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2008.09.10
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カテゴリ:イギリス映画

 カトリーヌ・ドヌーヴは以前の『昼顔』が記憶に新しい。美しさや妄想、共通項のある作品だ。色んな意味ですごい映画だった。
(あらすじ) ロンドンで姉と同居している妹キャロル(ドヌーヴ)は、隣室の姉ヘレン(フルノー)と愛人との情事の音に毎夜悩み、男性恐怖症からついに恋人を殺してしまう―――。

『神経衰弱ぎりぎりの女たち』という、ある映画のタイトルを思い出した。キャロルはまさにぎりぎり。病んでいく様が、繊細な心理描写と、ポランスキーらしいシュールな映像で綴られる。
ドヌーヴの演技は、女性らしいある種の演技の見本になったのかもしれない。か細い声、フェミニンな仕草。むかしの裕木奈江を思い出す。それがどんなにわざとらしくても、ふとした時に見せる表情は魅力で巧くて、とにかく美しいのだ。
男に嫌悪感を抱きながらも、壊れていく意識の狭間では、幾度も男に無理やり抱かれている自分を妄想する。音は排除され、悲鳴も聞こえない・・・壁はひび割れ天井が迫ってくる・・・。
美女が怖ろしい幻覚に苛まれるこの設定は『ローズマリーの赤ちゃん』にも共通したもの。
冒頭のドアップのとか、効果的に使われていたウサギの肉は、ブニュエルの『アンダルシアの犬』へのオマージュだろうか。本編は後の『昼顔』に似ているし。変態(といえば言葉は悪いけど)二人の監督は似てると感じた。

 Repulsion2.jpg

爪を噛んだり、顔を掻いたり、文句なしに美しいドヌーヴの神経質な小さな仕草の積み重ねは、恐怖感に絶大な効果を発揮している。始終落ち着きなく、見惚れさせながらも、狂気の淵へまっしぐらに進んでいく。
心配して見舞いにきた恋人を、幻覚に駆られ惨殺したのを皮切りに、恐怖は最後まで息つく暇なく続く。人を殺めてしまっては後戻りできない、心神喪失となったキャロルに、いつまでも救いは訪れないのだ・・・。
ラストにさえ、執拗に絡みつく人間のエゴと欲望が、なんともいえない不快な余韻を残す、かなり良くできた作品だった。

死ぬまでに観たい映画1001本




監督  ロマン・ポランスキー
製作  ジーン・グトウスキー
脚本  ロマン・ポランスキー  ジェラール・ブラッシュ
撮影  ギルバート・テイラー
音楽  チコ・ハミルトン
出演  カトリーヌ・ドヌーヴ  イヴォンヌ・フルノー  ジョン・フレイザー
    イアン・ヘンドリー

(モノクロ/104分/イギリス)







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Last updated  2008.09.12 06:01:33
コメント(10) | コメントを書く


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Re:【反撥(REPULSION)】 1964年  神経衰弱ぎりぎりの女(09/10)   ジウニー さん
え?!
これカトリーヌドヌーブ?
カトリーヌドヌーブってあの人だよね?
うん、たぶんあの人だ
わっか~~~い って思ったら1964年?
私の生まれた年です(爆)
へ~~なんだか年代物のワインみたいな気がするぅ (2008.09.11 17:43:04)

Re:【反撥(REPULSION)】 1964年  神経衰弱ぎりぎりの女(09/10)   ykp1031 さん
こんばんは♪
先日はコメントありがとうございました。
国ごとでカテゴリーが分けてあるのが個人的に凄く楽しいです。

ロマン・ポランスキーは大好きな監督の1人なんですが、そういえば「反撥」は観た事がありません。
凄い内容みたいですが、ポランスキーらしい感じがしますね。
機会があれば必ず観たいです。

それでは又遊びに来させて頂きます♪
(2008.09.11 22:55:04)

この頃のポランスキーは   racquo さん
(以前も書きましたが)尖っていて良かったですね。
ポランスキーという人は戦争がらみで複雑な生い立ちで
(例えば実母はアウシュヴィッツで死んでいます)、
この人自身が神経症的なものを内に秘めてるんでしょうね。

ドヌーヴという人は姉ドルレアックが若くして事故死して、
その後フランスを代表するような女優さんになったけれど、
ずっと姉ドルレアックにコンプレックスを持っていたようです。
その辺がどこか、ふとした自信のなさのような雰囲気の元かもしれません。

ポランスキーは翌年『袋小路』ではドルレアックの方を使っていますが、
この2作、姉妹どちらの出演作品も好きな映画です。

(2008.09.12 01:33:42)

ジウニーさん    はる*37 さん
かの有名なドヌーヴですw
とはいっても、私もほとんど観たことなかったので
美しさに驚き!仕草がいいです。
年代物ワインみたいに、いい作品でしたよ♪ (2008.09.13 09:00:54)

ykp1031さん    はる*37 さん
こんにちは♪
これからもよろしくお願いしま~す。

>ポランスキーらしい感じ

しますでしょう。
初期の頃のものはいいですね!
『戦場のピアニスト』なんかよりずっと楽しめる感じです。

(2008.09.13 09:03:24)

racquoさん   はる*37 さん
>尖っていて良かったですね。

歳とってまあるくなっちゃうと、詰まらなくなるのは・・・
悲しいかな、仕方のないことかもしれませんね。
この頃のものはどれもすごく好みですよ!


>ドヌーヴという人は姉ドルレアックにコンプレックスを持っていたようです。

そうなのですか!
これだけ美しいドヌーヴにもコンプレックスが。
神経質な演技は板についていましたね。


>ポランスキーは翌年『袋小路』ではドルレアックの方を使っています

『袋小路』ますます楽しみになります。
はやくお姉さんが観てみたい。 (2008.09.13 09:10:20)

Re:【反撥(REPULSION)】 1964年  神経衰弱ぎりぎりの女(09/10)   リラ11 さん
これ怖いですよね。すごく変わってて、怖くて、だけど観らずにはおれないって言う。

>か細い声、フェミニンな仕草。むかしの裕木奈江>を思い出す。それがどんなにわざとらしくても、>ふとした時に見せる表情は魅力で巧くて、とにか>く美しいのだ。

はあ~、なるほどね~。そう言えばそんな感じでした。裕木奈江か…
(2008.09.17 15:02:50)

リラ11さん   はる*37 さん
これは怖いですよね~
生半可なホラーよりずっとコワイ。
だけど観らずにはおれませんよね!


>はあ~、なるほどね~。そう言えばそんな感じでした。裕木奈江か…
-----

わかりますか。私は今日も『硫黄島からの手紙』で
奈江ちゃんを観たのですが、やっぱり一種独特な雰囲気がありますね~。

(2008.09.17 23:08:41)

カトリーヌ   みら さん
反撥のカトリーヌ美しいから尚、怖い。とても繊細でナイーブ。だからその反動があの始末。監督の細かい描写が上手いです。カトリーヌの風になびく金髪が素敵、でもこわーい作品です。 (2009.06.15 22:47:51)

みらさん   はる*37 さん
コメントありがとうございます♪

繊細でか弱い感じのドヌーブがすばらしかったですね。
かなり怖く、面白い作品でした。
初期のポランスキーは良いですね!

またお立ちより下さいませ。 (2009.06.16 21:45:23)


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