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ドイツ映画

2011.09.17
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カテゴリ:ドイツ映画

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 第二次世界大戦中、ナチスによって行われた、英米経済の混乱を企図する贋札作り"ベルンハルト作戦"を描く。
作戦の裏に、偽造を強制されたユダヤ人技術者の真実のドラマがあって、偽造に従事していた生存者アドルフ・ブルガーの自伝が元ネタとなっている。
ザクセンハウゼン強制収容所で行われていた驚きの史実を、わたしはこれまで知らなかった。


 世界的贋作師サリー(マルコヴィクス)は、強制収容所にありながら破格の待遇をうけていた。彼だけではなく、贋札作りに従事するユダヤ系技術者たちはみな、家族と引き離されてよりマシな環境に生きていた。
罪悪感に押しつぶされそうになりながら、彼らはナチス・ドイツの悪行に荷担する形で、贋札の偽造に励む。追い詰められていく技術者たちの苦しみを描いていく。

物語は主人公のサリーが回想する場面から始まっている。カジノで豪遊する彼の脳裏に、強制収容所での日々の情景が浮かんでくる。それは後ろ暗い過去と死を覚悟した過酷な思い出だった――。


命令に逆らえば、いつ殺されてもおかしくない状況下。そうだとしても、家族や同胞たちはもっと死に瀕している。ぎりぎりのところ。
ナチスの言いなりになることを拒んだレジスタンスの印刷技師ブルガー(ディール)は、ひとりサボタージュすることを選ぶのだが、完成を極限まで遅らせる命懸けの行為は、直接仲間の命を危険に晒して、彼らの反撥までかってしまうのだった。

その中で、主人公サリーはマジメでも狡猾でもない、ただその場をどうにかして生き抜こうとしている、奇妙な男だった。
馬面で鼻が左に曲がっていて、ひと癖ある俳優カール・マルコヴィクスの、おどおどとした演技が大げさに思える場面もあったけれど、すごい存在感だ。ブルガー役のアウグスト・ディールもいい味を出している。 
時に浅ましくても、極限状況に置かれては、サリーの振る舞いを誰にも責められない。ともすれば立派だったのかもしれない身の置き方。ブルガーはじめ、幾人もの命を助けたことは事実なのだ。
けれども、突如戦争が終結して、ナチスが逃げ去ったあと・・・・贋札工場は天国のようであったし、卑怯であったと罵られておかしくない立場にあることを痛感させられてしまう。。
ボロに身を包んだ瀕死の同胞たちを前に、技術者たちがなにを想うのか・・・死を恐れず抵抗したブルガーが涙を流してなにを想うのか・・・その時自分がどんな人間であったか・・・胸が痛む結末となっている。


おなじ年に製作された『わが教え子、ヒトラー』と違って、ずっとシリアスな作品だった。どちらかといえば、ホロコーストものを問わず史実を描いた真摯な作品は、ユーモアを交えてあるほうが好きだ。観る側はとっかかりやすいし、存外ちゃんと胸に迫ってくる。
しっかり目を見開いて観たいドキュメンタリーもあって、たとえば『SHOAH ショア』がそうなのだけれど、いつ見られるだろう。『夜と霧』もドキュメのなかでもとてもよかった。


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   監督・脚本  ステファン・ルツォヴィツキー
   原作  アドルフ・ブルガー 『ヒトラーの贋札 悪魔の工房』  
   音楽  マリウス・ルーランド
   出演  カール・マルコヴィクス  アウグスト・ディール  デーヴィト・シュトリーゾフ

   (カラー/96min/DIE FALSCHER/ドイツ=オーストリア合作)







