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ソ連・ロシア映画

2011.12.25
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カテゴリ:ソ連・ロシア映画

 1905年は、先日完結したばかりのNHKドラマ、『坂の上の雲』で描かれていた日露戦争のただ中だ。
戦艦ポチョムキンは黒海艦隊だそうなのでバルチック艦隊とは別ものなのかもしれないけれど、時代背景がイコールで繋がらないのはなぜだろう。。製作年を考慮してもあんまりピンとこないのでした。

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無声映画の時代、モンタージュで構成された映像のほうは見ごたえ十分。 
劣悪な待遇に耐えきれずに反乱を起こす水兵たちと、彼らを支持する国民たちに向けられるコサック兵による一斉射撃の悲劇は、屈指の名場面として映画史に刻み込まれている。

階段を逃げ惑う群衆場面は、もうほんとうに圧巻。のちに『アンタッチャブル』で、階段を滑り落ちる乳母車のシーケンスに繋がっていったかと思うと、ちょっと感慨深い。映画ってほんとうにおもしろいですねー。

2011-12-25 14:36:54 photo-2.gif


ウジの湧いた肉、蜘蛛の子を散らすように逃げる人々、我が子を殺された母の悲痛な表情・・・・
時を経てなお新鮮な驚きがある、こちらも、死ぬまでに観たい映画1001本のなかの一作。

それにしても一番上の水兵さんがオカマちゃんに見えるのは、わたしだけか。真摯な作品とは思えないナイスなポスター。

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 監督・脚本  セルゲイ・M・エイゼンシュテイン
 原作  ニーナ=アガジャーノ・シュトコ
 撮影  エドゥアルド・ティッセ
 音楽  ウラディミール・クリュコフ
 出演  アレクサンドル・アントノーフ  グリゴリー・アレクサンドロフ  ウラジミール・バルスキー

 (66min)







Last updated  2011.12.28 22:24:36
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2011.05.14
カテゴリ:ソ連・ロシア映画
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 『太陽』が好きだった、アレクサンドル・ソクーロフ監督作。
こちらも、『死ぬまでに観たい映画1001本』に選ばれています。
世界遺産に認定されているエルミタージュ美術館を舞台に、90分ワンカット、編集なし、
本番一日という条件で撮影された異色のアート・ムービー。
 ソクーロフ監督は、気づくと19世紀のエルミタージュ美術館にいて、同じく迷い込んだ
フランス人外交官キュスティーヌ伯爵とともに、夢かうつつか、ロシアの歴史を巡る時間
旅行に出る――。

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綿密な打ち合わせが生んだ、90分ワンカットの豪華絢爛な幻想譚だった。
エルミタージュの内部と、19世紀の衣装セットが、極上の90分を演出してくれる。
回りっぱなしカメラを持った監督や、スタッフやキャストたちの様子がおのずと妄
想されて、この企画が動き出した意図というものがちょっと知りたくなってしまった。
そういえば、どこかのテレビ局と協賛してエルミタージュ展をしきりに宣伝していた
のは、このときだっけ、、?
ロシア映画に分類したけれど、ドイツと日本も製作に携わっています。
 
 エルミタージュ美術館については――映画冒頭より。
 フランス語で “ 隠者の庵 ” を意味するロシア文化の粋を集めた美術館。
 18世紀にエカテリーナ二世がサンクトペテルブルクに建立。離宮と冬宮からなる。

†   †   †

監督/ アレクサンドル・ソクーロフ
脚本/ アナトリー・ニキーフォロフ  アレクサンドル・ソクーロフ 
撮影/ ティルマン・ビュットナー 
音楽/ セルゲイ・イェチェンコ 
出演/ セルゲイ・ドレイデン  マリヤ・クズネツォーワ  レオニード・モズゴヴォイ 
(カラー/96min/ロシア=ドイツ=日本合作)







