2005/05/22(日)10:28
母のがんばり
明日母が、抜歯の手術をする。
一時間ぐらいかけて、慎重にするそうです。
持病に糖尿病を抱えているので、最悪のシナリオで脳梗塞などが考えられるそうです。
母の家系は女系家族です。
代々婿さん、母もそうなるところでした。
日本が戦争に巻き込まれていった昭和初期。
母のおじいさん。婿さんでした。
家族、商売で使っていた使用人を集めて、母を嫁に出すことを宣言したそうです。
「皆も不満があると思う。特に私の女房は不満だと思う。
でもこの婿さんが続く家系は私で終わりにしたい。
だから孫の男の子に継がせる。
継ぐ子がいなければ、商売はやめる」
こう宣言して、皆を驚かせたという。
いまから考えるとすごい人だと思った。
でももっとすごいのはそれを許した、大ばあさんだったとおもう。
小さいころ私にこう漏らしていた。
「皮肉なもんだ、婿さんをやめたとたん。孫の長女が男の子を産んだ。
私は、お前に継がせたいよ」
何の話かよくわからなかったが、今はよくわかる。
商売をやっていると、自分の死んだ後が気になるのだ。
大ばあちゃんは、早くに母の婿さんに商売を教えたかったのだろう。
そして安心して、死にたかったのだろう。
商売を継いだ叔父さんは、母と一回り年が違う。
大ばあちゃんは、しっかりしているうちに、代々継いだ商売が続くことを見届けたかったのだと思う。
頭がしっりしているうちに。