お気楽者でいこう！

　僕は１０代の頃からずっと、週刊新潮に連載されていた『夏彦の写真コラム』の愛読者でした。その山本夏彦氏は、残念ながら昨年他界されましたが、氏のコラムは、天声人語だろうが余禄だろうが春秋だろうが、大新聞のコラムニストもみな参考にしてたくらいの素晴らしいものでした。

　僕も山本氏の文章からは、学ぶところが多かったです。
　何より、江戸っ子らしいきびきびとした、それでいて品のある文章が好きでした。
　ろくに読んだことのない明治の文豪に妙な親近感を感じるのも、文語文の素晴らしさを再認識したのも、氏のおかげです。その他「ポケットの中の千円札から天下国家の経済を窺い知る」「言葉は通じるときには電光石火のごとく通じる」「夜は眠るものです」「誰かメーデーを知らないか」など、懐かしいフレーズがいっぱい思い出として残ってます。
　＃余談ですが、日本語ブームの元になった斎藤孝氏の『声に出して読みたい日本語』のネタ本は、
　　山本氏の『完本 文語文』なんだそうです。

　その山本氏がよく「私は死語は使わない。しかし死語になりそうでかろうじて生き残ってるものは積極的に使う。敗者復活戦と称して。」ということをよく書かれてました。
　僕も、跡をついで（？笑）できるだけそうしようと思ってる次第です。

　こんなことを書いたのは、街を歩いててふと周りを見渡すと、茶髪人口の方が黒髪人口を上回ってたからです。特に女性の方は圧倒的ですね。
　「あ～、このままじゃ、緑の黒髪という言葉は、じきに死語になるなあ」と思ったのです。

　まあ、茶髪だからどうのこうのとは、今はまったく思いませんが、僕は高校の教科書で、与謝野晶子の
　　　その子二十　櫛にながるる黒髪の　
　　　　　　　おごりの春のうつくしきかな
を読んで、いいなあ！と思った人間なので、好みとしてやっぱり黒髪が好きですね～。
　この場面は、どうやったって黒髪じゃないとサマになりません。それも艶やかな緑の黒髪！！
　もし、今素敵な黒髪をお持ちの方は、ぜひぜひ緑の黒髪という言葉を死語にしないためにも、髪を大事にしてくださいませ(^^)v

　＃ついでに、与謝野晶子ではこれも好きです。
　　　　やは肌のあつき血汐にふれも見で　さびしからずや道を説く君
　　夫・与謝野鉄幹氏は絶対に頭が上がらなかったと思う（笑）