ウォーキングコースで、毎年秋に見かけるアツバキミガヨランの花です。アツバキミガヨランは年に2度咲きで、5~6月と10月に花茎を長く伸ばして黄白色の花を咲かせるそうですが、右側の枯れた花茎は5月か6月に咲いたものなのでしょうか。 ☆アツバキミガヨランは、日本には明治時代に渡来した北アメリカ原産でリュウゼツラン科(クサスギカズラ科)ユッカ属の常緑性低木です。アツバキミガヨラン(厚葉君が代蘭)の名は、学名(Yucca gloriosa)の種小名「グロリオサ(gloriosa)」の「栄光のある」という意味を「君が代は栄える」と解釈して名づけられたそうです。厚葉は、文字通り葉が厚手であることから。 ☆アツバキミガヨランは、5~6月と10月に花茎を長く伸ばして、黄白色の鐘形の花をたくさん咲かせます。 ☆白い花びらが6枚あるように見えますが、つぼみを見ると、外側の3枚は萼片由来の外花被で、内側の3枚は花弁由来の内花被のようです。花が開きかけているものがあります。 ☆花の中を見ると、6本の雄しべと先端が3裂する雌しべが見えます。ただし、日本にはアツバキミガヨランの受粉を媒介する蛾(俗名ユッカ蛾)がいないので、自然環境では受粉・結実しないそうです。 ☆アツバキミガヨランとユッカ蛾について調べてみると、興味深い記述(筑波実験植物園「植物図鑑」)がありました。 ☆アメリカの自生地には、体長1センチほどの可憐な白銀色のユッカ蛾いるそうです。このユッカ蛾の幼虫はユッカの若い種子しか食べることができないので、母親のユッカ蛾は生まれてくる幼虫のために花粉を集めてきて雌しべにつけ、その後で花に卵を産み付けるそうです。卵からかえったユッカ蛾の幼虫は、ユッカの種を食べて成長します。 ☆ユッカ蛾の幼虫が大きく成長でき、ユッカも種ができ子孫を残すことができる。こんな不思議な『持ちつ持たれつ』の関係は、4000万年という気の遠くなるような年月の間続いて来たと考えられているそうです。

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