行きかふ人も又

2011/07/26(火)22:51

【バッドムービー】 1997年 ソウル、出口の見えない掃き溜め

韓国映画(9)

 韓国・ソウルを舞台に、ストリートで生きる無軌道な若者とホームレスの姿を活写した問題作。参加型、実験的。そんな作品は参加したいと思えなければ、往々にして楽しめない。わたしは早々に投げ出したくなったけれど、その先のなにかを期待して、とりあえずエンディングまで観た。でもなにもない、カタルシスもない。ストリートの若者たちが創作した短い物語を、ドキュメンタリータッチで映像にした異色作。創作アニメーションなんかも使い、やや変化はあるけれどイライラが募った。演じているのはストリートの若者たちと本物のホームレス。ノンフィクションに近いぶんだけ、嫌悪と不快の度が増す。不毛な時間がただただ過ぎていく・・・そんなどんな意味も見つけられないような長い2時間だった。ここに出てくる韓国の風俗はヒドイ。 韓流ブーム熱に浮かされた人には、見たくもないような姿なんだろうな。撮影から10年経って、ずいぶん変わっていても、この不健康でアンニュイな日常は、掃き溜めで蠢く見たくないものそのもののようでつらかった。日本と違うのは、暴力がある風景かと、ふと思う。血の気の多い国民性が垣間みえるそんな作品でもある。男が女を殴るシーンなんて見たくもない。出演する若者たちのニックネ―ムは、以下。美女、鳥頭、プリンス、血便男・・・・なんかみんな・・・悲しくなるようなネーミング。  監督/ チャン・ソヌ出演/ コン・ヒョクシン  チャン・ナムギョン(カラー/116min)  

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