2011/01/09(日)16:54
さよなら、トミー
歌舞伎鑑賞歴の浅い私がトミーなどと気安く呼ぶのは大変おこがましいのですが、思わずそう呼びたくなるほど好きな役者さんでした。3日に永眠された中村富十郎さん。初心者でもわかりやすいセリフ回しと存在感が魅力的でした。
すでに葬儀は終わりましたが、その告別式のあった7日に新橋演舞場夜の部へ。
壽 初春大歌舞伎
夜の部の最初の演目は『寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)』。本来であれば長男・鷹之資くんと同じ舞台に立って新年を寿ぐ予定でした。
この日のワイドショーで葬儀の様子を見ていたので、父親の葬儀を立派に終えた直後に、悲しみをおさえているのであろう鷹之資くんの踊りに感激もひとしお。鼻をすする音が客席のあちこちから聞こえました。私もですが。
始まる前、平日なのに大向こうがたくさんいるなーと思っていたのですが、みな鷹之資くんのために集まったのだと思われます。もちろん掛け声も「天王寺屋!」だらけで大喝采。ちなみに最後の演目では3階には誰も残っていなかったので、やはり大向こうのみなさまは予定を押して劇場に駆けつけたのでしょう。心意気を感じました。
次の演目『実盛物語』は、團十郎。去年NHK古典芸能鑑賞会で仁左衛門が演じたものを12月に放送していて、それを見ていたので、比較できてよかったです。結構違う部分があって面白いなぁと。團十郎は奇妙な扮装が大変似合うんだけど、この演目はいたってマジメで普通の鬘と衣装でちょっと物足りなかったかな(笑)。途中長いひとり語りがあるのですが、なんだか東北弁に聞こえるの気のせいかしら?
最後の『浮世柄比翼稲妻(うきよづかひよくのいなづま)』では三津五郎と福助。三津五郎は、ド貧乏でヘンな色男を演じていてなんとなく『大江戸りびんぐでっど』を思い出しました。福助の3役もそれぞれとてもよかったな。顔が怖くて声が志村けんなんだけど、やっぱりこの人上手いんだなって実感しました。ちょっとクドいけど(笑)。2月の御園座も控えていて大忙しですね。今御園座のチラシを見たら芝のぶちゃんの名前が載っていて感激しきり。この日の舞台でもとってもキレイな芝のぶちゃんが見れてよかったです。
演舞場も正月らしいしつらえでした。
左はドデカ羽子板。入口のドアと比べてもどのくらい大きいかわかりますね。
ちなみのこの日のわたくし。
まにゃまにゃアウトレットで買ったフリーピーポーのニットジャケット着ていったにょ。ものすごく寒くて外にある喫煙所に行くまで凍えるかと思ったけど、このジャケットがめっさ暖かかったのでぜんぜんオッケーでした。