エジプトのさぶちゃん
今日、カイロで大規模なデモの様子が報道された。さぶちゃんはあの中にいるのだろか?5月の連休にエジプトを旅行して、ガイドのさぶちゃんと出会った。名前が難しいので「さぶちゃんと呼んでください。」ということでルクソール出身のさぶちゃんは、日本語を独学で勉強して日本人がしゃべる言葉と何ら違和感がないほどすらすら上手に遺跡を説明してくれた。日本語を専攻するための勉強は、戸外に出かけない女性の方が家で十二分に時間があって、大学には女性の方が多く合格できるそうだ。さぶちゃんは、日本語の通訳になると生活が安定するだろうと日本語の勉強を懸命にやった。日本が大好きというさぶちゃん。さぶちゃんの説明は、日本での知識にはない本物の遺跡を前にエジプト人がする詳しいものだから、5000年の悠久のエジプトの旅を最高の物としてくれた。お別れのバスの中で、さぶちゃんが私たちに「どこが良かったですか?」と一人ずつ聞いた時、「アブシンベル」が多かったなかで、私の前のご婦人が「さぶちゃん」と言われて・・・さぶちゃんは感極まって涙声になった。私も「さぶちゃんとアブシンベル」と答えるとさぶちゃんは、さらに胸を詰まらせた。アラブの春はエジプトにも飛び火し民衆による大規模なデモで、ムバラク政権が崩壊し、2年となるエジプト。それは今の政治を変えようとする若者たちが立ち上がったそうだ。そしてさぶちゃんもデモに参加したという。仕事がなくなることは覚悟の上だった。1年6ヶ月、日本から観光客を乗せた飛行機が来なかった。今年1月になって成田から革命後初めて観光客が到着し、私たちの大阪便も5つ目とか。さぶちゃんのガイドも復活した。5月のエジプトは、デモもなく落ち着いていたが、カイロ市内観光では、バスにSPが一人乗り、現地の旅行会社の方も同行して、態勢は万全だった。「日本に帰られたら、知り合いの人に『エジプトへ来てください。』と行ってください。『エジプトは安全になりました』さぶちゃんのお願いが今も耳に残っているのに今日のデモをみていたら、また飛行機が飛ばなくなりそうでとても心配だ。月光仮面の名入りのTシャツを着たさぶちゃん。