屋敷を出て、突然の求婚について口々に話し出すワッカたち。
ティーダもこんな結婚なんてありえないと思っていたが、
ユウナの考えは違っていた。
自分とシーモア老師が結婚することで、
スピラの人々に希望を与えられるなら・・・
そう、大召喚士ブラスカの娘とエボンの老師の結婚、
そのニュースは確かにスピラの人々に希望と
喜びを与えるはずである。
そのユウナの言葉に、
彼女の気持ちを理解するワッカたちもなにも言えない。
アーロンはユウナが旅を続けるのなら好きにしていいと言う。
ルールーも同じ気持ちだった。
本当は好きな人と結婚してもらいたいが、
それを自分は許すことは出来ないという。
この矛盾をティーダだけが理解できないでいた。
ティーダは不思議だった。
結婚するって・・・ユウナはシーモアを好きなのかどうか、
それは大事なことじゃないのか・・・?(←大事よね)
自分の答えを出すために、ユウナは異界へ行って両親に会ってくるという。
このグアド=サラムは、死者の魂が送られる異界へとつながっているのだ。
異界には行かないというアーロンとリュックを残して、
ティーダたちは異界へ入っていった。
異界、そこには、無限に広がる雲と大自然のような風景が広がっていた。
そしてあちらこちらに幻光虫がただよっている。
ワッカの前には、知らない青年の姿があった。
一人青年に話しかけているワッカ。
どうやらその青年は、シンとの闘いで命を落としたと言うワッカの弟チャップのようだ。
死んで異界に送られた者の姿は生者の思いに引かれて幻光虫が象ったもので、
それ自身が意思を持ったり話したりすることはない。
ワッカはチャップがどこかで生きているかもしれないと
密かな思いを持ちつづけてきたが、
やはり彼は異界へと送られていたのだ。
それを受け入れざるを得ないワッカ。
ワッカには現実を見ろと言っていたルールーもまた、
二人を見つめながら恋人チャップの死を受けとめるのだった。
ユウナの前には、一組の男女が現われていた。
ユウナの父ブラスカとアルベド族の母のようだ。
ティーダが声を掛けると、ユウナはどうするか決めたと言う。
結婚することも希望を与えるかもしれないけれど、
やはり一番はシンを倒すこと。
ユウナは求婚を断ることに決めたようだ。(←ティーダは内心大喜び)
ついでにジェクトを呼んでみようよとユウナが言い出した。
彼女は、行方不明のジェクトは必ず生きているから、
きっと呼ぼうとしても出てこないだろうと励ます。
ジェクトはティーダの思いに答えて出てくることはなかった。
「ジェクトさん、きっとどこかで生きてるよ。」
ユウナは言うが、ティーダはジェクトはシンとしてスピラで生きているのだと思い知らされ、
思わず毒づく。
「クソオヤジ!」
ユウナになぜジェクトが嫌いなのか聞かれ、その理由を考えたティーダ。
すると二人の前に幻光虫が集まり、一人の女性を映し出した。
母さん・・・
ティーダは理解した。
なぜ、自分が父親に嫌悪感を持ったのか。
ジェクトが家にいると、いつも母は彼の側から離れなかった。
ティーダが呼んでも振り向いてもくれない。
母親を獲られたことへの寂しさと妬みだったのだ。
なにかがふっきれたような気がした。
異界を出て、アーロン、リュックと合流しようとしたそのとき、
他の異界訪問者の悲鳴があがる。
異界との境界のところにシーモア老師の父ジスカルの姿が。
現世に残してきたことでもあるのか、そのジスカルの魂は何かを訴えるかのように
うごめいている。
「迷っているようだな」
アーロンがつぶやいた。
ユウナはアーロンの言うままにジスカルに異界送りを捧げる。
ジスカルは消えていった。
ユウナの手に小さなスフィアを残して。
ユウナはそれを誰にも見つからないよう懐へしまいこんだ。
ジスカルの魂の暴走に動揺するワッカたち。
自分の死を受け入れられないもの、現世に強い執着を持つものは
死んでも本人の望むままの姿で現世に留まることがあるという。
これを死人(しびと)と呼び、
実際生きている人物となんら変わりなく存在するらしい。
何にしろグアド族の問題ということで、何もみなかったことにして、
ユウナたちはシーモア老師に結婚の申し出を断りに屋敷に戻った。
しかし、老師はつい先ほどマカラーニャ寺院へ向けて出立したらしい。
ユウナも異界から戻って以来、何かをひた隠しにしているようだ。
アーロンにそれを見抜かれるが(←わかりやすすぎ)、ユウナはシラを切りとおした。
仕方なくティーダたちは、シーモア老師の後を追う形となるが、
次の寺院マカラーニャへ旅を進めることにした。
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