Last updated  2011.05.15 16:08:48
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2010.10.10
カテゴリ:ソ連・ロシア映画
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 一度見たら忘れられない、ソ連時代のSF作品を、数年ぶりに感傷、いや鑑賞。
 キン・ザ・ザ星雲にある惑星にワープした技師と学生が、奇妙な宇宙人たちと出会い、騙し合いと悪戦苦闘の数々が繰り広げられる。
1986年製作だから、けっして古くないのに、巷に溢れているSF映画とは一線を画す絶品シュールなおバカ映画。合言葉は 「クー!」 

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とあるきっかけで、キン・ザ・ザ星雲へワープしてしまったふたりの男。この惑星では、差別や賄賂が横行し、富める卑劣漢たちが大手を振って暮らしている。
戸惑う彼らに、更なる服従の徴、屈辱の「クー」鼻輪が課せられるが・・・果たして無事に認識番号を手に入れて、“地球”へ生還することができるのか!?

見渡すかぎり乾いた砂で覆われた砂漠の惑星で、ふたりがはじめて遭遇する飛行物体に、早々から、ハートを撃ち抜かれてしまうこと必至。
降りてきたのは、異星人のウエフとパッツ人で、とにかくここから、ノンストップのシュールでゆる~い世界が繰り広げられていく。

この惑星では、なんとマッチが貴重品。マッチ欲しさに協力するパッツ人らと共に、可笑しなおかしな道行がはじまる。

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伝説のおバカSF映画とはいえ、どうしてこれが、シニカルな要素を含んでいるので侮れない。横行するエゴと差別のなか、地球人たちのちょっとした優しさや郷愁に、なにげにホロっときてしまう。

異星の雰囲気を醸しだす、奇天烈なセットの数々がステキ。ショボくとも味わい深い、手作り感たっぷりな造形美。それらが絶妙な音楽とリズムに絡んで、なんともいえない小気味よさを演出している。怪作ちゅうの快作。
帰還する金を稼ぐため、興行して歩く彼らが歌うペーソス溢れる曲は、また暫く脳裏から離れそうにありません。

ズンチャン、ズンチャン。クー! ♪ マーマー、マーマー、どうしようー


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監督/ ゲオルギー・ダネリア
脚本/ レヴァス・カブリアゼ  ゲオルギー・ダネリア
撮影/ パーヴェル・レーベシェフ
音楽/ ギア・カンチュリ
出演/ スタニスラフ・リュブシン  エフゲニー・レオーノフ

(カラー/134分/KIN-DZA-DZA)







Last updated  2010.10.11 19:51:20
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2010.06.22
カテゴリ:ソ連・ロシア映画

 今世紀初頭、極東ウスリーの地誌調査をする部隊の隊長アルセーニエフ(サローミン)率いる探検隊は、道案内に老猟師デルス・ウザーラを雇う。苦難のなか、アルセーニエフは自然と同化して生きるウザーラに強い共感を覚えていくが―――――。


 隊長アルセーニエフが、ウザーラを弔うため極東の地を再訪する場面から、物語ははじまる。
威厳ある自然の脅威と美しさが、二人の出会いと別れを引きたてる。なにかと考えさせられる物語だった。
ウザーラが知る、自然のなかで生きる術がすばらしい。それ以上に、彼の人柄と愛着わく存在感が、本編の一番の魅力となっている。

アルセーニエフの一行は、幾度もウザーラの知恵と知識によって救われることになるのだった。
しかし、そんなウザーラでも老いには勝てず。今度はアルセーニエフの計らいで都会で安泰に暮らすようになるのだったが・・・・・。

自然の厳しさのなかで生きるのは難しい。
それと同様にして、田舎暮らしに慣れた老人が、都会で生きるのは難しい。順応できない。
なんともやるせない、現代社会にも当てはまる、切実な問いかけがあった。

