DENON AH-D2000を使うならこれを聴け!
ヘッドホンの保管がつらくなってきた。もはやそこら地域の家電量販店では対抗できない品揃えだったりする。(こういう人、けっこう多いだろうな)ギターなどと違い家族に見つかりにくいというのがヘッドホンの良いところではあるが、ものには限度がある。さすがに。まずは秋冬に向かい、大型ヘッドホンからなんとかしようと重い腰をあげた。大型4つである。買った順に並べていくと、sennheiser HD 280 Pro 64Ω \19,000/\26,250 : GERMANY(Hannover)/irelandultrasone PROline 750 \18,800/\42,000 : GERMANY(München)/taiwan beyerdynamic DT 770 E/32 \18,000/\32,550 : GERMANY(Heilbronn)/germanydenon AH-D2000 \19,800/\37,800 : JAPAN(Kawasaki)/chinaとなる。購入価格/定価、設計/生産も整理してみた。意外なことにプロリンがリストプライス一番である。台湾そんなに単金高いのか!?見た目では問答無用で最下位になってしまうのだが。なんにせよヘッドホンバトルは同盟国が強い。オーストリアも準同盟国だったし。国民性とかあるのだろうか。まあまずは各ヘッドホンの特徴をおさらいだ。共通していれば選択できる。(そう上手くはいかなくていつも断腸の思いなのだけど)曲:Get it up for loveアルバム:Hard Candyアーティスト:Ned Doheny情報:MP3 141Kbps; HD60GD9まずは、ジャケが少々痛い(でも著名なアーティストのジャケ写だ)ので内容の良さの割りに売れないんじゃないかというネッド・ドヒニー。夏なんだけど、雲が海岸を覆ってきて浜辺を渡る風は肌寒く、愛する二人はどうしてるの?ってな寂寥というか、そこに連なる孤愁の予感というか(曲調からの感じです。訳してないので。。)そういうのをヒュっと心に吹き込む名曲だ。München 寒々しい、、元々寒色系のヘッドホンなのは判っているが。パーカッションやシンセ、バスドラムとベースの再生はとても明確。とにかくフィヨルドの海岸な感じ。楽器もヴォーカルも少し遠くよそよそしいが無難。Hannover 近い。耳元でプレイされてる生々しさがあると共に、近くならではのエアの足りない荒々しさがクローズアップされる。このヘッドホンの第一印象として「煩い」があり、長時間エージングでずいぶん改善する、特にエア不足な割りに響きを捉える、が、やはり本質として荒々しく猛々しい。デメテルを追いかけるポセイドンのようだ。アコースティックギターが1.5mmのピックで弾いてるように聴こえるのが難か。Heilbronn 能率が低い。しかしさすがのHD60GD9、フルボリュームにする必要はなし。プロリンに似てはいるが少し暖色系でほっとする。でも聴けば聴くほど線が細い。中域以上は作られた感たっぷりでオーバープロデュース。ハイインピーダンスのラインでエフェクターをいっぱい使っちゃった感じ。ドラムとベースは輪郭が弱く、群遅延が多いような感触。Kawasaki 770よりはずいぶん能率が良い。ヴォーカルがとても自然でようやく「ネッドお帰り」という感じ。曲としてきちんと成立している。プロリンを上質にして、プレイヤー達にもう少し近くに来てもらったイメージ。ドラムとベースの良さはプロリンの上かもしれない。770とD2000は明らかに鳴らし込み不足な状態なので不公平かもしれない。が、そんなハンデをものともしないD2000に川崎の意地を見つけた感じですね。中国での製造もD2000を見る限り素晴らしい。