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2007.12.30
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カテゴリ:台湾映画

 ヤンヤンは祖母や両親、姉のティンティンと台北に住んでいる、ごく普通の少年。ところが、叔父の結婚式を境に、様々な事件が起こり始める。
祖母は脳卒中で昏睡状態となり、母は精神不安定で新興宗教に走り、父は初恋の人と再会して心を揺らす。そして、姉とヤンヤンにも恋心が芽生え・・・。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




 今夏、亡くなられたエドワード・ヤン監督の遺作。
優しい時間の流れてる、すごくいい映画でした。カンヌで監督賞を受賞しています。

現代の家族が抱えている様々な問題を、絶妙な距離感で描きます。
祖母が突然倒れ、昏睡状態になった一家に、次々と起こる出来事。
悲喜こもごもな、でもどちらかというとツライ現実を、リアルに映し出した素晴らしい作品でした。

映像のすべてが、瑞々しい。
日本版の予告編集をしているのは岩井俊二監督で、この瑞々しさ、似たものがあると思います。
優しい時間、現代であってもノスタルジーを感じる、染み入るなにかが、大好きでした。


初恋の女性とばったり再会して、青春時代をやり直そうとする父。
突然昏睡状態となった母親に、自分の日常を語りかけるうち、その稀薄さに耐え切れなくなって山に篭る母。
友達の恋人と付き合う姉。
幼馴染と別れて、できちゃった婚した叔父。
そしてヤンヤンは、初恋をします―――。


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描かれているのはヤンヤンからみた家族ではなく、一人一人の目線で経験された痛みや涙。
叔父さんの結婚の直後、おばあちゃんが昏睡状態になって、思いもよらぬ問題が山積みになっていくのでした。
たしかに、こういう時期って、あるのかもしれない。

けれど、大なり小なりトラブルを抱えている家族も、やがては、まあるく収まって成長してゆきます。
お父さんが、人生はやり直しできないと知り、現実を受け入れたように。
お母さんが、山も下界と差がないことを悟ったように。
お姉さんが、恋の幻想から醒めたように、叔父さんが今の人生を堅実に生きてくように・・・
頑なに、意識のないおばあちゃんへ語りかけることを「意味がない」と嫌がっていたヤンヤンだって、しっかりと大人になっているのです。

ラストは、おばあちゃんの死から、また何かが始まる予感がしました。
家族のみんなが、それぞれの知らぬ間に成長したことを、隠したまま。



お父さんの会社が倒産寸前で、立て直しを賭けた事業の相手役には、イッセー尾形さんが出演しています。
間の取り方の特徴ある方ですが、「太陽」に続いて外国の作品にあっても、やはり巧いものは巧かった!
不思議な魅力を持つ、ゲーム業界のトップという役柄でしたが、お父さんと急速に気のあっていく様がまたいい。
音楽を通じて、手品を通じて意思の疎通をしていく、大の男・ビジネスマン二人が、私的にもとても好みなシーンでした。


ヤンヤンがお父さんに言った言葉。
「人は半分しか見えていないんじゃないかな。だって後姿は見えないでしょう」
これって、外面を言ったのだけど、なかなか深い言葉として残っていました。
半分しか見えていなかったものを、突然両面とも見る機会に遭遇してしまった一家の物語・・・そんな気がして。

青春の裏側、理想の裏側、憧れの裏側、そんな色んな裏側を知って、一時はガックリきてしまうんだけど、そこから始まるであろう新しい視野は、想像するだけでもきっと明るい。
ドキッとしてしまうような、驚きの現代風のオチもなかなかで。
今年最後に、とても素敵な映画が見られました。


こちらは死ぬまでに観たい映画1001本に選ばれています。



監督・脚本  エドワード・ヤン
製作  河井真也
出演  ジョナサン・チャン 、ケリー・リー  、イッセー尾形
    ウー・ニェンツェン 、エイレン・チン

(カラー/173分/台湾・日本合作)








Last updated  2007.12.31 01:33:56
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