2007/07/03(火)14:25
【きみに読む物語(THE NOTEBOOK)】 2004年 アメリカ映画
ニコラス・スパークスの長編デビュー小説を映画化したラブ・ストーリー。運命的な恋に落ちながらその関係を引き裂かれてしまった一組の男女の、時を経た永遠の愛をロマンティックに描く。
とある療養施設に独り暮らす初老の女性。彼女は若かりし情熱の日々の想い出を全て失っていた。そんな彼女のもとへデュークと名乗る初老の男が定期的に通い、ある物語を読み聞かせている。それは古き良き時代、アメリカ南部の夏の恋物語だった――。
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号泣にちかく、泣きました。
純愛が実るお話は数あるけれど、老いてまだ、臨終の時まで添い遂げる恋人たちの物語は、別の感情を与えてくれます。
どこか童話のような、若い二人ノアとアリスの物語。
強く深く愛することができる人は、本当に幸せです。
若き日のふたりを演じた、ライアン・ゴズリングとレイチェル・マクアダムスが素晴らしい。
ひと夏の恋から永遠につづく愛へ、初初しい出会いから別れへ―――
何年にもわたる姿を、見事に演じています。
恋する喜び、痛み、喪失感、再会、別れの砕けそうになる思い。
どれも素直に受け取って泣けてきました。
冒頭ではまだ、痴呆症の老婦人と、彼女に物語を読むデュークの関係は明かされません。
すこし謎めいたまま、ゆっくりとふたりの関係に気づかされます。
勘のいい方はすぐにわかるような、ゆるい設定なので、ネタバレにはならないですよね?
デュークと名乗る老人はノア。婦人はアリス。
お話は彼らふたりの思い出なのです。
平均寿命が延びて、痴呆をテーマにした作品もにわかに増えつつあるのかもしれません。
長生きしても、記憶がなければ果たしてそれが幸せなのかどうか・・・
みずからの幸せな半生を思い出せなくて、愛する人も家族もわからなくて、それでも生きることは悲しい。
周りの人間もとても悲しいと思います。
けれどノアのように諦めず、一瞬でも記憶が戻った時に傍にいたいと頑張っている人は、世の中に多くいるのかもしれませんね。
とにかくキレイに描かれていて、痴呆症の症状だって、ゆるすぎる描写なのかもしれませんが、全編通して‘物語’であることを感じて、淡く美しい情景で綴られるので、気にはなりませんでした。
私的な一番のツボは、若きノアが彼女を失ってからの生き方。
喪失の後、でも諦めはない。
こんな風に女性を愛せることが素敵です。
監督は老婦人を演じたジーナ・ローランズの息子、ニック・カサヴェテス。
同じく親子で組んだ「ミルドレッド」は、ニック初監督作でしたが、心温まる良質なヒューマンドラマした。
才能溢れる両親と息子。すごい一家ですね~
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監督 ニック・カサヴェテス
製作 リン・ハリス 、マーク・ジョンソン
原作 ニコラス・スパークス 『きみに読む物語』
脚本 ジャン・サルディ 、ジェレミー・レヴェン
音楽 アーロン・ジグマン
出演 ライアン・ゴズリング 、レイチェル・マクアダムス
ジーナ・ローランズ 、ジェームズ・ガーナー
(カラー/123分)