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若いころの鋭さがなく、冗長気味なのが玉に瑕。苦労の連続だったろう映像にも、それほど迫力とパワーを感じない。
ただ、物語が言わんとすることの核は、とても学ぶところが多かった。
人間も自然の一部であるという感覚は、常に忘れないでいたいものだ。

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 黒澤監督にとっては初となる海外作品。
この頃、日本国内でも興行成績が落ち込んで、窮地に立たされていたという世界の黒澤は、厳寒のソ連で長年温めていたこの映画を撮りあげた。



監督/ 黒澤明
原作/ ウラジミール・アルセーニェフ
脚本/ 黒澤明  ユーリー・ナギービン
音楽/ イサーク・シュワルツ
出演/ ユーリー・サローミン  マクシム・ムンズク  スベトラーナ・ダニエルチェンコ

(カラー/161分/ソ連製作)








Last updated  2010.06.24 23:06:31
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2009.10.10
カテゴリ:ソ連・ロシア映画

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 『十二人の怒れる男』は、57年製作の法廷映画の金字塔。室内劇としても秀逸でした。その大いなる名作をオマージュして作られた作品は数あれど、ここまでオリジナルに忠実なリメイクは、半世紀経てたぶんはじめてです。

 (あらすじ) あるチェチェンの少年が、養父であるロシア軍将校を殺害した罪に問われ、終身刑を求刑される。3日間の審理も終わり、残すは12人の陪審員による評決を待つばかりだ。
いくつもの状況証拠から、有罪は誰の目にも明らかと思われた・・・。しかし11人が有罪に手を挙げる中、ただひとり無罪に1票を投じる陪審員が現れる―――。

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2時間を超す本編、ほぼ元ネタ通りの展開で安心して楽しめました。
サスペンスの度合いも、エンタテイメント性も増して、見応え十分。現代ロシアの社会問題に触れた内容は、オリジナルに比べても遜色ありません。
なんといっても、キャラがさらに立っている!
12番までの陪審員、それぞれの個性がはっきりしていて、そこは尺を伸ばしただけある。一人ひとり見せ場があったりするのは、あまりにも出来過ぎで、しつこい演出かもしれませんが、着実に無罪票が増えていく白熱した展開は、わかっていても目を逸らせません。

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少年は無罪では・・・?
そんな疑心が、殺人現場を再現し、証言を再考するうちに、物理的な矛盾を浮かび上がらせていく―――。たったひとりの意見が、はじめは思いもしない結末を引き寄せる。面白いお話です。
オリジナルの良さに唸るばかり。
1957年製作、シドニー・ルメット版を再見したくなる人も多いはず。

いまでこそ、他人事ではなくなった陪審員制度ですが、東京サンシャインボーイズ(三谷幸喜主宰)の舞台は、そう考えると、ずいぶん時代を先取りしていたんですね。
舞台を同名タイトルで映画化した『12人の優しい日本人』は、監督こそ三谷さんではありませんが、おもしろかったです。
極私的には、若かりし豊川悦司がツボ。



●  ●  ●  ●



監督/ ニキータ・ミハルコフ
製作/ ニキータ・ミハルコフ  レオニド・ヴェレシュチャギン
脚本  ニキータ・ミハルコフ  ヴラディミル・モイセイェンコ  アレクサンドル・ノヴォトツキイ=ヴラソフ
撮影/ ヴラディスラフ・オペリヤンツ
音楽/ エドゥアルド・アルテミエフ
出演/ セルゲイ・マコヴェツキー  ニキータ・ミハルコフ  セルゲイ・ガルマッシュ  ヴァレンティン・ガフト

(カラー/160分)







Last updated  2009.10.14 23:41:04
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2009.05.18
カテゴリ:ソ連・ロシア映画


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 タルコフスキー監督の長篇第1作。
ドイツの侵攻を受けた村で肉親を亡くし、斥候となった少年の運命を描く―――。

