重い扉の先は、不思議な空間だった。
待ちわびていたのか、ユウナレスカがこちらへやってくる。
「祈り子となる者は決まりましたか?誰を選ぶのです?」
ユウナは落ち着いてユウナレスカに訊ねた。
「その前に教えてください。シンは倒しても必ず復活するのですか?」
ユウナレスカの答えは・・・
「シンは不滅です。
シンを倒した究極召還獣が新たなシンとなりかわり、
必ずや復活をとげます。」(←なるほど)
一同は絶句し、
これがジェクトがシンであることの真実なのだとティーダは悟る。
ユウナレスカが続けて話す。
「シンはスピラの背負った運命・・・永遠に変わらぬ宿命です。」
これに反応したのは今までエボンを信じてきたワッカとルールーだった。
エボンの教えに従い、人々が罪を償いきればシンは復活しなくなる・・・
そうではないのか!?
ユウナレスカは言った。
「人の罪が消えることがありますか?」(←これって重い言葉だな~)
その問いに対し何も言えないワッカのかわりに、ルールーが叫ぶ。
「答えになっていません!エボンはそう教えてきたのです。
それが・・・希望だった。」
ルールーの言葉を受け、ユウナレスカが言う。
「希望はなぐさめ・・・
ですが、悲しい定めを受け入れる力となります。」
「ふざけんなっ!」
「(ふざけるなっ!)」
ユウナレスカにつっかかるティーダと10年前のアーロンの思念がシンクロする。
そして、ユウナレスカの前に飛び出す10年前のアーロン。
「ただの気休めではないか!
ブラスカは教えを信じて命を捨てた!
ジェクトはそのブラスカを信じ、犠牲となった!」
ティーダたちはその10年前の出来事を食い入るように見守る。
静かにユウナレスカが答えた。
「信じていたからこそ、みずから死んでいけたのですよ。」
その瞬間、10年前のアーロンは剣をふりかぶり、
ユウナレスカに斬りかかっていった。(←頑張れアーロン!)
「うおぉぉぉぉぉっ!」
剣先がユウナレスカにかかる寸前、
アーロンは彼女の魔力で弾き飛ばされる。
倒れこんだアーロンの思念。(←弱っ)
そして・・・ユウナレスカは再びユウナに問う。
「究極召喚とエボンの教えはスピラの希望。
希望を否定するのなら、生きていても悲しいだけ。
さぁ、選ぶのです!
あなたの祈り子は誰?
希望の為に捧げる犠牲を!」
沈黙のあと、ユウナは答えを出した。
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