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2009.08.08
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カテゴリ:ルーマニア映画

 チャウシェスク政権下のルーマニア。望まない妊娠をした寮のルームメイト、ガビツァから、違法中絶の手助けを頼まれた大学生のオティリアの、辛く長い一日を描く―――。


 闇市の蔓延する自由のない80年代後半のルーマニア。学生のオティリアとルームメイトのガビツァは落ち着かない。きょうは、望まない妊娠をしたガビツァの、堕胎手術当日なのだ。
しかし、違法であることも危険を孕むことも、まるで実感していないようなガビツァの言動が、すべての予定を狂わせてしまう・・・。

ガビツァの態度には、ほんとうに腹が立った。
中絶についてなにも言う権利はないけれど、責任は、相手の男(一切登場しない)だけでなく、彼女にも十分にあるはずなのに。
自分を守るばかりの沢山の嘘をついて、奔走するオティリアの献身的な親切を踏みにじり続けていく。

堕胎手術を引き受けた男・ベベは、保身と見返りを当然のごとく要求する。
シビアにリアリティもって描かれる、たった一日の物語は、一言でいえば“ 嫌悪感でいっぱいのお話 ”なのだけど、目が離せなくなる独特な強い引きがあった。


資金を用立てるためオティリアは、ガビツァの代わりに、恋人にお金を借りる。
友人の妊娠を間近に見て、オティリアと恋人の間もギクシャクしてしまう。(ここで大事なのは、当時ルーマニアでは避妊が禁止されていた、とうことだ)
明るい展開が待っているなんていう希望もなく、選択肢のない限定された時代背景のあってこそのドラマだった。
なぜ今この時代にこの映画? と思わなくもないが、国柄や社会的な背景を描きこんだ結果の良作なのかもしれない。
ちなみに、日本でガビツァみたいな娘がいたら、友達はできない気がするけど・・・。

オティリアがどうしてそこまでするのか、、理解しがたい部分も多々あるものの、目を逸らさせない演出は流石にすごい。
カンヌで最高賞のパルムドールを受賞していますが、まさしくカンヌで評価されるタイプの作品になってます。
社会派であり、役者がいい。
『ロゼッタ』『ある子供』で二度パルムドールを受賞しているダルデンヌ兄弟監督に、似た雰囲気を持つ作品に思われた。




●  ●  ●  ●



監督・脚本  クリスティアン・ムンジウ
製作  オレグ・ムトゥ  クリスティアン・ムンジウ
撮影  オレグ・ムトゥ
出演  アナマリア・マリンカ  ローラ・ヴァシリウ  ヴラド・イヴァノフ

(カラー/113分)







Last updated  2009.08.09 15:22:40
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