少年は村で凄惨な光景を目の当たりにしたに違いありません。両親は殺され、心に深い傷を負っていることは、明らか。
そんな彼が、あえて学校へ行くことを拒否して、大人に交じって戦いに出る思いが、痛いほど伝わってきました。

戦争映画ですが、戦闘シーンや残酷な場面は、あえて描かれません。
あるのは、親代わりの大人たちに囲まれた少年の、斥候としての立派な姿だけ。
しかし大人たちは、子どもは学校へ行くべきだと言いきかせ、彼のことを思うがゆえに任務から外し、戦場を追わせるのです―――。

戦争によって負った心の傷を、命がけで戦うことでしか癒せなかった、少年の思い。
精神力も自立心も勇敢さも、感動的だったけれど、あまりに悲しい性と思えて仕方ありませんでした。
骨と皮だけの細い体で、必死になって戦っている姿は、大人以上に凛々しくて立派なのが、なお更に悲しい。
抵抗空しく、戦場を後にした彼の運命は、しかし明るいものではないという皮肉
戦争の虚しさを、無駄のない人間模様で描いた素晴らしい作品でした。


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血なまぐさい描写は避け、タルコフスキー監督らしい幻想的なイメージが、巧みに挿入されているのがいい。
指揮官たちの人間模様・恋愛模様もさりげなく盛り込まれ、やはりのイメージが強く、画面は生命力に溢れていました。


勝手な主観ですが、大好きなA・ワイダ監督を思い出しました。
無論、こちらはソ連映画らしく、ワイダ作品はポーランドで、お互いの国のカラーは強く出ているのですが、同じ戦争の描き方という面では、あえて血みどろにしない幻想的なに描かれ方が似ているようで。
後のワイダの名作『コルチャック先生』で感じた、救いのなさを、ラストのファンタジックな幕切れに、再び感じました。見事な演出。



●  ●  ●  ● 



監督  アンドレイ・タルコフスキー
脚本  ウラジミール・ボゴモーロフ  ミハイル・パパワ
音楽  ヴァチェスラフ・オフチンニコフ
出演  コーリャ・ブルリャーエフ  ワレンティン・ズブコフ  E・ジャリコフ

(モノクロ/94分/ソ連)









Last updated  2009.05.20 17:12:02
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2008.11.16
カテゴリ:ソ連・ロシア映画

 壮絶な作品でした。
ロシアの陰鬱な雰囲気のなかで、12年ぶりに突然帰ってきた父親と息子たちが再会して起こる、衝撃の物語。
12年ぶりというのだから、兄弟は中学生くらいでしょう。大人になりかけの兄アンドレイと、まだ幼さの残る弟イワン。ふたりの父親に対する態度はまったく違います。
12年間何をしていたか語らない父親でしたが、それでも、初めて接する父性に戸惑いつつ喜びを感じているのは確かなようでした。

帰ってきた翌日、母親の提案で父は息子たちを小旅行へと連れ出します。
車に大きな荷物と釣竿を積んで、何が起こるのかわからないままに、一緒にいるのが、本当に父親だという確証もないまま、旅は始まります。兄弟たちの探るような態度が印象に残りました。
突然触れた父親というものの、あまりの武骨さに戸惑いながら、その横暴さに怯えて困惑するふたり。兄は従順さを装えても、幼い弟イワンはイラつきを隠さず、幾度も幾度も衝突が起こるのでした。

観る側にさえ、この父親という人が、いったい今まで何処で何をしていたのか知らされません。心の中でなにを考えているのか、わからない。
必然的に、感情移入するのは兄弟たちにで、この得体の知れない男の横暴に耐えている彼らを、ただハラハラと見守るしかありません。
腹がたてば置き去りにし、空腹を我慢させ、笑顔のひとつもこぼさない父親・・・。
突然ボートで島に渡ると言った時は、これから先がどうなるのか、緊張でいっぱいになりました。 まさか殺されるのでは?!と思って。

