しろうと自然科学者の自然観察日記

2017/05/06(土)06:00

ムラサキサギゴケの花。昆虫が触れた時に上下2つに分かれている雌蕊柱頭を閉じ、花粉を逃さないようにして確実に受粉する仕組みがあるそうです。

山野草(1865)

☆4月下旬、団地内の草地でムラサキサギゴケの花が一斉に咲き始めました。(2017年4月25日撮影)。 ☆ムラサキサギゴケは、本州から九州の湿った草地に生えるハエドクソウ科サギゴケ属の多年草です。サギゴケ属はゴマノハグサ科に分類されていましたが、APG植物分類体系ではハエドクソウ科に分類されています。なお、サギゴケ属をサギゴケ科に分類するという見解もあるそうです。 ☆ムラサキサギゴケは、匍匐茎を伸ばして広がっていきます。匍匐茎を伸ばすことが、同じサギゴケ属のトキワハゼと異なる特徴です。 ☆ムラサキサギゴケの萼は鐘形で、半ばまで5つに分かれています。花柄や萼には、腺毛があります。 ☆ムラサキサギゴケの花は、上唇は2つに分かれ、下唇は3つに分かれています。下唇の中央は白く隆起し、黄褐色の斑点があり、白い毛が見えます。ムラサキサギゴケの花は、雌蕊が上唇に沿ってついており、雄蕊は4本で上唇に2本と下唇に2本ついているそうです。上唇に沿って雌蕊柱頭が見え、左右に雄蕊があるようです。 ☆雌蕊柱頭は上下2つに分かれており、昆虫が柱頭に触れると閉じてしまうそうです。 ☆この写真では、雌蕊柱頭が上下2つに分かれているのが確認できます。 ☆この写真では、雌蕊柱頭は閉じているようです。ムラサキサギゴケの花は、柱頭運動と言って、昆虫が触れた時に上下2つに分かれている雌蕊柱頭を閉じ、花粉を逃さないようにして確実に受粉する仕組みがあるそうです。 ☆ムラサキサギゴケ(紫鷺苔)の名は、花が薄紫色で形がサギ(鷺)に似ていること、苔のように地面を這って広がっていくことから。 ☆ムラサキサギゴケの花言葉は、「忍耐強い」「追憶の日々」「あなたを待っています」「想いをつのらせないで」だそうです。由来は、わかりませんでした。

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