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行きかふ人も又

藤田嗣治

藤田嗣治(レオナール・フジタ) 
  imge191054dzik4zj.jpg  (1886-1968)
 

 日本人でありながら、フランス人としてその生涯を終えた数奇な画家・藤田嗣治の展覧会へ行ってきました。道立近代美術館にて。
すばらしき乳白色と世界が絶賛した裸婦群や、アトリエ・フジタに残された豊富な生活資料や作品が展示されています。
画家仲間だったモディリアーニの影響を受けているという初期の『家族』。1928年か行方不明になっていて1992年に発見されたという幻の大作『争闘』。わずか10年なのに、ここへ辿り着くまでにさえ、変わっていく様に驚きながら。






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   『家族』(1917)                  『争闘2』(1928)

大作の前に置かれた椅子に腰掛けて暫く眺めていたら、大きさにも圧倒されるけれど肉体の美醜にも圧倒されました。大作へむけてのデッサンともいえる『闘士たち』の一群は、とても美しいとはいえない絵。あらゆる筋肉や骨の強調される様は、裸婦像の滑らかさとはかけ離れています。


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墨を使った絵画も多くて、日本絵画を感じさせるものや、可愛らしいこどもがたくさん登場する作品はとても気に入りました。いつも記念にハガキを買って帰るのだけど、今回は真っ先に悪戯っぽい顔した子供が四人で手を繋いでるのにしました。
可愛らしいと表現するのが一番しっくりきそうな、お皿や木箱は、どれも晩年に近いもの。こどもの絵は、授からなかった我が子の代わりに、心に生きる我が子を描いたものなのだそうです。絵の中の悪戯ぼうずたちが愛しく見えてきて、アトリエの再現などを含むこの展示スペースは好きでした。

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1959年、カトリックの洗礼を受けてからの宗教画の多くは、私にはしっくりと来るものはなかったかな。戦争に翻弄された時代背景があるにせよ、フジタという人は革新的な意識を持った先人だったのでしょうね。宣伝屋などと言われても、当時の雰囲気に溶け込めただけですごいことに思える。日本画壇を批判する言葉も、なにも悪気があっていったわけではないのでしょうし、本国を捨ててフランス人として最期を迎えたことは、きっと少しは寂しいものだったのかもしれません。




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