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カテゴリ:アメリカ映画
かつては多くの女性と恋愛を楽しんだ元プレイボーイのドン・ジョンストン(マーレイ)は、中年となった現在も勝手気ままな独身生活を送る日々。そんなドンに恋人のシェリーも愛想を尽かして出ていった。そこへ、差出人不明のピンクの手紙が届く。便せんには“あなたと別れて20年、あなたの息子はもうすぐ19歳になります”と書かれていた。それを聞いた親友のウィンストン(ライト)は、お節介にもドンが当時付き合っていた女性たちを訪ねて回る旅を段取りしてしまう。そして、気乗りのしないドンを強引に息子探しの旅へと送り出すのだった―――。 ジャームッシュ作品にはいつも音楽が欠かせません。映画と同じくらい、音楽を愛している人なのでしょう。 小気味良いテンポで、ゆるい笑いと遊び心に包まれた作品群は、どれも好きなものばかりです。 かつてドンファンだったドンが、元恋人たちを訪ねあるくロードムービー。 ここ数年『ロスト・イン・トランスレーション』や『コーヒー&シガレッツ』で壮年の魅力を漂わせるビル・マーレイがドンファン役を演じています。 いつもの三枚目で間の抜けた演技ではありますが、格好よくて素敵なんですよね~ かつての恋人たちには、シャロン・ストーン、フランセス・コンロイ、ジェシカ・ラング、ティルダ・スウィントンなどなど、なんとも豪華です。冒頭で出て行く現在の恋人役にはジュリー・デルピー。 “あなたの息子がいます。その息子が家出しました。あなたのところへ行くかもしれません” そんな驚くべき手紙を受け取り、衝撃を受けるドン。彼は、ピンク色とタイプライターにヒントがあると断言する親友ウィンストンに嫌々ながらも送り出され、母子探しの旅に出るのです。 本当か嘘か。それさえもわからぬまま、過去の栄光とも言うべき、自らの女性遍歴を突如振り返ってみるはめになるドン。 彼は自由を謳歌してきた自分の人生に、このとき初めて、疑問や後悔や哀切に似た感情を抱いていくのでした。 「過去はどうにもならない。未来はこれからどうにでもできる。大切なのは現在だ」 収穫ゼロの旅の終わりに、こんな荒削りな感想を述べるドン。 19歳になるらしい息子が家出したと聞いてからというもの、若者を見れば、自分の息子かもしれない・・・そう勘ぐるドンは、今までのお気楽な生き方にはもう完全には戻れないのかもしれない。 独身貴族でも、家族やこどもが嫌いではない彼の生き方は、ある意味そうとう魅力でした。 親友の子沢山ファミリーとは仲良しで、決して孤独とはいえない男。ただドンファンである自分を捨てられず、引退する年頃であることを認めたくなかったのかもしれませんね。 けれど、出演している中年の名女優たち然り、どんなに美しい人でも歳はとるもの。その歳の重ね方が魅力であればあるほど、取り残されたドンの虚しさは、じんわりと観る者の胸に響いてきます。 ところで果たして、あのピンク色の手紙の送り主は、誰だったのだろう 監督・脚本 ジム・ジャームッシュ 製作 ジョン・キリク ステイシー・スミス 撮影 フレデリック・エルムズ 出演 ビル・マーレイ ジェフリー・ライト シャロン・ストーン フランセス・コンロイ ジェシカ・ラング ティルダ・スウィントン ジュリー・デルピー クロエ・セヴィニー アレクシス・ジーナ マーク・ウェバー (カラー/106分/BROKEN FLOWERS) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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