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辿り着いた無人島。父親は命令を下すだけです。支配者のように。息子たちと離れていた空白を埋めようともせず、ただの一度も戯れない。
やがて当然のように、兄弟たちの不信は憤りや恐怖へと変わって・・・驚くべき悲劇が起こってしまうのでした。

兄弟を演じた子役たちの繊細な演技と、父親の徹底した態度の存在感がとにかく見事で、絶え間ない恐怖や焦燥感を味わいました。陰鬱なのはロシアのグレーの大地ゆえ、そしてよく降る雨のせいかもしれません。雨・海、この水の感じがソクーロフ風といわれる所以でしょうか。

始終、怖れ怯えていたはずの兄弟なのに、ラストのスナップ写真の映像で、彼らが輝いていたことを思ってハッとしました。
少年たちは生命力に溢れていて、強靭かつナイーブだということに、気づけるのは最後になってから。
彼らの成長も、真実を知ることの無意味さも、父親の内心も合わせて、理解できるのは本当に本当に最後になってからなのでした。
父親との一生忘れられない時間を過ごした彼らの、未来まで想像してしまえそうなラストです。
いくつか謎を残したのは、想像にお任せする――ということでしょうか。父親が掘り起こしたあの箱の中身は、息子たちの思い出の品だったらいいのに・・。
それにしても、こんなに不器用な父親なんてちょっと想像しがたいですが、ロシアならありそう、なんて思えてしまうのは偏見でしょうか。




監督  アンドレイ・ズビャギンツェフ
脚本  ウラジーミル・モイセエンコ  アレクサンドル・ノヴォトツキー
撮影  ミハイル・クリチマン
音楽  アンドレイ・デルガチョフ
出演  イワン・ドブロヌラヴォフ  ウラジーミル・ガーリン  コンスタンチン・ラヴロネンコ
(カラー/111分)







Last updated  2008.11.16 20:39:05
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2008.09.30
カテゴリ:ソ連・ロシア映画

 いままで鑑賞した2作品が無性に眠気を誘ったタルコフスキー。作品自体は好きだった。三本目のこちらは案外眠くならず、しかもしっとりと胸に響いてくる、タルコフスキーの自伝的な作品。
母の思い出、妻への愛と別離、戦争・・・意識下の過去と現在の心象風景が、水と火をモチーフにした幻想的なイメージで綴られる。

カラーとブルーがかったモノトーンが、シーンによって使い分けられている。夫婦の出会いから別れを、時間を遡って描く主題のほかに、少年の頃の思い出や、母親の記憶や、古い記録映画の映像を挿入した、監督自身の物語。ノスタルジーと家族への思いに溢れている。
初めてタルコフスキーを観たとき観念的であると教えられてから、この言葉以外に適当な表現が浮かばなくなってしまった。とにかく観念の世界。心象を描くのでとりとめがないけれど、ほかにはない魅力が映像の端々にある。

幻想世界を彷徨っているのに、時々ありありと感性を刺激されるから面白い。目を見張る映像が美しい。火と水、とくに多用される水のイメージは大きい。自分も持っているアニミズムの思想にしっくりと同化していく感じが、心地いいのかもしれない。
どんな人も感情も自然の中の一部分――そういわれているみたいで、自然と同調していける確かな包容力があった。飛びきりの悲劇だって、死に直面したって、何かに守られているような根本的な温かさがタルコフスキー作品にはあるみたい。冷たい雨が降りしきっていても、人の温かみを感じて。

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本編のなかで、ロシアのことを考察したシーンが印象的だった。
プーシキンの手紙の一節をつかったシーン。たぶん監督自身の少年時代を描いた場面で、その少年は朗読する。
「ロシアは歴史的に無価値・・・教会の分裂は欧州からロシアを引き離した・・・他のキリスト教国とは全く異なるキリスト世界を形成した・・・・」云々。
確かに、広大なロシアは欧州であって欧州でないような感じがする。歴史に疎い私には、ロシアの歴史上の存在位置さえわからない。
監督はプーシキンの手紙を引用して、そんな微妙な位置にある祖国を描きたかったのかもしれない。そしてそれこそが自らが生きた国であって、ロシアンカラーに染まっているのだから面白い。

