|
テーマ:■ムービー所感■(484)
カテゴリ:ポーランド映画
1991年の『Ferdydurke』以来、じつに17年ぶりの新作。過去のタイトルを眺めて みると、見ておきたいタイトルがいろいろある。
プ事件を偶然目撃してしまい、不運にも濡れ衣を着せられ逮捕されてしまった過去 を持つ。 出所後、レオンは、ずっと一緒に暮らした祖母の家に戻るが、その時の被害者アン ナに心奪われ、いつしか自宅の窓から、彼女の部屋を覗くことが日課となるのだっ た――。 孤独で愚直な中年男の、一途すぎるがゆえの行動が、じつに奇妙で気味悪くて、 愛おしい。 不器用な純粋さが裏返って、<覗く>という変態行為にはしってしまう主人公の映 画には、『愛に関する短いフィルム』『仕立て屋の恋』などがあるけれども、どの作品 も、嫌悪感を過ぎたところに愛おしさを感じるから好きだ。 きっとたいていの方がそうだから、一連の作品は人気がある。
ぼっちになってから、レオンはすこしだけ変わる。 なにかから解き放たれたように、祖母の思い出の品を燃やし、自宅の窓を改築して、 アンナを覗くことを生きがいとするのだった。 やがて、覗くだけで満足できなくなったレオンは、彼女の留守中部屋に忍び込み、砂 糖に睡眠薬を混ぜて、夜な夜な、深く眠った彼女の部屋に忍び込むようになる・・・・。
出来事。 ただ彼女のそばにいて、布団をかけて、爪にマネキュア塗って、お片づけして、取れ そうなボタンつけて・・・そんなふうにして過ごしていた4日間。無防備に目の前で眠る 彼女を前に、究極のプラトニックを貫く。 アンナの身になれば、それは強烈に気味悪いことだけれど、第三者感情としてはレオ ンの恋が実ることを願っていたりする。不器用でマジメな彼が、愛を表現するにはこの 方法しかなかったのだから。 しかし、アンナが彼の行為を好意的に捉えるはずもなく、、再び法廷へ引きずり出され たレオンの恋は儚く散ってしまう。。 でもそれをだれが笑えるというのだろう。 悲恋の先になにが待つのか、静かな悲しみの余韻が残って消えた。 ナもレオンも例外でなく、ふつうの男と女だからまた深い味わいが出る。 <覗く>純愛の物語――まだほかにも数作あれば、ジャンルとして確立できるね、きっと。
脚本/ イエジー・スコリモフスキ エヴァ・ピャスコフスカ 音楽/ ミハウ・ロレンツ 出演/ アルトゥール・ステランコ キンガ・プレイス イエジー・フェドロヴィチ (カラー/94min/ポーランド=フランス合作) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ポーランド映画] カテゴリの最新記事
というか、この手の作品はなんだか面白そうですね。
相手に知られず相手を見る・観察する、というのは、安全・防衛本能なのかもしれませんが、「のぞき」という行為に、なんらかの刺激が感じられます。「のぞき」はやったことないのですが。 「アンナと過ごした4日間」は、来月6月にCSチャンネルで放映予定なので、観てみます。たぶん、萌え萌えしながら観てしまいそうな気がしますが。 こういう見方は間違ってますか! (*^ー゜)vPEACE!!! (2011.05.04 00:38:09)
こんばんは!
このての、しかもヨーロッパ映画はいいですね。 <覗く>のは立派な犯罪行為だけれど、純粋な主人公たちの本気の愛を描くために使われるなら、わたしにはありです。 ぶきっちょなレオンゆえ、物音たてたり、窓から落ちたり・・・(笑) ハラハラしつつ「ガンバレ レオン!」な気持ちになること必至です。 萌えるより、手を差し伸べたくなってしまうかも? 感想が楽しみです。 (2011.05.05 00:07:36)
こんにちは。暑くなってきました。
「アンナと過ごした4日間」鑑賞しました。こういう作品でしたか。「レオン、ガンバレ」という感じではありませんでしたが、久しぶりにグッと見入った作品です。 感想upしましたので、お暇なときに遊びにいらして下さいませ~♪ (*^ー゜)vPEACE!!! (2011.06.23 16:55:29)
こんにちは。こぶさたしております。
そちらは暑いでしょうねー 北海道は過ごしやすい気温が続いていますよ。 >「アンナと過ごした4日間」 >久しぶりにグッと見入った作品です。 そうでしたかー^^ よかったw わたしもこういう作品好きなのです。 いまから感想見に行きます。 (2011.06.25 17:22:06) |