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テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:フランス映画
あてもなく日本にやって来た男オスカーが、突然の死によって肉体から解き放たれ、魂となって、 輪廻転生への入り口を求めTOKYOの街を彷徨う――。
けのミニシアターの館主さんが、コラムに好感触な感想を書いてらして、上映当初から気になって いた。 ビジュアル映画であることがかえって救いか、前2作品とは違い、頭を空っぽにして観ることがで きた気がする。 東京の街を俯瞰する魂の浮遊、サイケデリックな映像美。カメラワークの妙に素直に身を任せて いると、不思議な解放感を味わえる、異色なトリップ・ムービーだった。 にあい、冒頭あっさりと射殺されてしまう。 幼い頃に生き別れた妹リンダと再会したばかりのオスカーは、この世に未練を残しながら、派手な 電飾に彩られた東京の夜を、魂となって漂う。 今生のうちには、けして経験することのない麻薬によるトリップとは、きっとこういうものなのだろう。 肉体から解放された死後の意識というものも、こういうものなのかもしれない。 欠くことのできない、夜に蔓延るエロス。現実と非現実の狭間に、トーキョーのリアルが垣間見れる ようで、鬼才ギャスパー・ノエが感じたらしいこの街の魅力に、不思議ととてもうれしくなる。
そして両親が目の前で死んだ交通事故の記憶・・・・悪夢としあわせが入り混じったまま、どこまでも 自由に彼の意識は浮遊し続けるのだった。
どんな含みを持つのだろう。 関係の濃さ、見返りを求めない愛の純粋さ? 近親 相姦にけして共感することはできないが、そこに 猛烈な愛情がある関係・・・・というものだけは、認めないわけにいかない気がする。
まるで、他人の夢に迷い込んだような、摩訶不思議を体感する、R18指定の幻想的な夜だった。 † † †
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すごそうでしょう、、(^^;
でも、けっこうこれは好きだったんですよー 輪廻とかマンダラとか、仏教的な要素だとか、 以前読んだことのある「チベット死者の書」という本も出てきて 身近に感じる部分があったからかもしれません。 トリップしているサイケ映像は、シナプスとか、それこそマンダラのイメージでした。^^ もしかしたら。ジウニーさんもお好きかもしれないなぁと思いますw (2011.04.19 18:15:15) |