行きかふ人も又

2007/08/29(水)23:00

【 彼奴(きゃつ)を逃すな 】 1956年 日本映画

日本映画(141)

     商店街に粗末ながらも店を構える藤崎は、ある日向かいの店舗で起った殺人事件の犯人らしい男を目撃してしまう。妊娠中の妻を気遣い係わり合いをおそれて、目撃した事実を隠した藤崎だったが、第二の殺人がおきてからは自らの身の危険を感じ始めるのだった…。  半世紀前の日本のサスペンス映画。 当時としてはかなり斬新であったはずの雰囲気を感じることができる作品で、なかなか楽しめました。 麻薬がらみの殺人事件、目撃者への脅迫、そして第二の殺人... 驚きはありませんが、全体を通してサスペンスフルに展開されていくので見応えあります。 刑事を演じた志村喬、目撃者藤崎を演じた木村功、その妻に津島恵子と「七人の侍」の面々が揃って出演しているのも見所のひとつですね。 犯人役には宮口精二氏。 ラスト近く、追いつめられた藤崎が至る手を尽くして、妻や警察に合図を送ろうとするシーンがいい。 蒸気機関車が通り過ぎる音を利用しての殺人も。 見慣れたシーンも、その時代ならではのムードをまとうと満足できるものになります。 私的には藤崎夫婦のやりとりだけでも充分楽しめた作品でした。 タイトルの「彼奴」は‘あいつ’じゃないんですね~ ‘きゃつ’なんて読み方があること、知らなかったです。   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 監督  鈴木英夫 製作  宇佐美仁 脚本  村田武雄 撮影  三浦光雄 美術  小川一男 音楽  芥川也寸志 出演  木村功 、津島恵子 、東郷晴子 、志村喬 、宮口精二

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