Last updated  2011.09.19 17:26:21
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2011.04.26
カテゴリ:ドイツ映画
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 1944年12月、ナチス・ドイツは劣勢に陥っていた。宣伝相ゲッベルスは、新年に
ヒトラーによる演説を大々的に行い、映画に仕上げて起死回生を図ることを思いつく。
しかし、ヒトラーは自信喪失してスピーチどころではなかった。そこでゲッベルスは、
わずか5日間でヒトラーを再生させるという大役を、世界的俳優アドルフ・グリュンバ
ウム教授に託すことに。すぐさま強制収容所からグリュンバウム教授が移送されて
くるのだが・・・。

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シニカル万歳。深刻な歴史を、ユーモアで伝えるドイツ映画はやはりシューール。
邦画も、こんな風に楽しめる反戦映画を作ればいいのに。こんな滑稽でばかげた時代、
二度と繰り返したくはないと真剣に思うから。

しつこいほど繰り返される「ハイル!」の敬礼。ヒトラーに課される、恥ずかしい特訓の
数々。教授に心からの信頼を寄せ、頼りきる必死のヒトラーを見ていると、無様で情け
なくて、悲しくなってくる。フィクションとはいえ、ひとりの人間の弱さをしみじみ感じてし
まう。
教授の命がけの数日とともに、超人間味溢れるシニカル一色の物語は、けして幸せな
結末ではないが、語り口の軽妙さとケレン味が、いいカンジの後味を残してくれる。


本編で教授を演じたのは『善き人のためのソナタ』のウルリッヒ・ミューエ。
この味わいある俳優さんは、2007年7月に胃癌でこの世を去っていて、本作が遺作。
死の恐怖、葛藤、同情・・・様々な感情をユーモア交えて演じきったウルリッヒ・ミュー
エの最期の演技。『善き人のためのソナタ』ほど有名な作品ではないけれど、ほんとうに、
見てよかったと思う。



†   †   †

監督・脚本/ ダニー・レヴィ
音楽/ ニキ・ライザー 
出演/ ウルリッヒ・ミューエ  ヘルゲ・シュナイダー  シルヴェスター・グロート 
(カラー/95min)







Last updated  2011.09.18 17:16:43
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2011.02.13
カテゴリ:ドイツ映画

 別館ブログにアップした『メトロポロリス』ですが、『死ぬまでに観たい映画1001本』に選ばれていることもあって、こちらにも。
すこしだけ、追記して。
 
 映画史初のSF大作で、空想科学の世界を見事なセットと特撮で表現した、サイレント時代の金字塔。
2026年の未来社会、人間は、地上の楽園で暮らす支配者層と、地下の工場で働く労働者層にわかれていた。そんななか、労働者の娘マリア(B・ヘルム)の希望ある演説はみんなの心の支えだった。
地下に降りて労働者たちの現状を目の当たりにした、社長の息子フレーダ(グスタフ・フレーリッヒ)は、彼女とすぐに愛しあうようになる。
そこに社長と科学者が、マリアの顔を持つ人造人間を送り込み、ストライキの抑制を図ろうとするのだが・・・。ロボットは造反を起こし、労働者たちのストライキが扇動されて、地下工場は大パニックに陥ってしまう――。


 ドイツ表現主義の作品といっていいのだろうか。
カリガリ博士』ほどの、ねじ曲がった歪な不気味さはないものの、20年代製作とは思えないほど、スケール大きな近未来の悪夢が壮大に描かれていた。
労働者の娘マリアと、ロボットを二役で演じたB・ヘルムの演技たるや、見事というしかない。怖ろしい形相で皆を扇動する、彼女のギャップが一番おそろしい。
そして、地下工場の造形がまたすごいのだ。チャップリンの『モダン・タイムス』(1936)はここからインスピレーションを得たのかもしれないよ。そんな大がかりなセットと、機械にコキ使われる人間の非力さや虚しさが、いっぱいに表現されていた。

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心優しい御曹司とマリアの恋は、定石どおりに実るハッピーエンド。物語ぜんたいも協調という形で、案外かんたんに収束はするが、文明社会にたいする警鐘は、いまなお褪せることなく、観る者を不安感に陥れる。すごい映画だった。

