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2008.07.15
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カテゴリ:イタリア映画

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 長男を頼って職を求め南部からミラノに出て来た兄弟と母親。家族の葛藤と挫折を描いた名作。長男は同郷の女(カルディナーレ)に夢中で家を省みない。悪に染まった次男シモーネ(サルバトーリ)と堅実な3男ロッコ(ドロン)はボクサーになるが、女ナディア(ジラルド)をめぐり争う。ロッコがチャンプになった夜、次男は女を殺したと告げる。



 田舎で父親を亡くしてから、長男を頼って都会にでてきた母親と残る4人兄弟。若者たちの青春の葛藤と愛と嫉妬を、3時間の長尺で描いた家族のドラマ。
はじまりは初期のヴィットリオ・デ・シーカを思い出す、そんな庶民の生活の描写から。やがて気づくとヴィスコンティ節になり、悲劇で幕を閉じる。

善良だが無関心な長男、悪人となっていく次男シモーネ、しっかりもので誠実な3男ロッコ、平凡な4男、幼さのこる5男。母親はイタリアのごく一般的な肝っ玉母さん。
都会ミラノでの新生活の苦悩を、日常から丁寧に綴り、彼らの変化が引き起こす家族の絆の揺らぎを、冷静な眼差しでじっくり描いていく。

次男シモーネがダメになるきっかけとなったのは娼婦ナディアとの恋。遊びだった彼女に一方的にのぼせた彼は、ボクシングに必要な禁欲(酒・煙草・女)を守ることができずに、落ちぶれていくのだ。そんな次男とは裏腹に、誠実な3男ロッコはボクシングの道を一度諦め兵役につく。
一年後、兵士として訪れていた町で、前科者となっていたナディアと偶然再会し、ふたりは燃えるような恋に落ちる。ナディアは真っ当に生きると誓い、人生で初めての幸せを味わうのだったが―――。

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 超美形のアラン・ドロンが演じているのは、純粋ないい男、非の打ち所のない主人公だ。ぐれたシモーネでは決して勝つことのできない相手。兵役を終えて戻ったロッコは、みるみるボクシングの腕も上がり、愛するナディアまで手に入れたと知ったとき、シモーネの怒りは爆発し、ロッコの目の前でナディアを手篭めにする狂気に出てしまう。

卑劣な兄に彼女を譲ったかたちで、ボクシングの世界に没頭していくロッコと、家にナディアを置き、働きもせず自堕落な生活を送るシモーネはあまりに対照的。
愛する人を奪われたのに、なぜロッコは穀潰しの兄に尽くすことができるのだろう。普通ならただでは済まさないし、殴り返すだろうし、許さない。ましてや彼女を譲るなんてありえない選択だった。
この展開からも、一筋縄ではいかない、オーソドックスなドラマでないことが窺える。
悲しい結末が、ただただ引き寄せられていくのは神話の世界のよう。このあたりが、後の耽美主義に繋がっているのだろうか。
結局は最も辛いのはナディアだった。愛するロッコを諦め、人でなしのシモーネの元に戻り、そこから逃げ出して娼婦に戻り、最後には罵ったシモーネに殺されてしまうのだから・・・。
それは奇しくも、ロッコがボクシングチャンピオンになった、その日。


ミラノにやってきたばかりの頃には想像すらしていなかった、都会での挫折と悲劇。
ずっと感じる郷愁の念が、やりきれない物語を切なく彩る。
兄弟たちが末の弟に未来を託すシーンが素晴らしい。いつか郷里へ、オリーブ畑が広がる田舎へ帰ってくれよ、と―――。



監督  ルキノ・ヴィスコンティ
製作  ゴッフリード・ロンバルド
原作  ジョヴァンニ・テストーリ
脚本  ルキノ・ヴィスコンティ  スーゾ・チェッキ・ダミーコ  エンリコ・メディオーリ
  パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ  マッシモ・フランチオーザ
音楽  ニーノ・ロータ
出演  アラン・ドロン  アニー・ジラルド  レナート・サルヴァトーリ  クラウディア・カルディナーレ

(モノクロ/181分/イタリア=フランス合作)









Last updated  2008.07.16 22:45:27
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