行きかふ人も又

2007/01/22(月)14:53

■マダム・エドワルダ■ ジョルジュ・バタイユ

本(100)

   新年 あけましておめでとうございます 今年も変わらず どうぞよろしくお願いいたします    奮発した恵比寿ビールと白ワインで酔っぱらい、うたた寝していたら、すっかり年が明けておりました。 行く年来る年も見ないままの新年です 本年はじめの日記は、年末に読んだ本から。 新年そうそうバタイユはどうかと思いましたが・・・書きたい。   バタイユの名を知ったのは、伊坂幸太郎の「重力ピエロ」と「ブッダの夢」。 手に取った二冊に続けて登場してきた人を、素通りする気にもなれず、読みかけの本をのけて先に読んだのがこちらでした。 「重力ピエロ」で春(登場人物)が心底憎んでいたバタイユ、中沢新一さんが反カソリック思想の人として名を挙げたバタイユでした。 フランスの思想家でエロティシズムについての著作を書き、ニーチェとフロイトに傾倒した方だという前知識しかないまま「マダム・エドワルダ」「死者」「眼球譚(たん)」を読めば度肝を抜かれること間違えなしですね・・・ 本当に驚いたわけですが、ほぼ一世紀半前に書かれたというこのセクシャルな本が、今もまだこうして現代人に読まれているなんて、不思議な感じがします。 エロティシズムは進化するものでも退化するものでもないから、人には永遠のテーマということでしょうか。 快楽=死の願望――そんな話を読んでると、自分がいかにノーマルなのかを知らされるようでした。 このバタイユの感覚が分かる人もきっといるのでしょう。 けどそれはとても退廃的で、同時に登場人物のように、まともな暮らしはできないような気がする。。 あからさまな(あからさま過ぎる!)描写はまさに成人向けという感じですが、どんな人がこの本を性の悦び以外の為に読み、どんな位置づけにあるものなのか興味が湧いてきたのは事実です。 次はサドも読みたくなってきた・・ また大きく横道に逸れていく自分を感じます。 ただのポルノ小説ではないような趣が、無きにしもあらずな一冊でした。

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