巨大なビルの海
消えることのない灯り
文明の利器を駆使した街ザナルカンド。
眠ることのない街は、今まさにブリッツボール(※)の試合にわいていた。
【※ブリッツボール=水中で行うサッカーのような、水球のようなスポーツ】
今夜の対戦はザナルカンドの東A地区の『エイブス』と
南C地区の『ダグルス』。
ファンに囲まれながらスタジアムへと入る金髪の青年ティーダこそが、
伝説のブリッツ選手ジェクトの一人息子であり、
17歳という年齢でありながらザナルカンド・エイブスの
若手エースプレイヤーである。
試合開始と共に観客の興奮も絶頂を迎える。
チャンスボールが球状のプールを突き抜けて高々とあがった。
絶好のシュートチャンスに合わせ、
プールからボール目掛けて飛び出すティーダ
タイミングを合わせて「シュート!」
・・・しようとした瞬間、
ティーダは見た
巨大な何かに街が破壊されていくのを。
スタジアム内の歓喜の声は恐怖の渦に変わり、
みなパニックを起こして逃げまわっていた。
そんななか、恐怖に呑まれた人々の流れに逆らって
スタジアムへ向かう男が一人。(←カッコイイ!渋い!でも、ちょっと極道クサイ(笑))
スタジアムを出たところで、
知った顔のその男アーロンを見つけたティーダは一緒に逃げようとするが、
アーロンは
「お前を待っていた。」
と言って、なぜかみんなが逃げるのと反対方向へとティーダを導く。
途中ティーダは父ジェクトの看板(←どうみても海賊っぽいオヤジ)を見て毒づく。
彼は『偉大な父』に嫌悪感を抱き、
父と比べられるのを嫌っていた。
10年前、海にトレーニングに出たまま
帰らなかったジェクト、そして後を追うように亡くなった母。
一人残されたティーダをずっと見守っていたのがアーロンだった。
破壊された街は魔物だらけ。
アーロンに闘い方を教わりながら走るティーダ。
途中、一瞬時が止まったようになり、目の前にはフードを深く被った少年がいた。
少年はティーダにつぶやく。
「はじまるよ・・・泣かないで・・・」
我に帰り、アーロンに追いついたティーダは、街を襲った正体不明の巨大な魔物を目にする。
「俺たちは『シン』と呼んでいた。」
アーロンが言う。
小さな魔物たちを倒しながら、どんどん『シン』のほうへ近づいていくアーロンたち。
「いいんだな?」
なぜかシンに向かって確認するアーロン。
そして、アーロンはティーダの手を取り、
「覚悟しろ。ほかの誰でもない。これはお前の物語だ。」
と告げ、二人は共にシンに飲みこまれていく・・・・ |