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カテゴリ:映画
「バリー・シール/アメリカをはめた男」(原題: American Made)は、2017年公開のアメリカの伝記映画です。ダグ・リーマン監督、トム・クルーズら出演で、大手航空会社のパイロットとして活躍した後、CIAの極秘任務にスカウトされたのを契機に、麻薬王、反政府ゲリラ、軍事政権指導者と関係を築き、麻薬と武器の密輸で荒稼ぎした実在の男の生き様を描いています。
「バリー・シール/アメリカをはめた男」のDVD(楽天市場) 【スタッフ・キャスト】 監督:ダグ・リーマン 脚本:ゲイリー・スピネッリ 出演:トム・クルーズ(バリー・シール) ドーナル・グリーソン(モンティ・"シェイファー" ) サラ・ライト(ルーシー・シール) ジェシー・プレモンス(ダウニング保安官) ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ(JB) ローラ・カーク(ジュディ・ダウニング) ジェイマ・メイズ(デイナ・シボタ) アレハンドロ・エッダ(ホルヘ・オチョア) ベニート・マルティネス(ジェームズ・ランゲル) E・ロジャー・ミッチェル(クレイグ・マッコール捜査官) ジェド・リース(ルイス・フィンクル) フレディ・ヤテ・エスコバー(カルロス・レデル) マウリシオ・メヒア(パブロ・エスコバル) ロバート・ファリア(オリヴァー・ノース中佐) コナー・トリニアー(ジョージ・W・ブッシュ) ジミー・カーター大統領(本人、記録映像) ロナルド・レーガン大統領 (本人、記録映像) ナンシー・レーガン(本人、記録映像) ほか 【あらすじ】
【レビュー・解説】 冷戦時代末期のアメリカを舞台に、CIA、中南米の麻薬王、反政府ゲリラ、軍事政権の間で荒稼ぎした実在のパイロットを、ハリウッド最後の大スター、トム・クルーズが熱演、風刺の効いた娯楽要素たっぷりのアメリカン・クライム・アクションです。 アメリカらしさがぎっしりと詰まった異色伝記映画 冷戦時代末期に荒稼ぎした破天荒なアメリカン・パイロット 1989年に東西冷戦の象徴だったベルリンの壁が崩壊してから、30年近くなります。冷戦時代や、それを背景にしたCIAの暗躍を知らない世代が増えています。本作はそんな冷戦末期に荒稼ぎした、バリー・シールの実話を基にした作品です。取り締まりが比較的緩かった当時、麻薬の密輸に手を出すパイロットは少なくありませんでした。実話に基づいたカナダ映画「フライト236」(2010年)に登場するピシェ機長もかつて航空会社を退職して、麻薬の密輸に手を染めています。「フライト236」はアルコール依存になったピシェ機長の、栄光と挫折と更生の物語ですが、本作のバリー・シールはCIAの極秘任務を契機に、
らと関係を結び、武器や麻薬の密輸にのめり込んでいきます。スケール感を出す為か、本作の邦題は「バリー・シール/アメリカをはめた男」となっていますが、実際はCIAが彼を利用し、彼はその機会を利用して次々とお金を稼いでいったもので、彼がアメリカを嵌めることによって大儲けをしたわけではありません。彼はアメリカ政府にとって利用価値のある男で、後にも司法取引でアメリカ政府に利用されることになります。彼は政治や将来を考えてアメリカを嵌めたわけでも何でもなく、その時々を野心的に生きただけですが、スケール感のある彼の生き方はまさにアメリカ的です。 CIAの秘密任務を契機に、隠しきれないほどの大金を稼ぐ 非合法ビジネスが大繁盛、バリー・シールは隠しきれないほどの金の稼ぐ。映画の中とは言え、痛快な話だ。 ハリウッド最後の大スター、アメリカンなトム・クルーズ主演 30年以上に渡ってヒット作を出し続け、スタジオ幹部にも評判の良いトム・クルーズは、彼に続くような後進の俳優が見当たらないことから、「ハリウッドの最後の大スター」と言われています。クリーンな役柄を演じることが多いトム・クルーズが、本作では麻薬や武器の密輸に手を染める犯罪者を演じているわけですが、ポジティブで屈託のない、アメリカンな彼のカラーが生きており、好感の持てる仕上がりになっています。「ハリウッド最後の大スター」ならではパフォーマンスですが、これは周囲の人に愛されたバリー・シールのキャラクターを重視し、敢えて外見が似ていないトム・クルーズを起用したダグ・リーマン監督の狙いでそのものでもあります。 誰からも好かれたバリー・シールをトム・クルーズがアメリカンに演じる また、トム・クルーズは、どんなに危険で、難易度が高くても、基本的に自身でスタントを行うことで知られ、バイク・車の腕前はセミプロ級と言われています。