ほかにも本編で使われる印象的な詩は、詩人である監督の実父のもの。朗読は監督が務めている。もう忘れてしまったけれど、いい詩だった。ロシアには有名な詩人や文豪がたくさんいて、凍えた大地が生んだそれらの作品を、フト手にとってみたくなるような、そんな余韻があった。

死ぬまでに観たい映画1001本



監督  アンドレイ・タルコフスキー
脚本  アレクサンドル・ミシャーリン  アンドレイ・タルコフスキー
撮影  ゲオルギー・レルベルグ
音楽  エドゥアルド・アルテミエフ
出演  マルガリータ・テレホワ  オレグ・ヤンコフスキー

(カラー/106分)








Last updated  2008.10.16 21:23:58
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2007.05.07
カテゴリ:ソ連・ロシア映画


  ロシアの児童文学作家エドワード・ウスペンスキーの原作を、ロマン・カチャーノフ監督が映画化した人形アニメーション。
かわいい容姿の架空の動物チェブラーシカが繰り広げる、ほのぼのした日常を描いたハートフルでキッチュな短編集。



 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




  人形アニメーションなのにこのキッチュな感じがたまりません。子供よりも大人ウケしそうな主人公たちが愛らしい。
寂しく楽しく、孤独で温かく切ない。
なんじゃそりゃ、という感じですが、でもいろんな感覚になる不思議な人形アニメーションです。
以前紹介した「ミトン」「ママ」「レター」のロマン・カチャーノフ監督で、あの時感想に書いたような、ソ連映画らしい?暗さがまた心をくすぐります。

だれも彼も寂しくてかまって欲しいだけ。
意地悪で怪盗のシャパクリャクばあさんだって、ただ有名になりたいから悪さをするだけなのです。
‘動物園のワニ’が仕事のゲーナ、正体不明のチェブラーシカ、みんな孤独でみんないい奴。
ほのぼのとした内容と微妙な暗さが、今の時代にはとてもシュールに映ります。

ゲーナが奏でるアコーディオンの音色と唄がお気に入り。
全体の音楽も懐かしい響きで、吹き替えでないほうが、より古さの味が加味されて魅力的に聴こえました。



チェブラーシカ チェブラーシカ




DVDには三つのお話が収録されています。
一つ目は、チェブラーシカが八百屋さんのオレンジの木箱から登場して、友達募集中のゲーナたちと友達になるお話。
二つ目は、チェブラーシカとゲーナがボーイスカウトに入りたくて奮闘するお話。
そして三つ目は、汽車で旅行へ出掛けたふたりに、意地悪なシャパクリャクばあさんが邪魔をする旅先での騒動。
特典のおまけには、もうひとつ10分ほどの短編も入っているのでお見逃しなく。

自分が誰なのかもわからないチェブラーシカと、その友人たちの物語。
人が困ってるのを見るて楽しむ・・・悪趣味っぽいけど、これはカタルシスというのもなのでしょうか。
雨の日の午後に見ていたい、そんな映画でもありました。




    チェブラーシカ

 愛らしいチェブラーシカはグッズになって、雑貨店でも見かけます。
絵本も人気がありそうですね~

 

 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 監督  ロマン・カチャーノフ
 原作  エドワード・ウスペンスキー
 美術  レオニード・シュワルツマン
 声   クララ・ルミャノワ 、ヴァシリイ・リヴァノフ

 (カラー/64分)


 






Last updated  2007.05.13 16:17:47
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2007.03.19
カテゴリ:ソ連・ロシア映画


