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ベルギー発、陰惨な異色ホラー2本立て。
DVDに特典映像として収録されていた『A WONDERFUL LOVE』は、ヴェルツ監督のデビュー作。 どちらも面白かった。 『変態村』をはじめユーロ・スリラーが4作品ほど入ったDVDボックス『変態箱』が、ちょっと気になる。 【変態村】 イベントやお祝いの席で歌い生計を立てているキャバレー・シンガーのマイクが、突如として怪しすぎる村人たちの餌食となっていく恐怖を描く。 巡業先の老人施設で一仕事終えたマイクは、移動中、バンの故障で立ち往生してしまう。 近くの古びたペンションに身を寄せたのだったが、初老のオーナー、バルテルの様子はどうもヘンだ、、、。 徐々に狂気を露わにするバルテルは、自分を捨てて出ていった妻とマルクを混同し始めていて、まず車を破壊して逃げ足を絶つと、彼を半殺しにして虜にする。 絶体絶命のマルクの運命は・・・・異常な村全体によって、さらに絶望へと突き進む――。 いい意味で、まともな要素は欠片もない。マイクの絶妙にヘンテコな歌を皮切りに、いかれた世界にまっしぐら。悪夢のような出来事が諸手を広げて待っている。 痛々しい血みどろホラーではなく、とことんキチガイじみたすべてのシーンに、ちょっとした滑稽やキッチュさのあるホラー。ユーロ・ホラーの表現は独特で好き。 昏倒したマイクは、すっかり妻の身代わりに女装させられてしまうし、村人は豚と交合するし、たしかにエゲツナイ場面もあるけれど、絶妙なラインで憎めない稀有な作品となっている。 ピアノの即興曲で村人たちが踊るダンスなんか、最高にシュールだ。 監督 ファブリス・ドゥ・ヴェルツ 脚本 ファブリス・ドゥ・ヴェルツ ロマン・プロタ 音楽 ヴァンサン・カエイ 出演 ローラン・リュカ ジャッキー・ベロワイエ フィリップ・ナオン (カラー/94min/ベルギー=フランス=ルクセンブルク) 【A WONDERFUL LOVE】 ファブリス・ドゥ・ヴェルツ監督衝撃のデビュー作。 内容は『変態村』の原型を感じさせる、見るからにネクラな中年女が、自分のバースデイ・パーティに若い歌手を自宅に招き、そのまま殺して恋人ごっこを続ける・・・・という超陰惨なホラー。 この女優さんがまた、もろにイッてしまっておられて、もうリアルすぎる狂った世界よ。 自分でもどうかと思うけれど『変態村』より好きだった。 とにかくどのシーンも画がインパクトあって、登場人物みんなヘン。女に恋している肉屋の青年とか、丸ごとソテーされた牛タンとか・・・・ヤバくてグロイんだけれどおもしろい。 (21min) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.10.09 22:31:56
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