フリッツ・ラング監督が同名で90分の作品に作りなおした1984年製作『メトロポリス』も、いつか観てみたい。 彩色されて、現代的音楽がつけ加えられた復刻版というのだから、そそられないわけがない。

ちなみに、人造人間マリアのダンスはある意味で特筆事項か。まるで古代エジプトの宴のダンサーなのだった。裸に近い出で立ちで、腰をくねくね踊るなんて、とても20年代とは思えない。しかも豪遊の場は“ヨシワラ”。日本の遊郭は、どれだけ諸外国で有名だったのだろう。


†   †   †


監督/ フリッツ・ラング
製作/ エリッヒ・ポマー
脚本/ テア・フォン・ハルボウ  フリッツ・ラング
音楽/ ゴットフリート・フッペルツ
出演/ アルフレート・アーベル  ブリギッテ・ヘルム  グスタフ・フレーリッヒ

(モノクロ/104分)






Last updated  2011.02.14 22:04:50
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2011.02.11
カテゴリ:ドイツ映画

 類いまれなピアノの才能を持ちながら、殺人犯として収監され、刑務所の中でも手のつけられない問題児となったジェニー。彼女の才能に惚れ込み、残り少ない人生を懸ける老教師トラウデ、2人の魂のぶつかり合いを衝撃的に描く――。


 ジェニーだけでなく、トラウデに芸術を学ぶ看守と、トラウデ自身、三つの人生が変わっていく。 
ナチスの台頭する時代、軍事病院だったこの場所で、看護婦として働いていたトラウデ。当時の辛い過去を綴る回想シーンを縦糸に、それぞれの現在進行形の苦しみが力強く描かれていた。

「音楽しか愛せない」そう話すトラウデには、隠したい秘密がある。それは彼女が同性愛者であるという事実。
受刑者となったジェニーにも、辛すぎる過去があり、それぞれに背負った苦しみから解放されるには、問題に真向からぶつかることが、なにより必要のようだった。
年齢の差こそあれ、ふたりに共通する音楽ピアノの才能。言葉以上に雄弁に心を語るのに、芸術は頼れる媒体となっていく。

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激しく痛む傷に塩をもみこみ、相手の為より目的のためだったとしても、狡猾さを隠さない。血の出るほど過酷で真剣なぶつかり合いを繰り返していても、結局はお互いそれによって相手を救っている。
同性愛者であるトラウデに、ジェニーに対する特別な感情が芽生えたかどうかは、最後までわからなかった。

ふたりに起こった過去はツライ。でも、長く孤独に生きてきたトラウデは言う。
「才能を持って生まれた者の使命は?」と。彼女の使命は、自国の悲劇的な時代を生き抜くことだった。使命をまっとうする=普遍的なテーマ性がある。


平凡なわたしには、看守の変化が、もっとも身近だった。凶暴なジェニーに半死半生の怪我を負わされてから、温厚に見えたはずの彼は、殺したいほど彼女を憎んでしまう。そんな自分の感情と向き合い、トラウデの真摯な姿に触れて、少しずつジェニーを赦していった看守の、人間としての成長が、暗い物語にほのかな光を添えてくれる。

 如才ない作品とまでは言えないけれど、落ち着いた見事な小品だった。
全編に流れる様々なピアノ曲と、ジェニーの壮絶な演奏シーンはなるほど圧巻。あんな弾き方には、賛否両論あるかもしれないが、生き様の表れた魂を感じる名場面だと手放しで心奪われた。


†   †   †


監督・脚本/ クリス・クラウス
撮影/ ユーディット・カウフマン
音楽/ アネッテ・フォックス
出演/ モニカ・ブライブトロイ  ハンナー・ヘルツシュプルング  スヴェン・ピッピッヒ

(カラー/115分)






Last updated  2011.02.11 18:06:58
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2010.10.21
カテゴリ:ドイツ映画

