2007/07/02(月)11:05
【コンフィデンス/信頼 (BIZALOM)】 1979年 ハンガリー映画
第二次大戦中のブダペスト。夫がレジスタンスとして地下に潜ったため一人になった妻と、偽装のためあてがわれた仮の夫との間に、やがて愛情が芽生えていくが―――。
権力と庶民のせめぎ合いを描きながら、上質な恋愛映画にもなっている。
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ベルリン国際映画祭で監督賞を受賞した作品です。
ナチス統治下のブダペストで、互いにあてがわれた相手と、偽の夫婦を演じて暮らすことになった男女の物語。
密告の恐怖に怯えた暮らしの中で、揺れ動くこころを描きます。
社会主義への批判大きく・・・けれどダブル不倫を描いた恋愛の見所は更に大きく、暗い雰囲気でしたが、とても見ごたえありました。
この暗さ、イシュトヴァン・サボーらしいと思ってみましたが、今年公開の「華麗なる恋の舞台で」は軽妙でドラマチックな明るい作品のようですね~
同じ監督とは思いませんでした。
特有の閉塞感と疑心暗鬼、家族を裏切っていることへの罪悪感―――
様々な思いに囚われながら、それでも惹かれあってしまう二人の姿に、イヤらしさはありません。
純粋にさえ感じてしまう、不倫の関係。
特別な状況下だからこそ、恋愛感情を抱いたのかもしれませんね~
度胸がなく、いつも怯えている男と、だんだん気丈になっていく女。
対照的な二人がさらに面白い。
男は夜になって肌を合わせている時だけ、「どこか遠くへ一緒に行きたい」そう言ったりするのですが、朝、女がその気になっているのを見ると取り消したくなる・・・後悔する・・・。
密告者にも罪悪感にも怯えている男は、結局愛し始めた女さえ、信じることができないのです。
男と女って、こういうパターンが多いのではないかと思えてくるのですが、どうでしょうか。
先を見て怖くなるのは、いつも男なのかもしれません。
恋愛の機微を巧く捉えたラブストーリー。
閉塞感とともに、戦局が悪化する背景や、本物の夫との再会を交えるなど、最後までハラハラとさせられました。
途切れるようなラストも好きです。
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監督 イシュトヴァン・サボー
原作 エリカ・サント
脚本 イシュトヴァン・サボー 、エリカ・サント
撮影 ラホス・コルタイ
出演 イルディコ・バンシャーギ 、ペーター・アンドライ
(カラー/106分)