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2007.07.18
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  コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、殺人を許された男、人語を操り未来が見えるカカシ。
次の日、カカシが殺される。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止出来なかったのか? 



  第五回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞した、伊坂幸太郎のデビュー作。
「重力ピエロ」「終末のフール」に続いて3冊目です。
デビュー作とは思えず、終盤にはやっぱり唸ってしまいました。
不思議な現実に、説得力がある。
主人公が魅力的だというのは、前2作でも紹介しました。
デビュー作でもひけ目ありません。

不思議な島なんだけど、そこは現実。荒唐無稽なことはおこりません。
ただひとつ、カカシの優午(ゆうご)が喋ることを抜かしては・・・
島で過ごしたのは、奇妙なたったの数日間なのに、ドラマが溢れてることですごく豊かな満足を感じる読書後。


コンビニ強盗をして逮捕された主人公・伊藤は、護送される途中、パトカーが事故を起こして気絶します。
目覚めたらそこは、江戸時代からその存在を忘れられ外界から遮断された島。
島民には常識でも、仙台からきた主人公には常識を覆される不思議なことばかり。
そして島には、語り継がれる伝説がありました。
この島には欠けているものがある――それをいつか外の人間が運んでくると。


島にとっては欠かせない常識であった、かかしの優午が、ばらばらに壊され殺された時。
その死の謎と、あい次いで起こる殺人の謎に、島は揺れます。
伊藤らが突き止める事実と、不思議な伝説の真実と、揺るがない現実。
果たして、優午を殺したのは誰?
島に欠けていたものとは?



島の外では、伊藤の別れた恋人の物語と、彼を逮捕した幼馴染の警官の物語が動きます。
そして事故で死んだ両親の変わりに、主人公を育ててくれた祖母との思い出話。
過去へ遡れば、1855年、優午を作った録二郎という男の物語。
タイトルになったオーデュボンという鳥類学者の、リョコウバトの物語は、欠かせないキーポイントにもなっています。

様々に張りめぐらされた縦糸と横糸、どれも重要で削ることのできないもの。
その無駄を排して濃縮されたストーリーの中に、満足するツボがいっぱい詰まっているような作品でした。
島は自由だとしても、それは果たして閉じ込められていることにはならないか・・・
未来を予言できるなら、知っていたほうが幸せか・・・
生きる価値のあるものってなに・・・
心が動くというよりは、奥深さの隠れたシュールな本でした。
映画にしても面白そう。作るのが大変そうだけれど。









Last updated  2007.07.19 12:07:19
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