 隅から隅まで、清らかな美しさで満ちていて、心が洗われるとはこういうことをいうのでしょう。
かの有名なウェルナー作曲の表題曲『野ばら』、シューベルトの『アヴェ・マリア』、モーツァルトの名曲を、少年合唱団の美しい歌声が高らかに歌い上げる音楽映画。
『野ばら』の原詩は、もともとゲーテによるものだそうで、その歌詞のやんごとない清らかさに背筋までピンとするようです。

 ハンガリー動乱を逃れオーストリアに辿りついた孤児トニーは、収容所行きのバスに乗り遅れて困っているところを、ドナウ河の船長だったというブリュメル老人に救けられ、意気投合したふたりは、一緒に暮らすようになります。
ある日、礼拝にでかけた教会で、ウィーン少年合唱団の讃美歌に心奪われたトニーは、合唱団入りを夢見るようになるのでした。彼に音楽の才能があることを知ったブリュメル老人は、少年の幸福のために、彼を合唱団に入れる決心をします。

トニーの未来を想い、別れを選ぶブリュメル老人をはじめ、両親のいないトニーを母親のように愛してくれる寮母マリアさんなど、みんながみんな善良で心根のやさしさが温かい。合唱団長、音楽の先生にいたるまで、いい人ばかりです。安心しきってこころを委ねられる。
少年合唱団の歌声がお好きな方はきっと多いはず。そちらの側面も楽しめる一方で、トニーの成長記、マリアさんやブリュメル老人との絆物語としても、十分見ごたえある佳作。

後半、舞台はチロルの山荘に移されます。主旋律を射止めたトニーに嫉妬する仲間が現れたり、窃盗事件が起こったり、、、順風だった前半から、にわかに波瀾が続くのだけれど、純粋な心根の人々が繰り広げる物語に、サッド・エンドなんてありえない。
とにかく、後半のチロル、アルペンの風景が爽やかで、ほのぼのと微笑ましく、歌声もハートも映像も美しいのだから文句のつけどころなし。
当時、西ドイツは、2年前に主権を完全に復活させたばかりだった。まさに平和な時代に生まれた映画という感じがする。



†   †   †


監督/ マックス・ノイフェルト
脚本/ マックス・ノイフェルト  カール・ライター
音楽/ ハインツ・ノイブラント
出演/ ミヒャエル・アンデ  パウル・ヘルビガー  エリノア・イェンセン

(カラー/西ドイツ/95分/DER SCHONSTE TAG MEINES LEBENS)








Last updated  2010.10.24 09:22:41
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2010.06.01
カテゴリ:ドイツ映画

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 ドイツ映画にも、こんなに陽気で楽しげな時代があったのね。
カリガリ博士』(1919年)の表現主義から一転、トーキー初期の、ハリウッドのような華やかさ。
スラップスティックで描く、オペレッタ風の賑やかな歌と踊りに、ベタベタな恋愛劇さえ微笑ましい。

劇中の音楽では、馬車の上で唄われる『ただ一度だけ』が屈指の名場面として有名なのだそうだが、酒場のシーンでつかわれた『 Wien und der Wein 』のほうが、私的にはとっても好みだった。
いつかどこかで耳にしたメロディは、一緒になって陽気に踊りだしたくなるような名曲。

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メッテルニヒが繰り返す盗み聴きだったり、アレクサンドル1世の影武者が、空き時間にはじめる趣味の刺繍だったり・・・・・・いちいちおかしめるシーンが盛りだくさん。
黒澤明の『影武者』でも思ったけれど、影ゆえの苦労もさることながら、意外と大事にされつつ、美味しい蜜をちゃっかり吸っている(笑)その存在自体がおもしろい。
実際の歴史上には、たくさんの影たちが活躍していたのだろうなぁ。

狡猾かつ偽善的であった(?)という、アレクサンドル1世。その気まぐれに本気になってしまう下町の娘(リリアン)。彼女に恋する侍従の青年。三つ巴の恋愛模様が、ラストでは儚く終わりを告げ、お祭り後の物悲しさ。“ 傑作 ”という言葉がうなずける後味の良さだった。

