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2010.04.17
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カテゴリ:多国合作映画

 1970年のパリ。政治・社会情勢の激動が続いた70年代初頭のフランス・パリを舞台に、時代の波に揺れ動く一家族の姿を、9歳の少女の困惑と心の成長を通して描いたドラマ。


 フランコ独裁政権も、フィデル・カストロも、スペインとフランスに関する歴史も、知らないくせ、おもしろく観た。
9歳のアンナがなにもわからないのと同じように、わたしもわからないのは恥ずかしい。
けれどそのおかげで、純粋にアンナの戸惑いや憤りを感じとることができたのは確か。

スペインの貴族階級出身で、弁護士の父フェルナンドと、雑誌記者の母マリーに育てられたアンナはお嬢様。
平穏で何不自由なく暮らしていたが、ある日、スペインでフランコ独裁政権を相手に反政府運動を行っていた伯父が亡くなり、残された叔母と従姉妹が一緒に暮らすことになる。

貴族の生活を嫌い、故国から逃げ出した父フェルナンドは、そのことをきっかけにして、突如、共産主義的価値観に目覚めていく。
母マリーも協力体制となると・・・アンナのお気に入りの生活は激変しはじめるのだった。

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夕食前の入浴も、宗教学の授業も、庭付きの大きなお屋敷も失って、彼女は不平不満でいっぱい。不機嫌そうな眼差しで口をへの字に結んだアンナが、けどかわいくて仕方ない。彼女の怒りはごもっともで、結局、大人の身勝手に振り回されるのは子どもたちなのだ。
ただ、このお話のなかで両親に起こるのは、良い変化。

故国で闘う親類のことさえ見て見ぬふりしてきた父親が、いきなり政治に目覚めて動き出した姿は潔かった。過去や後悔と向き合う夫を、物書きとしてサポートする妻マリーもまた、とても立派だ。
アンナがどんなにムクレても、ふたりは毅然とした態度をとり続ける。家族の時間は激変しても、いつか子どもたちが、自分たちの背中から学んでくれるだろうことを信じる二人の姿が素敵だった。


監督は、ギリシャ出身のコスタ=ガヴラスの娘、ジュリー・ガヴラス。長編初監督とは思えないほど、脚本も映像も素晴らしい。
こんな語り口で、歴史を物語る作品は、いままであまり多くないと思う。
子どもたちが振り回されるだけの映画じゃなく、子どもが、その状況を素直にどう捉えて考えて変わっていくか、力強く逞しく希望持って描かれてあることに、温かいものさえ感じた。

ラストシーンで、普通の洋服を身につけ、新しい学校に通い始めるアンナが印象的。自由に走り回る子どもたちから、改めて当時の時代感覚を取り戻す。名門のカトリック学校では、あまりに時代錯誤的だったためだ。
新しい学校の生徒たちが履くジーンズは、紛れもなく自由の象徴に見えた。



●  ●  ●  ●



監督・脚本/ ジュリー・ガヴラス
製作/ シルヴィー・ピアラ
原作/ ソミティッラ・カラマイ
音楽/ アルマン・アマール
出演/ ニナ・ケルヴェル  ジュリー・ドパルデュー  ステファノ・アコルシ

(カラー/99分/イタリア=フランス合作)







Last updated  2010.04.18 20:34:40
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