  ロマン・カチャーノフ監督の1967年~72年に製作された短編アニメーションを三本観ました。
どれも一遍が10分で、DVD『ミトン』に収録されているものです。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ミトン」


  犬を飼いたくて仕方ない小さな女の子アーニャは、雪道で赤い手袋を子犬に見立てて遊び始めます。すると突然、その手袋が本当の子犬に生まれ変わるのでした――
小さな子供とその母親の何気ないやりとりをファンタジックに描きます。 


m031122b.jpgm031122c.jpg


台詞のない人形アニメーションでありながら、ぬくもりを感じてほのぼのとさせてくれます。
女の子の犬が欲しくてたまらない気持ち、優しい気持ちがすごく伝わる。
真っ赤なミトンが、突然子犬に生まれ変わって動き出すという、なんとも微笑ましい小品でした。
毛糸の質感が見た目にもぬくもりを感じます。
粘土を使うクレイアニメーションとはまた違い、使う素材によっていろんな表情を楽しめるのもいいところですね。

ミトンが子犬に…それはつかの間の夢でした。
けれど、少女には確かに見えている大切な子犬。
そっとミルクをあげるその姿は、お皿と小さなミトンなのだけれど・・・
ものを何かになぞらえて遊ぶこと、幼い頃には誰でも一度はしたはず。
懐かしい気持ちになります。



「ママ」 

mitten.gif 小さな坊やを一人寝かせ買い物に出かけたママは、いろいろ悪いことを想像しては、坊やが気がかりで・・・。
背景にはモノに乏しく行列しないと商品が買えなかった当時の社会情勢があります。


  「ミトン」に比べてちょっと暗く、当時のソ連の様子を垣間見るような小品でした。
こちらも無声ながら、テーマである母親の愛はいっぱいに感じられました。
買い物の列に並んだお母さんは、家で寝ている坊やが、泥棒に襲われてはいないだろうか、窓を開けて危ない目にあってはいないだろうか・・・
そう、心配でなりません。
この気持ちすごくわかる。
悪いことを想像したら、いても立ってもいられないほど。列はまだ長く、何度も何度も時計を覗き込むママは、思わず悪い出来事を想像してしまうのでした。
カミソリをいじり、泥棒に襲われ、窓から落ちそうになる坊や!
どれもリアルに描かれてるので、ママの留守中、坊やがひとりしてる悪さかと思ってしまったのは私です・・雫
親の知らないところで、子どもはじつはこんなことをしていたりして――という内容かと。
それはとんだ履き違えで、母が帰って、坊やの無事を確認したとき思わず流れる安堵の涙があまりに純粋で清いので、上のような解釈をしていた自分にエンガチョでした。
母の人形が青白くて不気味なのが、ちょっとこわい。
とてもハラハラする作品です。



「レター」 

mitten.gif 先の作品より更に暗く切なくなってくる物語。
戦地に赴いた父からの手紙が突然送られてこなくなり、手紙を楽しみにしていた少年と母親は不安を募らせますが…。

  
  全体に不安な気持ちを増す青い色使いで、母と子の悲痛な思いと安堵を描いた作品でした。
こちらも国柄や時代を感じさせる重さがあります。
楽しい気分で観る子供向け作品にはとどまっていない、大人が見ると胸に詰まるような、そんな作品。
この悲壮感、「ミトン」で温かくなった心が急降下でした。
沈み込んだ母は、子どもの面倒をみるどころではありません。
少年はふとベランダから切り離されて飛びだしたテラスに乗り、橋に佇んでいるお母さんを家につれて帰る――というなんとも幻想的で象徴的でもある物語でした。
ついに、二人の元へは元気なお父さんからの手紙が届き、安堵感でいっぱいのハッピーエンドではありますが、今では作られないような切実なテーマ性にハッとさせられるかもしれません。









Last updated  2007.03.28 09:42:29
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