『死ぬまでに観たい映画1001本』に選ばれているかなーと思ったが、意外にもリスト入りはしていなかったよ。


1814年、メッテルニヒの策略で、「会議は踊る・・・」といわれたウィーン会議を背景に、ロシアのアレクサンドル1世が、替え玉を使い、公務と下町の娘との恋を掛け持ちする様を軽快に描く――――。(あらすじ)


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監督/ エリック・シャレル
脚本/ ノルベルト・ファルク
出演/ ヴィリー・フリッチ  リリアン・ハーヴェイ  コンラート・ファイト

(モノクロ/84分)







Last updated  2010.06.03 16:52:04
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2009.10.18
カテゴリ:ドイツ映画

 日曜まで、札幌では短編映画祭が開催されていました。
5日間の日程のうち、どれかひとつのプログラムでも足を運ぼうと、疲れた体をおして、夜の『ドイツショート』を観てきました。シアターキノにて。

『ドイツショート』の概要は――

 2000年~2007年に制作されたドイツ短編アニメーション映画から、ドレスデン短編・アニメーション映画祭のディレクター、ロビン・マリックさんの協力によって選出された作品を上映。
素描画や3Dコンピューター・アニメーション、フィギュアなど、様々な技法を用いた作品多数。



 夜10時からの上映は、終電間近に終了しました。
休日だったとはいえ、眠気誘う時刻。おもしろくないものはツライ・・・。
10本ほどの短編のうち、後半の作品は目もしょぼしょぼで、ようやっと起きていた次第です。

タイトルをはじめ、一作ずつの詳しい情報がないから、監督の名前さえお伝えできないのが残念。
楽しかったのは、こんな感じ。
一作目の人形アニメーション(仮に『カーニバル』)、素描画の『線を引く』、ゴヤの版画をコラージュした『GOYA』。

一作目の人形アニメは、ドイツ表現主義へのオマージュかというほど、奇妙で陰鬱な世界観がありました。古典の名作『カリガリ博士』に類似したシーンがたくさんです。人形の顔がホラーばりに怖いのは、かなりツボ。
最後のオチまで、とにかくおもしろい作品でした。

『線を引く』は、簡単な素描画で描かれるブラックな内容のアニメーション。
シンプルなモノトーンの画面に、主人公はとにかく赤い線を引きます。パンを切るにも、カップに珈琲を注ぐにも、風呂にお湯を入れるにも、なにもかも。絶対目安となる赤い線に沿って、型にはまった毎日を同じように繰り返すうち、仕舞には自分の首にまで赤い線を引いてしまい、、、チョンパ!という(笑)  ヒジョーにブラックで、シンプルながら見応えのある作品でした。

そして、一番気に入った『GOYA』。
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あまりよく知らない、スペインのこの画家のこと、すごく知りたくさせた、とびきりシュールな短編。
画像は、コラージュに使われていた版画作品を、ただ引っぱってきただけで、実際は、嫌悪に溢れた画像を繋ぎ合せて、一本の悪夢のようなフィルムに仕上げています。
いつかゴヤの作品展を観る機会があったら、ぜひ足を運ぼうと思います。

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―――こんなところでしょうか。だって、他の作品はもう覚えてない、、。
ちなみに、一番上の画像は、終わりごろの短編。コマ撮りの人形アニメーションで、これもまたブラックな作品でした。タイトルはなんだったかしらん。
シュヴァンクマイエル作品のグロさを50倍に薄めた、そんな印象。木でできたニセモノの赤ん坊が『オテサーネク』のようでもありました。




 ここからは、すこし日常噺。
張り切って一週間いきましょーと思っていた矢先、小さい家人が学年閉鎖です。
ただでさえ休みの多い最近は、もっと働いてもいいくらいなのに、自宅待機かよー。
職場のみなさんにわがまま言って、お休みをもらいました。シクシク
ヒッキーでグロッキーな一週間になること必至、、。嗚呼、嗚呼(嗚咽)