実は、彼はパイロットのライセンスを持っており、本作でもトラックのヘッドライトを頼りに夜間に着陸するシーンや、飛行機を操縦しながらの無重力セックスシーンを含む、すべての飛行シーンが自身の操縦で撮影しています。無重力セックスシーンは、実は軽飛行機で移動中に急降下、後部座席で寝ていたダグ・リーマン監督が天井に頭をぶつけるというトム・クルーズのいたずらに触発されています。映画を面白くする為に、ダグ・リーマン監督と二人でこのシーンを考えたと言いますが、リーマン監督もパイロットのライセンスを持っており、この作品の様々な飛行シーンは、彼らの感覚を活かした、見ごたえのあるものとなっています。 低空飛行の魅力がたっぷり レーダーを避ける為に、バリー・シールは低空飛行する。ダグ・リーマン監督もトム・クルーズもパイロットのライセンスを持っているが、実はパイロットは低空飛行が大好き。実際に空を知る者たちが描く低空飛行の醍醐味をしっかりと楽しむことができる。 飛行機を操縦しながらの無重力セックスシーン パイロットのライセンスを持つトム・クルーズは、すべての飛行シーンを自身の操縦で撮影している。飛行中の無重力セックスシーンも、彼が操縦しているが、さすがに相手役はサラ・ライトではなく、スタントの女性。 アメリカらしさが詰まった、娯楽性の高いクライム・アクション 道徳的判断のみで話を深刻化させず、キャラクターを重視してコミカルにテンポ良く綴った本作は、古くは「俺たちに明日はない」(1967年)、「明日に向かって撃て」(1969年)、最近で言えば、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(2013年)や「アメリカン・ハッスル」(2013年)のような、実話に基づきながらも、娯楽性の高いアメリカンな犯罪映画です。また、南部を舞台にした風刺やアイロニーに富んだ冒険談は、マーク・トウェインの「ハックルベリー・フィンの大冒険」に通ずるものもあります。本作は基本的に史実に基づいていますが、関係者に聞いた、誰にでも好かれるというバリー・シールのキャラクター再現を最優先しています。他方、バリー・シールが、
といったエピソードは必ずしも事実に基づいたものではなく、ダグ・リーマン監督はこの映画を「事実に基づいた楽しい嘘」と表現しています。 シールのビジネスは非合法で、彼は最終的にそのツケを払うことになりますが、冷戦やCIAの暗躍を知らずに育った世代も、その時代のエッセンスが濃縮された本作を面白おかしく見ているうちに、これが実話であり、そんな時代があったということをしっかりと印象付けられるという、深みのある作品でもあります。この作品の原題は「American Made」(アメリカ製の意)と言いますが、
といった、アメリカらしさがぎっしりと詰まった作品です。
トム・クルーズ(バリー・シール) トム・クルーズ(1962年〜 )は、ニューヨーク出身のアメリカの俳優、映画プロデューサー。12歳の時に両親が離婚、経済的に苦しい生活を送る。学生時代はレスリングに熱中するが、怪我の為に挫折、演劇に関心を持つようになる。青春映画の端役を演じた後、「卒業白書」(1983年)の瑞々しい演技で注目され、「トップガン」(1986年)が世界的に大ヒット、以降、「ザ・ファーム 法律事務所」(1993年)、「ザ・エージェント」(1996年)、「ミッション・インパッシブル」シリーズ(2006年〜現在)、「マイノリティ・リポート」(2002年)、「コラテラル」(2004年)、「オール・ユー・ニード・イズ・キル」(2014年)など、数々のヒット作に出演している。アクション大作からヒューマンドラマ、社会派作品からアート系作品と出演作品は幅広く、「7月4日に生まれて」(1989年)、「ザ・エージェント」(1996年)でアカデミー賞主演男優賞に、「マグノリア」(1999年)では助演男優賞にノミネートされている。 ドーナル・グリーソン(モンティ・"シェイファー" ) ドーナル・グリーソン(1983年〜)はダブリン出身のアイルランドの俳優。大学卒業後に舞台や映像の分野で監督や脚本を手掛けるようになる。2006年に長編映画、舞台にデビュー、徐々に映画やテレビ出演が多くなり、2010年より「ハリー・ポッター」シリーズにビル・ウィーズリー 役で出演、2015年からは「スター・ウォーズ」シリーズにハックス将軍役で出演している。 サラ・ライト(ルーシー・シール) サラ・ライト(1983年〜)はケンタッキー出身のアメリカの女優、元モデル。