2157502 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

行きかふ人も又

行きかふ人も又

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Freepage List

Free Space

ゆるい分室はじめました
dekunotato.exblog.jp

Archives

2024.04
2024.03
2024.02
2024.01
2023.12
2023.11
2023.10
2023.09
2023.08
2023.07

Category

Calendar

Comments

森須もりん@ Re:【夜行列車(POCIAG)】 1959年 ポーランド映画(03/10) 小学生のときに、テレビでみました。 あれ…
ETCマンツーマン英会話@ 希望を生むもの はじめまして。先日初めて『アラバマ物語…

Favorite Blog

Kabu + Plus エースNo1さん
ある日どこかで リラ11さん
ベティ333のブログ ベティ333さん
でくの坊 雨にも … なんぜんたろうさん
My 映画 on TV 日記 タケ88フミさん
2008.03.28
XML
カテゴリ:アメリカ映画

 ジャームッシュの世界はクールで大好きです。『ダウン・バイ・ロー』『コーヒー&シガレッツ』などから、ずっと一緒のジャームッシュ組?の面々、ロベルト・ベニーニやトム・ウェイツ(主題歌)が最高にカッコイイ!
タクシーを媒体にして、出会い別れていく人々の姿を、ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキの5つの街を舞台にして描きます。(サブタイトルはつかない)
どの作品にもピンとくる、心に触れる何かがありました。騒々しい一連の出来事が終わったあとには、一抹の寂寥感。
それは哀愁でも虚無感でもない、白々と明けていく夜を惜しむような、名残惜しさでした。


『ロサンゼルス』

night on earth PDVD_009.jpg

 若いタクシードライバー(ライダー)と、その客(ローランズ)のひと時の会話。
素人対象にスカウトの仕事をしている乗客が、飾らない個性を持った運転手に惹かれていく―――。
偶然出会ったふたりが、何気なく交わす会話が素敵です。
若さ溢れる一番脂が乗っていた頃のノニーを、抜群の存在感で見つめるジーナの落ち着いた演技は絶妙でした。さりげないタクシーでの出会いには、ふたりの人生までが透けてみえる。こんな小さなすれ違いから生まれる物語が、地球上には無数にあるのでしょう。


『ニューヨーク』

 東ドイツから移民してきたタクシー運転手のヘルムートは、まともに運転できず片言の英語しか話せない男。みかねたお客のヨーヨー(エスポジート)は、自らハンドルを握りブルックリンへとタクシーを走らせるのでした―――。
偶然道端で出会ったヨーヨーの義妹アンジェラ(ペレス)を交え、超毒舌な会話がタクシーを飛びかいます。楽しげにそれを見つめているヘルムートは、国では道化師だったという。
兄妹がどんなに毒づき喧嘩しても、みんな中身は善良。大都市にやってきたヘルムートにとって、なにもかもが新鮮で、この街が身近に感じるのでした。
やがて、ヨーヨーの家に着き、別れを告げて、再び車を走らせるヘルムート。ほんの少しだけ運転も英語も上手くなった彼の目に映るのは、鮮やかで新鮮だった景色の真実の色。荒んだ道に、救急車のサイレンが鳴り響き、諍いが耐えない街角が広がっている・・・。
ヘルムート役には、名優アーミン・ミューラー・スタールが好演しています。


『パリ』

protectedimage.jpg

 コートジヴォアール人運転手、イザーク(バンコレ)のタクシーは、盲目の若い女(ダル)を乗せる。白目を剥いた見えない目で、化粧し、道を当て、運転手の出身まで当ててしまうお客に、イザークは深い興味を覚えるのでした。
ロワーズ河岸までの短いドライブの間に、根掘り葉掘り盲人への疑問を投げかける彼。不快そうに答える女。
色も恋人も映画もすべて、肌全身で感じて理解する。そんな信じがたい感覚は、見えている我々の目よりずっと確かなものかもしれない・・・・。
ベアトリス・ダルがいかにも妖しく美しく、これぞパリという一話が見事でした。


