2017/12/07(木)05:00
ツユクサの花。【秋の静岡県富士宮市での自然観察・その15】
☆9月25日から28日まで、静岡県富士宮市へ行きました。田貫湖周辺などで自然観察をしました。静岡県富士宮市での自然観察を紹介しています。ツユクサの花です。ツユクサの花については、8月30日の日記「ツユクサの花。【新潟市北区での自然観察・その10】」で紹介していますので、重複している記事があることをお断りしておきます。(2017年9月26日撮影)。
☆ツユクサは、日本全土の道ばたや草地などにごくふつうに生えるツユクサ科ツユクサ属の1年草です。ツユクサの茎の下部は地を這ってよく分枝し、上部は斜上して高さ30~50センチになります。
☆ツユクサの葉は互生し、長さ5~8センチの卵状披針形で、基部は膜質の鞘になって茎を抱きます。ツユクサは、葉と対生して2枚貝のような苞葉に包まれた花序を出します。
☆2枚貝のような苞葉には2個の小花がありますが、普通は直立する主軸の花は退化しており斜めに出る側枝に花が咲きますが、直立する主軸と斜めに出る側枝の両方に花が咲くときがあります。
☆上の花は直立する主軸と斜めに出る側枝の両方に花が咲いていますが、左下の花は直立する主軸の花は退化し斜めに出る側枝にのみ花が咲いています。
☆ツユクサの花は、一般的に花びらと言われている内花被片の外側に半透明の外花被片(萼片に由来)が3枚あります。花を上から見ると、2枚貝のような苞葉と2枚の青色の花びらの間に半透明の3枚の外花被片が見えます。
☆ツユクサの花のつくりは、花びら(内花被片)は3枚で、上の2枚は大きく鮮やかな青色でよく目立ち、下の1枚は小さく白色です。
☆ツユクサの花は、雄蕊が6本で、上の3本は花糸が短く黄色い葯があり、真ん中の1本は人字型の葯を持っていますが、この4本は葯が退化変形した仮雄蕊(かゆうずい)です。下の2本の雄蕊は、花糸が長く楕円形の葯があります。雌蕊は、下の2本の雄蕊とほぼ同じ長さで1本です。
☆雄蕊6本のうち雌蕊花柱とともに長く突き出ている2本だけが完全で花粉を出し、上にある3本は葯が鮮黄色でよく目立ちますが花粉を出しません。真ん中の1本は、葯が矢尻形で少し花粉を出すそうです。長く突き出ている2本の雄蕊の葯にはたくさんの花粉が見え、真ん中の雄蕊の葯にも花粉が見えるようです。
☆ツユクサは、花が閉じる時に、ほぼ同じ長さの雌蕊と雄蕊がクルクルと丸まりながら縮んでいき、受粉します。写真で見ても、中央の雌蕊に左右の雄蕊の葯から花粉が付きそうになっています。花粉を運んでくれる昆虫が来なくても、自分で花粉を雌蕊に付けることができるそうです。
☆受粉後、苞の中では果実が成長してきています。果実の中には、種子が4個入っています。
☆ツユクサ(露草)の名は、朝咲いた花が昼にはしぼんでしまうので、朝露を連想して露草と名付けられた説があるそうです。また、ツユクサは、万葉集などでは「月草」の表記が多く、「ツキクサ」が転じてツユクサになったという説もあるそうです。
☆ツユクサの花言葉は、「尊敬」「恋の心変わり」「敬われぬ愛」「わずかな楽しみ」「小夜曲」「なつかしい関係」などだそうです。「尊敬」という花言葉は、澄んだ青色の花から連想されるイメージでつけられているそうです。また、「恋の心変わり」「敬われぬ愛」「わずかな楽しみ」「小夜曲」などは、朝から咲いて夕方までしか花がもたず、花の命が短いことからつけられたようです。