子供の頃から、地方のテレビドラマに出演、14歳でモデルになる。1999年にモデルコンテストで発掘され、ブレイクする。その後、テレビに出演するようになり、2008年に映画デビューする。 ジェシー・プレモンス(ダウニング保安官) ジェシー・プレモンス(1988年〜)は、ダラス出身のアメリカの俳優。「ザ・マスター」(2012年)、「ブリッジ・オブ・スパイ」(2015年)、「母が教えてくれたこと」(2016年)、「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」(2017年)、「ゲーム・ナイト」(2018年)などに出演している。本作での出演時間は短いが、南部の純朴な保安官をしっかりと印象づけている。今後、引く手あまたになりそうな俳優である。妻は、女優のキルステン・ダンスト。 ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ(JB) ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ(1989年〜)は、テキサス出身のアメリカの俳優、ミュージシャン。17歳の頃、「ノーカントリー」(2007年)で映画デビュー、「ソーシャル・ネットワーク」(2010年)、「X-MEN: ファースト・ジェネレーション」(2011年)、「神様なんかくそくらえ」(2014年)、「ゲット・アウト」(2017年)、「スリー・ビルボード」(2017年)などに出演している。本作もそうだが、ちょっとアブナイ感じの役がはまり役である。映画の出演が増えた為、ミュージシャンとしての活動は休止している。 【サウンドトラック】 「バリー・シール/アメリカをはめた男」のサウンドトラックCD
【動画クリップ(YouTube)】 【撮影地(グーグル・マップ)】
「バリー・シール/アメリカをはめた男」のDVD(楽天市場) 【関連作品】 ダグ・リーマン監督xトム・クルーズのコラボ作品のDVD(楽天市場) 「オール・ユー・ニード・イズ・キル」(2014年) ダグ・リーマン監督作品のDVDの(楽天市場) 「スウィンガーズ 」(1996年) 「Go 」(1999年) 「ボーン・アイデンティティー」(2002年) 「Mr.&Mrs. スミス」(2005年) 「フェア・ゲーム」(2010年) トム・クルーズ出演作品のDVD(楽天市場) 「卒業白書」(1983年) 「トップガン」(1986年) 「レイン・マン」(1988年) 「ア・フュー・グッド・メン」(1992年) 「ザ・エージェント」(1996年) 「ミッション:インポッシブル」シリーズ(1996年〜2015年) 「マグノリア」(1999年) 「マイノリティ・リポート」(2002年) 「コラテラル」(2004年) 「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」(2008年) ドーナル・グリーソン出演作品のDVD(楽天市場) 「トゥルー・グリット」(2010年) 「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」(2011年) 「シャドー・ダンサー」(2012年) 「FRANK -フランク-」(2014年) 「ある神父の希望と絶望の7日間」(2014年) 「エクス・マキナ」(2015年) 「ブルックリン」(2015年) 「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」(2015年) 「レヴェナント: 蘇えりし者」(2015年) 「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」(2017年) 実話に基づきながらも娯楽性の高いアメリカの犯罪映画(楽天市場) 「俺たちに明日はない」(1967年) 「明日に向かって撃て」(1969年) 「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」(2002年) 「ザ・ホークス ハワード・ヒューズを売った男」(2006年) 「ウルフ・オブ・ウォールストリート」(2013年) 「アメリカン・ハッスル」(2013年) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018年07月13日 05時00分08秒
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