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2007.08.20
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カテゴリ:日本映画
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 交通事故に見舞われるも一命を取り留めた医学生の高木博史(浅野)。彼は自分が誰なのかも分からず、一切の記憶を失っていた。しかし、なぜか医学書には興味を示し医学部に入学した彼は、あるときから必須科目である解剖の世界に没頭していく―――。
解剖を通じて記憶を超越した世界を生き、次第に再生していく主人公の姿を描く。

 塚本晋也さんは敬愛する監督のひとり。ビジュアルに特徴あった作風は絶えず進化して、内面世界を掘り下げていくこの頃の作品もとてもいいとおもう。解剖医学をテーマにしたこちらは、魂の再生、心と体の不可思議を描いた意欲作。よくこんなテーマを映画にできたなあと感心してしまった。

事故から時が経ち、過去が断片となって蘇りはじめる主人公は、開業医の息子でありながら、医者より画家になることを選んでいた過去がある。そして事故後、医者の道を歩み始めた今、いつも隣にいた恋人があの事故で亡くなったことを思い出す。
検体となって自分の前に現れた彼女の体にメスを入れる博史の狂気を、浅野忠信が飄々と演じている。こんなふうに肩の力を抜いて素のまま演技する俳優、それが許される俳優はそう多くないし、好きだなあとおもう。
彼は恋人の身体を解剖しながら、いつの間にか、彼女が生きる幻想世界に迷い込むようになっていく――。
数年前に死んだ恋人がなぜ自分の前に検体となって現れたのか、謎は残る。喪失の淵から這い上がらせてくれたのは、懐かしい彼女の肉体と幻想。迷い込みそのまま出てこれなければ、彼は死んでいたのかもしれない、、そんな不思議な心の遍歴が描かれていた。スマートとはいえないまでも、不気味にでも着実に、焦点を見据えてる感じが好きだった。

深い愛が結びつけた怖ろしい再会。それを検体・解剖という視点から、映像のグロテスクさをまみえつつ描いた力作で、恋人の父、主人公の両親、彼に想いを寄せる医学生(KIKI)など、脇役の怪演もいい。
幻想世界の舞台に選ばれたのは沖縄。それとすぐ分かる風景は物語に似合った。恋人を演じるバレエダンサーの柄本奈美さんは、鍛え上げられた肉体と余計なものの一切ない洗練された体で"孤独"を表現する。演技は下手だけれど、幻想の世界ではダンスという肉体表現ができのだ。始めは戸惑うけれど、演出の意図をおもうと柄本さんを起用したのが頷けるというか・・・素敵だった。

エンディングテーマは沖縄出身のシンガーソングライターCoccoの『blue bird』。塚本世界に似合う、かなり素敵な曲だった。



  監督・製作・脚本・撮影・編集 /塚本晋也
音楽 /石川忠
 出演 /浅野忠信 、柄本奈美 、KIKI 、岸部一徳
(カラー/86分)








Last updated  2012.05.13 06:49:36
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