気分を変えて、楽しい映画のお話。
今月から来月にかけて、狸小路シアターキノのラインナップはすごいです。

名匠エルマンノ・オルミ『ポー川のひかり』
大好きなキェシロフスキの初期作品『地下道』『初恋』『スタッフ』『平穏』『スティル・アライブ』『短い労働の日』
チェコの懐かし人気アニメーション『屋根裏のポムネンカ』
他にも『幸せはシャンソニア劇場から』『バオバブの記憶』『湖のほとりで』
などなど    

このなかから吟味して、できる限り劇場で観れたらと思います。
キェシロフスキ作品は、夜のみの上映。それでも、初めて劇場で観るチャンスだから逃したくない。みなさんなら、どれを観ます? いまからワクワクしています。








Last updated  2009.10.20 09:34:44
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2009.05.28
カテゴリ:ドイツ映画
 
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カナダのピアニストであり作曲家であったグレン・グールド Glenn Herbert Gould(1932~1982)、27歳の時のドキュメ。

その変わった人物像と芸術性、特徴的な演奏スタイルは伝説となって、いまも新しいファンが増えているという。映像の中の27歳のグールドは人の気を逸らさない好青年だった。
聴くと古風な印象を受けるのは、大半がバロック音楽だからなのかも。

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これといって苦労をしたとは思えないのに、晩年の写真はとても老けこんでしまい、50歳の若さで逝去。ここには27歳のグールドしかいなかったけれど、後年の姿にはほんとうに驚いてしまう。
演奏者と聴衆の平等、完璧主義な性格――演奏会を嫌い舞台から早々に身を引いたというグールド。個人的にはとても好きでした。


製作・監督  ロマン・クロイター  ウルフ・ケニッグ
撮影  ウルフ・ケニッグ
出演・音楽  グレン・グールド

(モノクロ/58分)







Last updated  2012.02.12 19:32:07
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2009.02.18
カテゴリ:ドイツ映画

 1989年、ベルリンの壁崩壊直前の東ベルリン。アレックス(ブリュール)は建国40周年を祝う式典の夜、改革を求めるデモ行進に参加。その姿を目撃した愛国主義者の母クリスティアーネ(ザース)はショックで心臓発作を起こし、昏睡状態に陥ってしまう。
彼女が奇跡的に意識を取り戻したのは8カ月後。医者の忠告どおり、再度ショックを与えないため、アレックスは母を自宅に引き取って、東ドイツの体制がずっと続いているふりを装うのだった…。



 ドイツが西と東に分かれた理由さえよく知らないわたしでも、観終えた後は当時のことが少しはわかるようになっていた。知りたくもなっていた。
とても良質な評判のよい作品。

主人公アレックスの父親は、10年前、仕事で訪れた西側で愛人をつくりそのまま亡命してしまう。
以来、母親のクリスティアーネは女手一つで長男長女を育て上げ、時代に翻弄されるかたちで愛国主義者となっていく。
そんな母の、突然の心臓発作から8ヶ月――。ベルリンの壁は崩壊していた!
奇跡的に意識を取り戻した母親にショックを与えないため、家族ぐるみの偽生活が始まるのだった。
8mmカメラでウソのニュース番組を作ったり(これが面白い!)、瓶詰めの食料を東ドイツ御馴染みのパッケージに移し変えたり・・・・なにかと苦労は多い。
東ドイツがまだ元のままに存在していると信じ込ませるため、アレックスのちょっと変わった日々がはじまる。

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コミカルに勢いよく、統一前後の激動のドイツを舞台に、ひとつの家族の悲喜交々を描く。
新しいドイツの幕開けなのに、母の為に過ぎ去った東ドイツを再現し続けるアレックスの姿は滑稽。でも、なにか大きな愛を感じていとおしくなる。

