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カテゴリ:日本映画
いつもつるんでは問題を起こしていた18歳のマサル(金子)とシンジ(安藤)。ある日、素人ボクサーにノックアウトされてしまったマサルは、ボクシングに目覚め、ジム通いをはじめる。付き合いで入門したシンジも加わり、ふたりは練習に没頭する。 高校生活が終わり、シンジはボクシング界の逸材に成長するが、ジムにマサルの姿はなかった・・・。 北野作品は音楽が良い。作品に漂うリズムや間(ま)は、お笑いの舞台で培ってきたものでしょうか。 反面、裏目にでるのは、変なところで笑いをとろうとするシーン。 コントのような台詞が投入されるのは、残念に感じますが、ラストの清々しい感動を味わうと、そんなこと忘れてしまえるようでした。 ふたりの青年の青春物語は、ノスタルジーと爽快さの只中で、繰り広げられていきます。 ボクシングに情熱を注ぐシンジ、暴力団に入ったマサル。 全く別の道を行くことになったふたりには、それぞれの栄光と挫折が待っています。 前途有望な若者の足を引っ張るのは、大人たち。 希望ある未来を信じて疑わない、ぐれていても真っ直ぐな彼らは、周りの大人たちから嫌というほど現実を見せられ、将来を挫かれるのです。 どうしようもない大人の世界。ここで、これからは勝負しなくてはいけないと知った瞬間が、自分にもあったように、思い出されます。 辛い。ツライけれど、ひとつ終わって、また次が始まる。 きっと、この先になにかを見つけるであろう、キラリ光る爽快なエンディングが好きでした。 主人公たちの生活は、詳しく描かれません。 両親たちはいったいどうしてるの? なんて、気にしてはダメ。 必要最小限にこじんまりまとまっています。 これが北野監督が好きな空気感であり、ノスタルジーなのでしょうね。 一連の監督作にある暴力は、監督にとってどんな位置を占めるものなのか、どんな思いがあってのことかは、まだ分からないけれど、作品には愛情を感じます。 最後まで見守りたくなる二人の青年の青春が、瑞々しい感動を残してくれました。 監督・脚本 北野武 撮影 柳島克己 編集 北野武 太田義則 音楽 久石譲 出演 金子賢 安藤政信 森本レオ 山谷初男 柏谷享助 寺島進 (カラー/108分) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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自分はヤクザ映画、ないしヤクザの世界は嫌いなんですね。なので北野監督の映画は苦手です。以前も何処かに書いたようにビートたけしの問題意識の持ち方は自分に近いんですがね・・・。
(2008.03.01 02:06:36)
北野監督の映画のなかでは特別好きな作品ではないのですが、
この映画はラストの台詞がいいですね。 ずいぶん昔に観た映画ですが、とても印象にのこっている台詞です。 はるさんにはこの作品から昔の作品に遡って観ていただきたいです。 (2008.03.01 02:15:02)
私も唯一観ないのが任侠ものだったりして、暴力系は苦手です。
それでも、北野作品は観たい気持ちになってきています。 >ビートたけしの問題意識の持ち方は自分に近いんですがね・・・。 わかるような気がします。 いつかごらんになったら、感想を聞きたいです。 (2008.03.01 09:43:05)
思いがけず観ることになったのですが、
なかなか良かったと思います。 >はるさんにはこの作品から昔の作品に遡って観ていただきたいです。 はい♪これから遡っていきますね。 (2008.03.01 09:44:54)
私も暴力の多い映画は苦手なのですが・・・「Kitano」の映画がフランスで流行っている(というよりも、流行っていた?)事もあって、数本観てきました。
作品によって好きなものもあれば嫌いなものもあるけれど、未見のものを観る時はいつもワクワクしています。 Kids Returnはもしかしたら初めて観た北野映画かも・・・ビデオ鑑賞だったのにかなりのめりこんでしまったのを覚えています。 そういえば「2人の家族は?」と(いつもなら考えるのに)自問すらしませんでした。 パリに出てきて久々に観た、近代の日本映画だったというのもあるのかもしれませんが。 (2008.03.02 10:47:55)
北野映画もフランスで流行っていたんですね~。
>そういえば「2人の家族は?」と(いつもなら考えるのに)自問すらしませんでした。 生活を描かないのは、きっと楽で、軽めで直球の青春映画だと感じました。 ラスト、とっても爽やかでしたね。 (2008.03.03 16:42:29) |