『ローマ』

 いつでもマシンガントークな敬愛するベニーニ。こちらでもその役どころは変わりませんでした。この人を、キライな人は徹底的に苦手だろうと改めて感じながら・・・楽しみました。
運転手ジーノ(ベニーニ)は、神父(ボナチェッリ)を乗せたのをいいことに、勝手に懺悔を始めます。破廉恥な過去の懺悔に、心臓の弱い神父は息が詰まり、ついには息絶えてしまうのですどくろ
ベニーニの話し振りに、まったく厭らしさがないのは救い。ただただ滑稽で、いい加減お喋りやめなよ!と、突っ込みたくなること請け合いな、彼らしい短編になっています。


『ヘルシンキ』

 雪の街で運転手ミカ(ペロンパー)は、酔いつぶれた男アキと、同僚の労働者2人を乗せます。酔ったアキの不運な1日をさもありなんと語って聞かせる2人に、ミカは自分の体験を語り始めるのでした・・・。
未熟児で生まれた我が子の悲しい物語に、労働者たちは涙を流しながら耳を傾けます。
人の不運なんて、見た目ではわからない。そっと胸の支えを吐き出すように、淡々と語るミカがしんみりと最後を飾ります。

白々と明けていく空、新しい朝が来た希望とともに、名残惜しさを引きずりながら夜は終わるのでした。
トム・ウェイツの歌が作品にドンピシャリ。最高に個性的な歌、CDが欲しくなる!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



監督・製作・脚本  ジム・ジャームッシュ
撮影  フレデリック・エルムズ
編集  ジェイ・ラビノウィッツ
音楽  トム・ウェイツ
出演  ウィノナ・ライダー  ジーナ・ローランズ  ベアトリス・ダル  
     ロベルト・ベニーニ  アーミン・ミューラー=スタール  ロージー・ペレス
     ジャンカルロ・エスポジート  マッティ・ペロンパー  イザック・ド・バンコレ

(カラー/128分/アメリカ製作/NIGHT ON EARTH)








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008.03.28 20:18:23
コメント(4) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
別の画像を表示
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、こちらをご確認ください。


これもオムニバスですね   racquo さん
機会作って見ようと思います。
ベアトリス・Dも出てるようだし。
3~5話は仏語、伊語、スオミ語ですか、それとも英語ですか?。
こういうのは現地語で作って欲しいものです。
アントニオーニの『愛のめぐりあい』はほぼ現地語で、
それが良かったと思います。
場所、場所には雰囲気があって、
それぞれの地で人々の雰囲気も違い、
それには言葉も関係しているから。
(2008.03.28 20:51:35)

Re:【ナイト・オン・ザ・プラネット】 1991年 今宵の出会いは格別(03/28)   アネモネ* さん
これ見てみたかった映画です。
高校生の頃、ベアトリス・ダル好きだったな~。
あんなむっちり色気のある姉ちゃんになりたいと思ってましたw
(2008.03.28 22:46:40)

racquoさん    はる*37 さん
>3~5話は仏語、伊語、スオミ語ですか

ちゃんと現地語でした。
いい雰囲気で、それぞれに味のあるオムニバスになっていると思います。
ご覧になったら感想聞かせてください。

(2008.03.29 01:57:23)

アネモネ*さん    はる*37 さん
私もずっと観たくて、やっと!という感じです。
すご~く良かったですよw

>ベアトリス・ダル

『ベティ・ブルー』で初めて観たのが同じく高校の時。
率直に驚きもし、感動した映画でしたが、今観たら絶対感想は違っているはず!
とっても観返したくなりましたよ^^

>あんなむっちり色気のある姉ちゃんになりたいと思ってましたw

アネモネさんはむっちりじゃないけど、色気はグ~!ですね。 (2008.03.29 02:04:43)


© Rakuten Group, Inc.