ドイツの新鋭で、これが長編2作目というヴォルフガング・ベッカー監督の脚本がとてもいい。
当時の映像を交えた背景の確かさと、肩の凝らないコメディによって、ラストまで一気に展開していった。

人として魅力的な母も、なにかと行き過ぎのアレックスも、彼が恋する看護士ララも、十数年ぶりに再会する父親も、姉の再婚相手も、友達も、みんないい人たちばかりだから、微笑みながらとことんウソの生活を見守りたくなってしまう。
なだれ込んで来た西ドイツを享受しつつ、母の為に創り上げたアレックスの理想の架空国家は、果たして母を幸せにするのか―――。
母親がついていた大きなウソが一番のサプライズだ。




監督 /ヴォルフガング・ベッカー
製作 /シュテファン・アルント
脚本 /ヴォルフガング・ベッカー  ベルント・リヒテンベルグ
音楽 /ヤン・ティルセン
出演 /ダニエル・ブリュール  カトリーン・ザース  マリア・シモン  チュルパン・ハマートヴァ

(カラー/121分)







Last updated  2009.02.21 22:10:07
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2008.11.04
カテゴリ:ドイツ映画
 
 表現主義の代表作と評される、陰鬱で捻じ曲がった奇妙な古典の名作。 脚本を書いたのはチェコ出身の詩人ヤノヴィッツと、オーストラリア人の役者兼漫画家C・マイヤー。どちらか一人か、二人揃ってか、軍医だった一次大戦のとき、精神科医に嫌な思いをさせられたとか。それで精神科医を思い切り皮肉った脚本が出来上がったのだそうだ。
このままではまずいと後付けされた冒頭とエンディングのオチが、余計に不気味な後味を残す結果となった、面白い作品。


 北ドイツのとある町。フランシスは友人アランと共に、カーニバルで見世物小屋を出しているカリガリ博士の『眠り男ツェザーレの予言小屋』を覗く。アランがふざけて尋ねた自分の寿命に、「明日の朝」と答える眠り男。翌日・・・アランは本当に何者かに殺されて死ぬ。フランシスは殺人の謎を追うのだった―――。


1919年とは思えないほど良くできている。構成だって見事で、フランシスとアランが恋する女性をうまく登場させて、古典映画特有の緩慢さを感じず飽きない。怪しきカリガリの正体が分るラストは、何も知らないと本当にサプライズだ。
フランシスが犯人と睨んだカリガリの後をつけると、精神病院に辿り着き、院長室に乗り込むと・・・。
ここからはご覧になってからのお楽しみ。

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夢遊病者を使って実験を重ねた伝説のカリガリ博士。そのカリガリに成りきり事件を重ねていた男。
彼の異常な心理と行動は、今の時代でさえ通用する普遍のものだ。なにかに魅了され周りが見えなくなると人間は過ちを犯すことがある。現代に置き換えれば、研究に没頭するあまり、命を命と思わないで度の過ぎたクローン実験に夢中になる科学者なんかもいて、双方さして違いはないような気がする。

かなりダークなお話で1919年にすでにこの内容。精神医学の先駆国ドイツならではといえるのかもしれない。
すべて室内での撮影で、背景には湾曲した模様があちらこちらに描かれ、張りぼての建物は歪んでいる。不安を煽る、狂った奇妙な世界。カリガリ博士も、眠り男(ファイト)もとびきり不気味だ。
いたるところに病んだ精神の表現がされ、表現主義的なセットや工夫で溢れている。
カリガリ博士と後のヒトラーを結びつけて見たドイツ人もいたそうだけれど、それはまた別の話なのだそうだ。



監督  ロベルト・ウイーネ
製作  エリッヒ・ポマー
脚本  ハンス・ヤノヴィッツ  カール・マイヤー
出演  コンラート・ファイト  ヴェルナー・クラウス  リル・ダゴファー  フリードリッヒ・フェーヘル

(モノクロ/サイレント/67分)







Last updated  2008.11.05 18:53:13
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